株と値動きが異なる資産とは?資産分散の基本をわかりやすく解説【2026年版】
株と値動きが異なる資産とは?資産分散の基本をわかりやすく解説【2026年版】
「株式だけで運用しているけれど、株価が下がると不安…。株とは違う値動きをする資産ってあるの?」
そんな悩みを持つ方は少なくありません。日本銀行「資金循環統計(速報)2026年第2四半期」によると、2026年6月末の家計の金融資産残高は2,519兆円と過去最高を更新しました。その一方で、家計の現預金比率は44.9%まで低下し、株式・投資信託・債券の比率は28.5%へ上昇しています(第一生命経済研究所「資金循環統計(2026年4-6月期)」)。多くの家庭が資産を「預けるだけ」から「分散して運用する」方向へ移し始めているのです。
この記事では、株式と値動きが異なる資産の種類とそれぞれの特徴、資産分散の考え方とポートフォリオの組み方を、計算例つきで解説します。
この記事のアドバイザー
記事監修アドバイザー認定済み
田口 秀一(タグチ シュウイチ)外資系金融機関で10年以上の経験を通し、主に「投資初心者」向けに、「賢い家計の見直し術」から「ゼロからの投資の始め方」などのオーダーメードでサポートをしてきました。何事も興味を持ったタイミングが始め時です。不安もあるかもしれませんが、この機会に一緒に最初の一歩を踏み出しましょう!得意分野: 資産運用・生命保険
分散投資とは?「1つの資産に頼らない」考え方
分散投資とは、資産を複数の種類に分けて保有することで、全体のリスクを抑える方法です。考え方の基本はシンプルで、「どの資産が最も成績が良くなるかは予測できない」ことを前提にします。
ある年には株式が上昇し、別の年には債券や金が有利になる、ということは過去にも繰り返されてきました。1つの銘柄や1つの資産クラスに集中していると、その値動きが資産全体の結果を左右してしまいます。逆に複数のアセットに分けておけば、一部が下落しても、別の資産がそれを補う効果が期待できます。
分散投資は、短期的な成績を競うものではなく、将来にわたって安定した資産形成を続けるための考え方です。時間を味方につけてコツコツ続けるほど、その効果が実感しやすくなります。
なぜ「株とは違う値動きの資産」が必要なのか
株式は期待リターンが高い一方、価格の変動が大きい資産です。株価は企業業績だけでなく、金利や世界の経済情勢にも影響され、下落局面では大きく値を落とすことがあります。
ここで重要なのが「相関」という考え方です。相関とは、2つの資産が同じ方向に動くかどうかの関係性を指します。値動きが似ている資産を複数持っても、分散の効果は限定的です。例えば日本株の銘柄をいくつ増やしても、市場全体が下がれば一緒に下がりやすくなります。
一方、株式と性格の異なる資産を組み合わせると、一方が下落している局面でももう一方が下落しない、あるいは下落幅が小さい、という働きが生まれます。これが資産分散の本質です。
実際、日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」によると、日本の家計の現金・預金比率は47.2%であるのに対し、米国は10.7%、ユーロエリアは31.1%と、日本は現預金に偏った構成です。株式等の比率は日本が約13%台にとどまり、米国の25.5%、ユーロエリアの26.5%を大きく下回ります。資産の置き方には国や地域ごとに大きな違いがあります。ただし、急に株式比率を上げることにもリスクがあるため、株式以外の資産それぞれの特徴を知っておくことが大切です。
株式と値動きが異なる主な資産クラス
債券(国債・社債など)
債券は、国や企業にお金を貸して利息を受け取る資産です。市場金利が上昇すると債券価格は下落するなど株式とは異なる値動きをするため、株式と組み合わせる分散先として伝統的に使われてきました。第一生命経済研究所「資金循環統計(2026年4-6月期)~じわりと広がる家計の国債投資~」によると、国債・財投債への家計の資金流入は4四半期移動平均で+1.3兆円と、金利のある環境の下で債券投資の裾野が広がっています。
現金・預金
現金・預金は価格変動がなく元本が保証される点が最大の特徴です。株式が急落したときの「待機資金」として機能し、下落局面で慌てて売却しなくて済む安心感を与えてくれます。ただし金利が低いとインフレに対する防御力は限られます。
貸付を対象とするファンド
投資信託の中には、株式ではなく貸付や債券を対象とするファンドもあります。投資対象は株式と異なりますが、元本保証はなく、預金保険制度の対象外です。換金までに時間がかかる商品もあるため、選ぶ際は換金までの期間や信託報酬などの費用をあらかじめ確認しておくことが大切です。
金(ゴールド)
金は世界経済の混乱時に買い向かわれることが多く、株式と逆方向に動きやすい資産として知られています。ただし価格自体の変動はあるため、あくまでポートフォリオの一部です。
資産ごとの特徴を表で整理
| 資産クラス | 期待リターン | リスク(変動) | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 株式 | 高い | 大きい | 企業の成長を享受。下落局面も大きい |
| 債券 | 中程度 | 中程度 | 利息収入。金利上昇時は価格下落 |
| 現金・預金 | 低い | ほぼなし | 元本保証。インフレに弱い |
| 貸付型ファンド | 中程度 | 中程度 | 元本保証なし。換金に時間がかかる場合も |
| 金 | 中程度 | 中程度 | 安全資産としての性格 |
このように、各アセットには異なる役割があります。大切なのは「どれが一番か」ではなく、バランスよく組み合わせることです。
計算例でみる分散の効果
例えば300万円を保有している方を考えます。
ケースA:株式100%
300万円が2割下落すると、240万円。損失は60万円です。
ケースB:株式50%(150万円)+債券等25%(75万円)+預金25%(75万円)
株式が2割下落しても、債券等と預金が下落しないと仮定すれば、損失は株式部分の30万円だけ。資産全体は270万円になります。
同じ「市場全体が悪化した」というシナリオでも、資産分散によって損失の大きさが変わります。これが分散投資の効果です。もちろん、株式が大きく上昇した年にはケースAの方がリターンは大きくなります。分散は「平均的に安定した結果」を狙う方法であり、一時的な成績の最大化を狙う方法ではない点を理解しておきましょう。
また、分散の効果は保有期間が長いほど発揮されやすくなります。投資家が短期的な値動きに一喜一憂せず、長期の視点で資産を持ち続けることが、分散投資の成果を左右する大きなポイントです。
家計の資産はどう変わっている?最新データから
日本経済新聞「家計の株式・投信保有、初めて保険上回る」記事によると、2026年4〜6月期の資金循環統計で、家計が保有する株式・投資信託の残高が初めて保険・年金の残高を上回りました。遡及改定後のデータでは株式・投資信託の合計が590兆円、保険・年金などが579兆円で、統計を遡れる2005年以降で初の逆転です。
また、政府は2026年7月21日に「成長投資を促進するための金融戦略」を策定し、2040年までに家計金融資産に占める株式・投資信託・債務証券の割合を40%とする目標を掲げました。戦略で示された2025年3月末の同比率は約23%で、目標達成には約2倍への引き上げが必要とされています。
さらに、令和8年度税制改正大綱(2025年12月26日閣議決定、2026年3月31日成立)では、NISAのつみたて投資枠の対象商品について、「主に株式に投資するもの」から「主に株式又は公社債に投資するもの」へ要件が拡充されました。債券中心やバランス型の投資信託が新たに選択肢に加わり、リスク許容度が高くない層でも分散投資を始めやすくなります。同改正は2027年1月1日施行予定です。
J-FLEC「家計の金融行動に関する世論調査2025年」によれば、二人以上世帯の金融資産保有額の平均は1,940万円、単身世帯は919万円で、二人以上世帯は調査開始以来最高を記録しました。資産形成への関心が高まるいま、株式一辺倒ではなく、性格の異なる資産を組み合わせる視点がより重要になっています。
株式を保有している人の「待機資金」はどこに置くか
株式やインデックスファンドで運用している方にとって、次の買い場のために取っておく待機資金、生活防衛資金の置き場所は永遠のテーマです。株式とは分けて置いておく資金の候補として、現金・預金・定期預金・債券型のファンドなどがあります。
ここで選択肢の一つとなるのが、Habittoの貯蓄口座です。条件なしで年利0.8%(税引後0.637%)の金利がつき、預金額100万円まで適用されます。メガバンクの普通預金が年0.5%であることを考えると、同じ普通預金でも金利は1.6倍です。100万円を1年間預けた場合の税引後利息は6,375円になります。
20代の資産形成、何から始める?貯蓄・投資の基本と実践ステップでも解説しているように、まず生活防衛資金を預金で固め、その上で投資に進むのが基本の流れです。
100万円を超える資金は?「貯蓄マックス!」という選択肢
Habittoの貯蓄口座は100万円までが年0.8%の対象です。それを超える資金や、しばらく使う予定のないまとまったお金については、Habittoの「貯蓄マックス!」も選択肢の一つです。
貯蓄マックス!は投資信託(お金のデザイン・デジタル・レンディング・ファンド)で、目標利回りは年2.25%(税引前)。日銀政策金利+1.00%に連動しており、政策金利が変動すれば目標利回りも変動します。定期預金や国債と並べて比較される性格の商品ですが、預金とは異なる点に注意が必要です。
- 元本保証はありません
- 預金保険制度の対象外です
- 当ファンドは預貯金とは異なります
- 換金には約2ヶ月かかります(ゲート条項により延長される場合があります)
貯蓄マックス!は、定期預金や個人向け国債と並べて、当面使う予定のないまとまった資金の置き場所として検討する商品です。株式やインデックスファンドとは目的が異なるため、利回りで比べる対象には向きません。換金までの期間やリスクを確認したうえで、ご自身の資金計画に合うかどうかを判断してください。
ポートフォリオを組むときの3つのステップ
1. 生活防衛資金を先に確保する:生活費の数ヶ月分を預金で確保します。ここは価格変動のない場所が適しています。
2. 投資部分を資産クラスに分ける:株式・債券・その他のアセットの配分を決めます。リスク許容度に応じたバランスが大切です。
3. 定期的に見直す(リバランス):値動きによって配分は崩れます。半年〜1年ごとに元の配分へ戻すと、資産分散の効果を保ちやすくなります。
投資を始めたばかりの方は、投資初心者がやりがちな失敗例20選【2026年版】事例と回避ポイントを解説で、集中投資やタイミングを狙いすぎる失敗パターンを確認しておくと安心です。配分のイメージが湧かない方は、資産運用シミュレーションの使い方と資産形成への活かし方【2026年版】で数字を試してみる方法を紹介しています。
よくある質問
Q. 分散投資すれば損失はゼロになりますか?
なりません。分散は損失の大きさを抑える効果が期待できる方法ですが、市場全体が下落した場合は資産全体が減少することもあります。
Q. 預金だけではダメなのですか?
預金は元本が保証される大切な基盤ですが、日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」が示すように日本の家計は現金・預金比率が47.2%と高く、資産が預金に偏っている傾向があります。長期の資産形成では、性格の異なる資産との組み合わせを検討する価値があります。
Q. 迷ったら誰に相談すればいいですか?
Habittoのアドバイザー相談なら、国家資格をもつファイナンシャルプランナーに無料で、チャットまたはオンラインセッションで相談できます。無理な勧誘は一切ありません。
まとめ
株式と値動きが異なる資産を持つことは、下落局面への備えとして有効です。債券・現金・預金・貸付を対象とするファンド・金など、それぞれ性格の異なるアセットを組み合わせることで、資産全体の変動を抑える効果が期待できます。
押さえておきたいのは、分散の起点は「価格変動のない資金」だということです。まず生活防衛資金を金利のある預金に置き、超過分や使う予定のない資金は性格の異なる商品へ、という順番で考えると、ポートフォリオが組みやすくなります。どの資産にどれだけ配分するかは、将来のライフプランと資金を使う時期(期間)に合わせて決めるのが基本です。
貯蓄を始めたいけれど、どの口座を選べばいいか迷っている方は、条件なしで年利0.8%の金利がつくHabittoの貯蓄口座も選択肢の一つです。口座開設は最短8分、スマホだけで完結できます。まとまった資金の置き場所に迷っているなら、Habittoの「貯蓄マックス!」も選択肢の一つです。日銀政策金利に連動し、目標利回りは年2.25%(税引前)。ただし投資信託のため元本保証はなく、預金保険制度の対象外で、換金にはおよそ2ヶ月かかります。預金とは異なる商品である点を確認したうえで、ご自身の資金計画に合うかどうかを判断してください。お金のことで迷ったら、国家資格を持つファイナンシャルプランナーに無料で相談できるHabittoのアドバイザーも、気軽に活用してみてください。
※「貯蓄マックス!」は投資信託であり、預金ではありません。元本保証はなく、預金保険制度の対象外です。目標利回り年2.25%(税引前)は日銀政策金利+1.00%に連動するもので、政策金利が変動すれば利回りも変動します。換金にはおよそ2ヶ月かかります。購入はCHEER証券株式会社を通じて行います。
※Habitto0.8%(税引後0.637%)の金利は預金額100万円まで適用、それを超える預金について0.5%(税引後0.398%)の金利が適用されます。表示されている金利は年利です。条件なし:他の商品・サービスの購入や給振口座指定などの条件を伴わない普通預金として。金利は2026年11月2日時点で、今後変動する場合があります。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。具体的なご判断はご自身の責任で行ってください。
※投資にはリスクが伴います。投資に関する最終的な判断はご自身の責任で行ってください。
参考・出典
- 日本銀行「資金循環統計(速報)2026年第2四半期」(2026年9月17日公表)
- 第一生命経済研究所「資金循環統計(2026年4-6月期)」(2026年9月)
- 第一生命経済研究所「資金循環統計(2026年4-6月期)~じわりと広がる家計の国債投資~」
- 日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」(2026年8月31日)
- 日本経済新聞「家計の株式・投信保有、初めて保険上回る 日銀の資金循環統計」(2026年9月17日)
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査2025年」(2025年12月18日公表)
- 内閣官房(日本成長戦略本部事務局)「成長投資を促進するための金融戦略 ― 資産運用立国のアップグレード ―」(2026年7月21日)
- 金融庁「令和8(2026)年度税制改正について ―税制改正大綱における金融庁関係の主要項目―」(2025年12月26日)
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