給付型奨学金の条件・採用基準を解説【2026年版】返還不要の仕組みとは
給付型奨学金の条件・種類・採用基準を解説【2026年版】返還不要でもらえる仕組みとは
「奨学金って、結局は借金になるんじゃないの?」
そう思っている方も多いかもしれません。実は、返還不要の給付型奨学金という選択肢があります。日本学生支援機構(JASSO)「奨学金事業に関するデータ集 令和8年1月」によると、令和7年度(2025年度)予算として奨学金事業に1兆613億円・197.7万人規模の支援が予定されており、制度は着実に拡充されています。
この記事では、給付型奨学金の仕組み・採用条件・申し込み方法を、家計管理の視点もまじえてわかりやすく解説します。
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芳恵(よしえ)外資系保険会社で8年以上の経験を通し、1000名以上のお客様のライフプランや資産運用をサポートしてまいりました。あなたの大切な「今」と「未来」の生活を豊かにするための「お金の新習慣」。その一歩を、一緒に踏み出してみませんか。2級ファイナンシャル・プランニング技能士得意分野: 資産運用・生命保険
給付型奨学金とは?返還不要の制度の基本を解説
給付型奨学金とは、進学後に毎月一定額が支給される奨学金のうち、卒業後に返還が不要なものです。一般的に「奨学金」と聞くと貸与型(返済が必要)を思い浮かべる方が多いですが、給付型はもらったお金をそのまま学費や生活費に充てられます。
代表的なのが、文部科学省と独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が運営する「高等教育の修学支援新制度」です。令和2年度(2020年度)から開始されたこの制度は、給付奨学金の支給と授業料・入学金の減免がセットになっており、家計への負担を大きく軽減します。
給付型奨学金には大きく分けて、①国(JASSO)が提供する制度、②大学・学校独自の制度、③民間企業や自治体が提供する制度の3種類があります。この記事では主に、最も利用者が多いJASSOの給付奨学金を中心に解説します。
給付型奨学金と貸与型奨学金の違い
給付型と貸与型の最大の違いは、返還の有無です。貸与型奨学金は卒業後に月々返済が必要ですが、給付型は返還不要です。家計への長期的な影響は大きく異なります。
| 種類 | 返還 | 利息 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| 給付型奨学金 | 不要 | なし | 家計基準・学力基準を満たす学生 |
| 貸与型(第一種) | 必要 | 無利子 | 学力・家計基準を満たす学生 |
| 貸与型(第二種) | 必要 | 有利子 | 比較的緩やかな基準の学生 |
貸与型奨学金を利用する場合、卒業後の返済が家計を圧迫することがあります。給付型を優先的に確認し、条件を満たすなら積極的に活用することが大切です。
給付型奨学金の採用条件:3つの基準を満たす必要がある
日本学生支援機構(JASSO)「奨学金事業に関するデータ集 令和8年1月」によると、給付奨学金(高等教育の修学支援新制度)の採用要件は、以下の3つをすべて満たすことが必要です。
① 家計に関する基準(収入基準・資産基準)
生計維持者(原則として父母)および申込者本人の所得・資産が一定の基準を下回ることが必要です。
所得基準(収入基準)
2026年度の予約採用(進学前申込)では、生計維持者と申込者本人の2024年1月〜12月の所得に基づく2025年度住民税情報から算出した「支給額算定基準額」によって判定されます(JASSO「【高校生等対象】奨学金の家計基準の判定について」)。マイナンバーを通じて情報が取得されるため、申込者が個別に証明書を用意する手間が省けます。
資産基準
JASSO「【給付奨学生】2026年10月の支援区分見直し」によると、申込日時点の奨学生本人と生計維持者の資産額の合計が5,000万円未満であることが条件です。なお、多子世帯における授業料等減免については3億円未満まで緩和されます。
② 学業成績・学修意欲に関する基準
JASSO「【高校生等対象】給付奨学金の選考について」によると、予約採用(高校生等対象)では以下のいずれかを満たす必要があります。
- 高等学校等における全履修科目の評定平均値が5段階評価で3.5以上であること
- または、将来社会で自立・活躍する目標を持って学修意欲があることが文書・面談等により確認できること
成績が3.5に届かない場合でも、学修意欲の確認によって選考を通過できる場合があります。
③ その他の要件(国籍・在留資格・高校卒業からの年数など)
日本国籍の学生に加え、外国籍の学生も一定の在留資格を持つ場合は申し込みが可能です。JASSO「進学前(予約採用)の給付奨学金の申込資格」によると、「法定特別永住者」「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者(将来永住意思がある者)」「家族滞在(12歳に達した学年の末日までに入国または日本の小学校を卒業した者)」のいずれかに該当する必要があります。
在学採用(入学後申込)の学業要件と適格認定
進学前に申し込む「予約採用」のほか、大学等に入学後に申し込む「在学採用」もあります。在学採用の学業要件として、文部科学省「大学生等の皆さんへ 高等教育の修学支援新制度」によると、GPA(平均成績)等が上位1/2以上であることが求められます。
これを満たさない場合は、①修得単位数が標準単位数以上、かつ②学修計画書等により学修意欲が確認できること、の両方を満たす必要があります。
在学中の適格認定(毎年秋)
採用後も毎年10月に支援区分の見直しが行われます。文部科学省「大学生等の皆さんへ 高等教育の修学支援新制度」によると、以下のいずれかに該当する場合は「警告」となります。
- 修得単位数が標準修得単位数の7割以下の場合
- GPA等が下位4分の1の場合
- 授業への出席率が8割以下など学修意欲が低いと大学等が判断した場合
2回連続で警告を受けた場合(2回目がGPA等の要件のみの場合)は支援が廃止されます。在学中も継続的に学業・出席状況を管理することが重要です。
支給月額はどのくらい?区分・設置者・通学形態で変わる
JASSO「在学中の適格認定(家計)」によると、給付奨学金の支給月額は、支援区分(第Ⅰ〜第Ⅲ区分)・学校の設置者(国公立・私立)・通学形態(自宅・自宅外)によって決まります。
支援区分は家計状況によって毎年10月に見直されるため、年度をまたいで支給月額が変更される場合があります。授業料等減免と合わせると、年間の支援総額は家計にとって大きな意味を持ちます。
多子世帯への拡充(令和7年度〜)
文部科学省「高等教育の修学支援新制度」によると、令和7年度(2025年度)から、扶養する子どもが3人以上の多子世帯の学生については所得制限なく授業料・入学金の減免が受けられるよう制度が拡充されました。
ただし、多子世帯支援区分の場合、給付奨学金(生活費部分)の支給月額は0円となる点に注意が必要です。授業料減免はフルに受けられますが、生活費の給付はない仕組みです。
申し込み方法:予約採用と在学採用の2つの方法
給付型奨学金の申し込み方法は大きく2つあります。
予約採用(進学前申込)
高校3年生の春〜夏頃に、在学している高校を通じて申し込みます。進学先が決まる前に申し込める点がメリットです。採用結果は進学前に通知されるため、進学先の選択にも役立てられます。
在学採用(入学後申込)
大学・短期大学・専門学校・高等専門学校等に入学後、学校を通じて申し込む方法です。予約採用で採用されなかった場合や、入学後に家計状況が変わった場合などに利用できます。
申し込みの詳細や最新情報は、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の公式ホームページで確認することをおすすめします。行政法人日本学生支援機構・法人日本学生支援機構が運営するJASSOの公式サイトには、年度ごとの募集要項や申込書類が掲載されています。
国・大学・自治体・民間の奨学金を組み合わせる
給付型奨学金はJASSOだけではありません。大学独自の給付奨学金、自治体が提供する奨学金、民間企業・財団が設ける奨学金など、複数の制度を組み合わせることで支援を手厚くできる場合があります。
ただし、併用できる奨学金の種類や金額には制限がある場合もあるため、各制度の要件を個別に確認することが大切です。特に自治体の奨学金は、居住地域によって内容が大きく異なります。進学を検討している学校の奨学金担当窓口や、自治体の教育支援窓口に早めに相談することをおすすめします。
計算例:給付奨学金と授業料減免で年間どのくらい変わる?
具体的なイメージをつかむために、2つの例で考えてみましょう。
計算例①:私立大学・自宅外・第Ⅰ区分の場合
給付奨学金の支給月額と授業料等減免額は支援区分・設置者・通学形態によって決まります(JASSO「在学中の適格認定(家計)」)。第Ⅰ区分(最も支援が手厚い区分)で私立大学・自宅外通学の場合、授業料減免と給付奨学金の合計支援額は年間で相当な規模になります。
貸与型奨学金のみを利用した場合と比べると、4年間の卒業時点での返済総額の差は大きく、家計への長期的な影響が異なります。
計算例②:多子世帯(3人以上)の場合
令和7年度から拡充された多子世帯支援では、所得制限なく授業料・入学金の減免が受けられます(文部科学省「高等教育の修学支援新制度」)。ただし給付奨学金(生活費部分)の支給月額は0円のため、生活費は別途確保する必要があります。
たとえば年間授業料が100万円の私立大学に通う場合、多子世帯支援区分で授業料が全額または一部免除されれば、その分を貯蓄や他の教育費に回せます。進学前から家計全体を見渡した資金計画を立てることが重要です。
進学後の家計管理:奨学金を活かすお金の置き方
給付型奨学金を受け取れたとしても、毎月の生活費の管理は欠かせません。支給された奨学金を効率よく活用するには、「使う口座」と「貯める口座」を分けることが基本です。
365日貯金のやり方|1年でいくら貯まる?楽しく続ける6つのコツでは、コツコツ貯めるための具体的な方法を紹介しています。進学後の生活費管理にも応用できます。
奨学金の支給日と家賃・光熱費などの支払い日をカレンダーで管理し、毎月の収支を把握する習慣をつけましょう。貸与型奨学金を併用している場合は、卒業後の返還計画も在学中から意識しておくことが大切です。
また、奨学金で賄えない部分を補う「生活防衛資金」を少しずつ積み立てておくと安心です。普通預金に置いておくなら、少しでも金利が高い口座を選ぶことで、コツコツ育てることができます。
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よくある質問
Q. 給付型奨学金は成績が悪いともらえなくなる?
在学中も毎年秋に適格認定が行われます。文部科学省「大学生等の皆さんへ 高等教育の修学支援新制度」によると、GPA等が下位4分の1の場合や修得単位数が標準の7割以下の場合は「警告」となり、2回連続で警告を受けると支援が廃止されます。在学中も継続的な学修が求められます。
Q. 非課税世帯でないと申し込めない?
住民税非課税世帯(第Ⅰ区分)が最も手厚い支援を受けられますが、それ以外の世帯(第Ⅱ・第Ⅲ区分)でも支援を受けられる場合があります。家計の収入状況に応じた支援区分が設定されているため、まずは申し込みの条件を確認することをおすすめします。
Q. 外国籍でも申し込める?
JASSO「進学前(予約採用)の給付奨学金の申込資格」によると、「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」など一定の在留資格を持つ外国籍の学生も申し込みが可能です。詳細はJASSOの公式情報を確認してください。
Q. 貸与型奨学金との併用はできる?
給付型奨学金と貸与型奨学金は原則として併用可能ですが、支援区分や学校の種別によって利用できる貸与型の種類や金額に制限がある場合があります。学校の奨学金担当窓口に相談することをおすすめします。
まとめ:給付型奨学金は「進学前から準備」が鍵
給付型奨学金は返還不要という大きなメリットがありますが、家計基準・学力基準・その他要件の3つをすべて満たす必要があります。予約採用は高校在学中に申し込むため、進学を考え始めた段階から情報収集を始めることが重要です。
制度の拡充(多子世帯支援など)も続いているため、「うちは対象外」と思い込まず、まずはJASSOの公式情報を確認することをおすすめします。
奨学金を上手に活用しながら、進学後の家計もコツコツ管理していくことが、将来の選択肢を広げることにつながります。
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※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。具体的なご判断はご自身の責任で行ってください。
参考・出典
- 日本学生支援機構(JASSO)「奨学金事業に関するデータ集 令和8年1月」(2026年)
- 日本学生支援機構(JASSO)「【高校生等対象】奨学金の家計基準の判定について」(2026年)
- 日本学生支援機構(JASSO)「【給付奨学生】2026年10月の支援区分見直し(2026年度適格認定(家計))」(2026年)
- 日本学生支援機構(JASSO)「【高校生等対象】給付奨学金の選考について」(2026年)
- 日本学生支援機構(JASSO)「進学前(予約採用)の給付奨学金の申込資格」(2026年)
- 日本学生支援機構(JASSO)「在学中の適格認定(家計)」(2026年)
- 文部科学省「大学生等の皆さんへ 高等教育の修学支援新制度」(2026年)
- 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」(2026年)
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