貯金と投資の割合はどう決める?年代別の目安とバランスの考え方
貯金と投資の割合はどう決める?年代別の目安とバランスの考え方を解説
「貯金と投資、どのくらいの割合で分ければいいの?」「投資に回すお金が多すぎても少なすぎても不安......」――お金の使い分けに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
日本銀行の資金循環統計(2025年9月末)によると、家計の金融資産残高は2,286兆円と過去最高を更新。注目すべきは、現預金の比率が49.1%と18年ぶりに50%を割り込んだことです。株式や投資信託への資金シフトが進んでおり、「貯金だけ」から「貯金+投資」へと、お金の置き場所を見直す人が増えています。
この記事では、貯金と投資の割合を決めるための考え方と、年代別・状況別の目安を、具体的なステップとともに解説します。
この記事のアドバイザー
記事監修アドバイザー認定済み髙山 千愛美(たかやま ちあみ)2,000件以上のライフプラン相談を通じて、お客様の描く未来の実現をサポートしてきました。『お金の貯め方・増やし方・守り方・使い方』を一緒にひとつずつ、考えてみませんか💡1級ファイナンシャル・プランニング技能士証券外務員第一種宅地建物取引士得意分野: 資産運用・住宅ローン
投資スタイル: 長期積立分散を意識したインデックス投資/株主優待
貯金と投資の割合はいくらが理想?まず知っておきたいこと
まず知っておきたいのは、貯金と投資の割合に唯一の正解はないということです。
「収入の〇割を投資に回すべき」と一律に決められるものではなく、以下のような個人の状況によって最適なバランスは変わります。
- 年齢とライフステージ(独身か、家族がいるか)
- 収入の安定性(会社員か、フリーランスか)
- 今後のライフイベント(結婚、住宅購入、出産、転職など)
- リスク許容度(値下がりにどこまで耐えられるか)
- 投資の経験(初めてか、ある程度慣れているか)
大切なのは、他人の割合をそのまま真似るのではなく、自分の状況に合った配分を考えることです。
まず確保すべきは「生活防衛資金」
投資にお金を回す前に、最初に確保すべきなのが「生活防衛資金」です。これは、突然の失業、病気、急な出費に備えるための現金のことです。
生活防衛資金の目安
| 状況 | 目安 |
|---|---|
| **会社員(単身)** | 生活費の3〜6ヶ月分 |
| **会社員(家族あり)** | 生活費の6ヶ月分 |
| **フリーランス・自営業** | 生活費の6ヶ月〜1年分 |
たとえば月の生活費が20万円の会社員なら、60万円〜120万円が目安です。月の生活費が25万円の家族世帯なら、150万円が一つの目標になります。
この資金はすぐに引き出せる普通預金に置いておくのが基本。投資に回すのは、生活防衛資金を確保した「余裕資金」だけにしましょう。
Habittoのブログでは生活防衛資金の目安と貯め方をさらに詳しく解説しています。
貯金と投資の割合を決めるポイント:「お金の色分け」
貯金と投資の割合を考えるとき、多くのファイナンシャルプランナーがすすめるのが「お金の色分け」という方法です。お金を目的ごとに3つに分けて考えます。
バケツ1:守るお金(生活防衛資金)
- 目的: 日常生活と緊急時の備え
- 置き場所: 普通預金(すぐに引き出せる口座)
- 目安: 生活費の3〜6ヶ月分
- 特徴: 絶対に減らしてはいけない。安全性が最優先
バケツ2:使う予定のあるお金(3〜5年以内)
- 目的: 結婚、住宅購入の頭金、車、旅行など
- 置き場所: 定期預金、または金利の高い普通預金
- 目安: ライフプランに応じて計算
- 特徴: 元本割れのリスクは取りたくない。確実に使えることが重要
バケツ3:育てるお金(5年以上使わない余裕資金)
- 目的: 老後資金、長期の資産形成・資産運用
- 置き場所: 新NISA、iDeCo、投資信託、株式、債券など
- 目安: 上記2つを確保した残り
- 特徴: 時間を味方にして、リスクを取りながら育てる
このように分けると、「投資に回していい金額」が自然に見えてきます。投資は「バケツ3」のお金だけで行うのが原則です。
なお、バケツ2の「使う予定のあるお金」には、保険の見直しや年金の把握も含めて考えることが大切です。たとえば、すでに加入している生命保険や医療保険がある場合、必要以上の保障に保険料を払っていないか確認しましょう。保険料を見直すことで、投資に回せる余裕資金が生まれることもあります。
また、将来受け取れる年金額も把握しておきましょう。「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できます。年金だけで老後の生活費をまかなえるかどうかで、「バケツ3」に積む金額が変わってきます。
年代別の貯金と投資の割合の目安
年代によって、収入・支出・ライフイベントは大きく異なります。以下はあくまで一般的な目安ですが、割合を考える出発点として参考にしてください。
20代:まず貯蓄を優先、少額から投資を始める
| 区分 | 割合の目安 |
|---|---|
| 生活防衛資金 | 収入の20〜30% |
| 近い将来の資金 | 収入の10〜20% |
| 投資(余裕資金) | 収入の10〜20% |
20代はまだ収入が少ないケースが多い一方、時間という最大の武器があります。まずは生活防衛資金を確保しつつ、月数千円からでも積立投資を始めることで、長期の複利効果を最大限に活かせます。
日本銀行の資金循環統計でも、20代は金融資産に占める預貯金の割合が51.4%と他の年代より高い傾向があります。まだ投資に踏み出していない方は、少額から始めてみるのも一つの方法です。
Habittoのブログでは20代の資産形成の始め方も解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
30代:ライフイベントと投資のバランスを取る
| 区分 | 割合の目安 |
|---|---|
| 生活防衛資金 | 生活費6ヶ月分を維持 |
| ライフイベント資金 | 収入の15〜25% |
| 投資(余裕資金) | 収入の15〜25% |
30代は結婚、出産、住宅購入など大きなライフイベントが集中する時期。「使う予定のあるお金」を明確にしたうえで、残りを投資に回すのがポイントです。
新NISAのつみたて投資枠(年間120万円まで非課税)を活用すれば、税制面でもメリットがあります。
40代:老後を見据えて投資の比率を高める
| 区分 | 割合の目安 |
|---|---|
| 生活防衛資金 | 生活費6ヶ月分を維持 |
| 教育費など | 必要額を別口座で確保 |
| 投資(余裕資金) | 収入の20〜30% |
40代は収入がピークに近づく一方、教育費の負担も増える時期。50代は金融資産に占める預貯金の割合が39.4%まで下がるデータもあり、投資への配分を意識的に増やしている方が多い年代です。
ただし、教育費や住宅ローンなど「確実に必要なお金」を投資に回すのは避けましょう。
貯金と投資の割合の決め方:4つのステップ
具体的に自分の割合を決めるためのステップを紹介します。
ステップ1:毎月の家計の収支を把握する
まずは手取り収入と、毎月の支出を把握しましょう。家計簿アプリなどを使って「何にいくら使っているか」を見える化することが第一歩です。収支がわからないと、投資に回せる金額も見えてきません。
ステップ2:生活防衛資金の目標額を決める
月の生活費 × 必要月数(3〜12ヶ月)で計算します。すでに貯まっている方は次のステップへ。まだの方は、まず貯蓄を優先しましょう。
ステップ3:3〜5年以内に使うお金を洗い出す
結婚、住宅購入の頭金、車の買い替え、転職準備など、近い将来に必要な金額をリストアップします。このお金は投資に回さず、安全な預金で確保します。
ステップ4:余裕資金を投資に配分する
ステップ1〜3を差し引いた残りが「投資に回してもいいお金」です。この金額の範囲内で、新NISAやiDeCoを活用した積立投資を検討しましょう。
ムリのない金額から始めることが長続きの秘訣です。月1,000円からでも始められる証券会社がほとんどです。
Habittoのブログでは新NISAの始め方を初心者向けに解説しています。
投資の割合が決まったら:資産運用に使える金融商品の選び方
「バケツ3」の資金で資産運用を始めるとき、代表的な金融商品には以下のようなものがあります。
| 金融商品 | 特徴 | リスク |
|---|---|---|
| **投資信託(インデックスファンド)** | 少額から分散投資が可能。新NISAの対象商品が多い | 中程度。市場全体の値動きに連動 |
| **株式** | 個別企業に投資。配当金や株主優待も | 高め。企業業績や市場の影響を受ける |
| **債券(国債・社債)** | 満期まで保有すれば元本が戻る商品が多い | 低め。ただしインフレリスクあり |
| **バランスファンド** | 株式・債券を組み合わせた分散型の金融商品 | 商品による。リスク分散が自動的にできる |
初心者がまず検討しやすいのは、投資信託を使った積立投資です。月100円から始められる証券会社もあり、新NISAのつみたて投資枠で購入できる商品は、金融庁の基準を満たした長期投資向けの金融商品に限定されています。
リスクが気になる方は、株式と債券を組み合わせたバランスファンドで分散投資するのも一つの方法です。一つの金融商品で自動的にリスク分散ができるため、資産運用の経験が浅い方にも取り組みやすいでしょう。
投資の割合を決めるときは、「どの金融商品にいくら配分するか」まで具体的に考えると、自分のリスク許容度と向き合いやすくなります。
貯金と投資の割合でよくある失敗パターン
割合を決めるとき、以下のような失敗に注意しましょう。
失敗1:生活防衛資金を確保せずに投資を始める
貯金がほとんどない状態で資産運用を始めると、急な出費で投資を解約せざるを得なくなることがあります。投資信託や株式は短期では元本割れのリスクがあるため、必要な時期に損失が出ている可能性もあります。まずは現金で生活費の3〜6ヶ月分を確保しましょう。
失敗2:リスクを取りすぎる
「お金を早く増やしたい」と思って、余裕資金以上の金額を投資に回してしまうケースがあります。資産運用は長期で考えるもの。短期の値動きで生活が不安定になるほどの金額を投資に回すのは避けましょう。
失敗3:一度決めた割合を見直さない
ライフステージが変われば、最適な割合も変わります。結婚したとき、子どもが生まれたとき、住宅を購入したとき――こうしたタイミングで貯金と投資の配分を見直すことが大切です。
よくある質問
Q. 投資の割合は収入の何割が理想ですか?
一般的には手取り収入の10〜30%を貯蓄・投資に回すのが目安と言われますが、正解は人によって異なります。まずは生活防衛資金を確保し、3〜5年以内に使う予定のお金を除いた「余裕資金」の範囲内で投資を始めるのがポイントです。
Q. 貯金がまだ少ないのですが、投資を始めてもいいですか?
生活防衛資金(生活費3〜6ヶ月分)がまだ貯まっていない場合は、まず貯蓄を優先しましょう。ただし、少額(月1,000円など)であれば、貯蓄と投資を同時に始めることも選択肢の一つです。投資の習慣を早くつけること自体に価値があります。
Q. 貯金と投資の割合は定期的に見直すべきですか?
はい。ライフステージの変化(結婚、出産、転職など)や、収入・支出の変化があったタイミングで見直すのがおすすめです。少なくとも年に1回は「バケツの配分」を確認してみましょう。
まとめ:自分に合った「貯金と投資のバランス」を見つけよう
貯金と投資の割合に万人共通の正解はありません。大切なのは「お金の色分け」で自分の状況を整理し、守るお金・使う予定のお金・育てるお金の3つに分けて考えること。
そのうえで、投資は「育てるお金」の範囲内でムリなく始めること。年代や状況が変われば、割合も見直す。この柔軟さが、長期的な資産形成を成功させる鍵になります。
自分に合った貯金と投資のバランスがわからない、ライフプランに合わせた資産配分を相談したいという方は、Habittoのファイナンシャルアドバイザーに相談してみるのも選択肢の一つです。国家資格を持つファイナンシャルプランナーに無料で何度でも相談できます。無理な勧誘は一切ありませんので、気軽に活用してみてください。
また、まずは貯蓄の土台を固めたいという方は、条件なしで年利0.6%(税引後0.478%)の金利がつくHabittoの貯蓄口座も選択肢の一つです。口座開設は最短8分、スマホだけで完結できます。生活防衛資金や「使う予定のあるお金」の置き場所として、金利のつく口座を活用してみてはいかがでしょうか。
※0.6%(税引後0.478%)の金利は預金額100万円まで適用、100万円を超える預金については0.3%(税引後0.239%)の金利が適用されます。表示されている金利は年利です。他の商品・サービスの購入や給振口座指定などの条件を伴わない普通預金として。金利は変動する場合があります。
※投資にはリスクが伴います。投資に関する最終的な判断はご自身の責任で行ってください。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。具体的なご判断はご自身の責任で行ってください。