電気代の値上げはなぜ続く?2026年の高騰要因と家庭でできる対策を解説
電気代の値上げはなぜ続く?2026年の高騰要因と家庭でできる対策を解説
「また電気代が上がってる……いったいいつまで続くんだろう」
そう感じている方は多いのではないでしょうか。2026年に入ってから、電気料金の値上がりが家計を直撃しています。再エネ賦課金の引き上げ、政府補助の終了、そして中東情勢に端を発する燃料価格の上昇と、値上げの要因が重なっている状況です。
この記事では、電気代が高騰している理由と推移、今後の見通し、そして家庭でできる節約・家計防衛の方法をわかりやすく解説します。
この記事のアドバイザー
2026年の電気代はなぜ高騰しているのか?主な要因を解説
電気料金の値上がりには、複数の要因が同時に重なっています。一つひとつ整理してみましょう。
要因①:再エネ賦課金の引き上げ
経済産業省は2026年度の再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)の単価を、1kWhあたり4.18円(税込)に決定しました。2025年度の3.98円から0.20円の引き上げで、制度が始まった2012年以来の過去最高水準です。
月400kWhを使用する標準的な家庭では、再エネ賦課金だけで年間20,064円の負担となります。この単価は2026年5月検針分から2027年4月検針分まで適用されます。再生可能エネルギーの普及を支える制度ですが、家計への影響は無視できません。
要因②:政府補助の終了と再開
政府は2026年1月・2月使用分の電気料金を低圧1kWhあたり4.5円、3月使用分を1.5円値引きする「電気・ガス料金支援」を実施していました。しかしこの支援は2026年3月使用分(4月検針分)で終了し、4月使用分以降は補助がなくなりました。
補助があった時期と比べると、同じ使用量でも請求額が大きく増えた家庭が多いはずです。補助終了は電気代の実質的な値上げとして家計に直撃しています。なお、2026年6月5日に成立した補正予算により、7〜9月は再び支援が実施される予定です(詳細は後述)。
要因③:燃料価格の上昇と燃料費調整制度
毎日新聞の報道によると、一般家庭の電気料金は3か月間の平均燃料価格をもとに毎月調整される「燃料費調整制度」で決まり、LNGや原油なら3〜5か月前の輸入価格が電気代に反映される仕組みです。
2026年2月末にホルムズ海峡が事実上封鎖されたことで原油調達費が上昇し、2〜4か月のタイムラグを経て6月分から電気代に反映されています。日本経済新聞によると、6月使用分(7月請求分)の電気代は大手電力9社が値上げを発表し、値上げ幅は最大で前月比91円(約1%)。東京電力管内では前月比28円高の8,823円となりました。
燃料費調整制度の仕組みと電気代への影響
電気代の変動を理解するうえで、燃料費調整制度の仕組みを知っておくと役立ちます。
電力会社は、発電に使うLNG(液化天然ガス)・原油・石炭などの燃料価格が変動した場合、その影響を電気料金に自動的に反映させます。これが燃料費調整制度です。燃料価格が上がれば電気代も上がり、下がれば電気代も下がる仕組みです。
日本の電力は火力発電の比率が高く、なかでもLNG火力の割合が大きいため、天然ガスの輸入価格が電気代に与える影響は特に大きくなります。円安が続く局面では輸入コストがさらに上昇するため、電気代の値上がりに拍車がかかります。
経済産業省の官民連絡会議(2026年3月10日)によると、ホルムズ海峡を経由するLNGの年間輸入量は約400万トン(日本全体の約6%)で、電力・ガス会社はこれとほぼ同水準の在庫を保有しており、短期的な供給不安はないとされています。ただし燃料価格の高止まりが続けば、今後も電気代への影響は避けられません。
電気代の推移と家計への影響:計算例で確認
実際にどれくらい負担が増えているのか、具体的な数字で確認してみましょう。
計算例①:再エネ賦課金の年間負担
月400kWhを使用する標準世帯の場合、再エネ賦課金の年間負担は以下のとおりです。
| 年度 | 単価(1kWhあたり) | 月間負担(400kWh) | 年間負担 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 3.98円 | 1,592円 | 19,104円 |
| 2026年度 | 4.18円 | 1,672円 | 20,064円 |
2026年度は前年度より年間960円の負担増となります。再エネ賦課金だけでも、毎月の電気代に約80円上乗せされる計算です。
計算例②:補助終了前後の電気代の変化
政府補助(低圧1kWhあたり4.5円)があった2026年1月・2月使用分と、補助が終了した4月使用分以降を比較します。月400kWhを使用する家庭の場合、補助分だけで月1,800円(4.5円×400kWh)の差が生じます。年換算すると最大21,600円の負担増です。
再エネ賦課金の引き上げと補助終了が重なり、実質的な電気代の値上がり幅は想像以上に大きくなっています。
計算例③:消費者物価への影響
総務省統計局の消費者物価指数(2026年3月分)によると、電気代は前年同月比▲8.0%となりました。これは政府の電気・ガス料金支援が前年同月にも実施されていたことによる比較効果が主因です。一方、ガソリン・灯油を含むエネルギー全体は総合CPIの上昇幅を0.26ポイント拡大させており、エネルギーコストが家計の物価全体を押し上げていることがわかります。
政府補助の状況と今後の見通し
夏の補助(7〜9月)が再開される見込み
2026年6月5日、総額3兆円強の2026年度補正予算が成立しました。中東情勢を受けたエネルギー価格高騰への対応として、電気・ガス料金支援に0.5兆円が計上されています。
家庭用電気料金の支援額は1kWhあたり7月3.5円・8月4.5円・9月3.5円で、標準的な家庭では「3か月で5,000円」程度の負担引き下げ効果が見込まれます。支援後の料金水準は昨年夏を下回る見込みです。
秋以降の電気代見通しは楽観できない
日本経済新聞によると、9月以降はLNGの高騰が電気代に反映され、一段の値上げとなる見込みです。国内の電力はLNG火力の比率が高いため、政府補助がなくなる秋冬の家計負担増が深刻になるとされています。
第一生命経済研究所の分析では、夏の電気・ガス料金補助(7〜9月)はCPIコアを▲0.4〜▲0.6ポイント程度押し下げる効果があると試算されています。ただし資源価格上昇の影響は秋から冬に本格化するため、支援が3か月で終了しない可能性もあり、補助の恒常化による財政負担の拡大と出口戦略が課題となっています。
家庭でできる電気代対策:節電・プラン見直し・家計管理
電気代の高騰は外部要因によるものが大きく、個人の力だけで完全に抑えることは難しいです。それでも、できることはあります。
節電の工夫
野村総合研究所が2026年5月に関東1都6県の生活者3,202人を対象に実施した調査によると、電気代対策として「我慢して節電する」(35.9%)と「生活の質を落とさない工夫をする」(39.8%)が並存しています。
エアコンの設定温度を1℃調整するだけでも消費電力の削減につながります。また、省エネ性能の高い家電への買い替えは、初期費用はかかるものの長期的なコスト削減につながります。使用量を意識することが、節約の第一歩です。
同調査では「電気代を賢く管理できる住宅」への関心度は全体の約47%が「関心あり」と回答しており、特に年収が高い層ほど関心が高い傾向にあります。電気代の高騰が、住まいのあり方を見直すきっかけにもなっています。
電力会社・料金プランの見直し
電力自由化以降、電力会社や契約プランを自由に選べるようになっています。現在の使用量や生活パターンに合った料金プランに見直すことで、同じ使用量でも電気代を抑えられる場合があります。
各電力会社の料金比較は、資源エネルギー庁が提供する情報や各社の公式サイトで確認できます。契約内容を定期的に見直す習慣をつけておくと安心です。
家計全体で「固定費の見直し」を
電気代の値上がりが続くなか、家計の固定費全体を見直す機会にもなります。日用品の節約術|生活費の出費を減らすコツと節約方法を紹介でも紹介しているように、日々の支出を小さく見直す積み重ねが、家計防衛の基本です。
電気代高騰の時代に、お金の置き場所を見直す
電気代をはじめとする物価高が続くなか、「同じお金を持っているだけで実質的な価値が下がっていく」という状況が続いています。節電や支出の見直しと並行して、手元の現金をどこに置くかを考えることも、家計防衛の重要な一手です。
メガバンクの普通預金金利は現在年0.3%です。一方、Habittoの貯蓄口座は条件なしで年0.7%(税引後0.557%、預金額100万円まで)の金利がつきます。メガバンクの約2.3倍の金利水準で、他の商品の購入や給振口座の指定といった条件も一切ありません。
具体的な利息の比較
100万円を1年間預けた場合の税引後利息を比較してみましょう。
| 預け先 | 年利(税引前) | 税引後利息(1年) |
|---|---|---|
| メガバンク普通預金 | 年0.3% | 約2,391円 |
| Habittoの貯蓄口座 | 年0.6% | 約4,780円 |
差額は年間約2,789円。電気代の値上がり分を少しでもカバーする一助になります。Habittoの貯蓄口座はスマホだけで最短8分で開設できます。
物価高の時代に「お金を少しでも育てておく」という発想は、20代から始める資産運用|初心者向けに方法と考え方を解説でも詳しく紹介しています。
電気代の節約で浮いたお金を「貯める」習慣へ
電気代対策で少し支出を抑えられたとしても、そのお金が自然と貯まるわけではありません。節約で生まれた余裕を、意識的に貯蓄に回す仕組みを作ることが大切です。
1年で100万円を貯める方法|20代・30代でも達成できるコツを解説でも解説しているように、毎月の節約額を「先取り貯蓄」として自動的に積み立てる方法が効果的です。
Habittoのデビットカードを日常の買い物に使うと、全ての購入金額に対して0.8%の現金キャッシュバックが翌月21日に受け取れます。節電・節約・キャッシュバックを組み合わせることで、電気代高騰の影響を少しずつ和らげることができます。
お金の不安は、専門家に相談するのが近道
電気代の値上がりや物価高が続くなか、「家計をどう立て直せばいいかわからない」と感じている方もいるかもしれません。そんなときは、ひとりで抱え込まずに専門家に相談することも一つの方法です。
Habittoのアドバイザーは、国家資格を持つファイナンシャルプランナーに無料で何度でも相談できるサービスです。チャットまたはオンラインセッションで、家計の見直しや貯蓄の始め方について気軽に話せます。無理な勧誘は一切ありません。
電気代高騰で家計が圧迫されているなか、支出の見直しだけでなく、お金全体の流れを整えることが家計防衛の近道です。家計の現状を把握したうえで、節電・節約・貯蓄の三つを組み合わせるアプローチが現実的です。
よくある質問
Q. 電気代はいつまで高いままですか?
現在の見通しでは、秋冬にかけてさらなる値上がりが見込まれています。日本経済新聞によると、9月以降はLNG価格の高騰が電気代に本格的に反映される見通しです。政府補助が3か月(7〜9月)で終了した場合、秋冬の家計負担は一段と増す可能性があります。第一生命経済研究所も、支援の延長・拡大の可能性を指摘しています。
Q. 再エネ賦課金とは何ですか?
再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)は、太陽光発電などの再生可能エネルギーを電力会社が買い取る費用を、電気を使う全ての家庭・事業者で分担する仕組みです。使用量に比例して課金されるため、電気をたくさん使う家庭ほど負担が大きくなります。2026年度の単価は1kWhあたり4.18円(税込)で、月400kWhを使う標準世帯では年間20,064円の負担となります。
Q. 燃料費調整制度とは何ですか?
燃料費調整制度とは、LNG・原油・石炭など発電に使う燃料の価格変動を、電気料金に自動的に反映させる仕組みです。3か月間の平均燃料価格をもとに毎月調整され、LNGや原油なら3〜5か月前の輸入価格が電気代に反映されます。ホルムズ海峡封鎖による原油価格上昇が2〜4か月のタイムラグを経て6月分から反映されているのも、この制度によるものです。
Q. 電力会社を変えると電気代は安くなりますか?
使用量や生活パターン、地域によって異なりますが、現在の契約プランと比較して安くなる場合があります。電力自由化以降、新電力会社や料金プランの選択肢が広がっています。資源エネルギー庁の比較サービスなどを活用して、定期的に見直すことをおすすめします。
Q. 節電以外に電気代の負担を減らす方法はありますか?
電力プランの見直しのほか、省エネ家電への買い替え、太陽光発電の導入(初期費用が必要)などが考えられます。また、節電で浮いたお金を金利の高い口座に預けておくことで、少しでも家計の体力をつけておくことも有効です。家計全体の固定費を見直す視点も重要です。
まとめ:電気代高騰は複合的な要因、家計防衛は「複数の手」で
2026年の電気代高騰は、再エネ賦課金の引き上げ・政府補助の終了・燃料費調整制度を通じた燃料価格の上昇という複数の要因が重なった結果です。夏の補助(7〜9月)で一時的に負担が軽減される見込みですが、秋以降はLNG価格の高騰が本格的に反映される可能性があり、楽観はできません。
ここで意識しておきたいのが、「電気代対策」と「お金の置き場所の見直し」を別々に考えないことです。節電や固定費の削減で支出を抑えても、手元に残ったお金が低金利のまま眠っていては、インフレや物価高によって実質的な価値が目減りしていきます。同じ普通預金に置くなら、条件なしで金利の高い口座を選ぶことが、誰でも今日からできる現実的な資産防衛の第一歩です。
節電・プランの見直し・固定費の削減といった支出側の工夫と、貯蓄の金利を少しでも高くするといった資産側の工夫を組み合わせることが、物価高の時代を乗り越えるための現実的なアプローチです。
電気代の値上がりは避けられない部分も大きいですが、「どこにお金を置くか」を見直すことは今日からでもできます。20代で貯金ゼロは普通?データで見る実態と今日から始める貯め方【2026年版】でも紹介しているように、まず「お金の現状を把握する」ことが、家計改善の出発点になります。
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※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。具体的なご判断はご自身の責任で行ってください。
参考・出典
- 経済産業省「2026年1月、2月及び3月使用分の電気・ガス料金支援の実施に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可・承認を行いました」(2025年12月16日)
- 経済産業省「燃料(LNG)の安定供給確保に向けて、電力・ガス事業者、資源開発事業者・商社との第4回官民連絡会議を開催しました」(2026年3月10日)
- 財務省「2026年度補正予算の内容をご紹介します」(2026年6月5日)
- 総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)3月分及び2025年度(令和7年度)平均」(2026年4月24日)
- 日本経済新聞「6月電気代、最大91円値上げ エネルギー高騰の価格転嫁始まる」(2026年5月28日)
- 毎日新聞「夏、秋…段階的に電気代は高騰 家計支援も、政府負担は重く」(2026年5月18日)
- 第一生命経済研究所「電気・ガス代補助の物価への影響と今後の課題 ~夏で終わらず、秋以降の支援延長・拡大の可能性も~」(2026年5月下旬)
- 野村総合研究所「電気代高騰に伴う家計防衛意識と『エネパ』の追求」(2026年6月9日)
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