ドルコスト平均法とは?仕組み・メリット・注意点を初心者向けに解説
ドルコスト平均法とは?仕組み・メリット・注意点を初心者にもわかりやすく解説
「投資を始めたいけれど、いつ買えばいいのかわからない」。資産形成に興味はあるものの、タイミングの判断が難しくて一歩を踏み出せないという方は少なくありません。
そんな方に知っておいてほしいのが「ドルコスト平均法」です。ドルコスト平均法は、毎月などの一定間隔で、一定金額ずつ金融商品を購入していく投資手法です。購入のタイミングを分散することで、価格変動のリスクを抑えながら資産形成を進められます。
この記事では、ドルコスト平均法の仕組みや計算方法、メリットと注意点、一括投資との違い、そして具体的なやり方までわかりやすく解説します。
この記事のアドバイザー
記事監修アドバイザー認定済み田口 秀一(タグチ シュウイチ)外資系金融機関で10年以上の経験を通し、主に「投資初心者」向けに、「賢い家計の見直し術」から「ゼロからの投資の始め方」などのオーダーメードでサポートをしてきました。何事も興味を持ったタイミングが始め時です。不安もあるかもしれませんが、この機会に一緒に最初の一歩を踏み出しましょう!得意分野: 資産運用・生命保険
ドルコスト平均法の仕組み
ドルコスト平均法とは、価格が変動する金融商品(株式や投資信託など)を、一定の金額で定期的に購入し続ける投資方法です。「定額購入法」とも呼ばれます。
ポイントは「一定の"口数"」ではなく「一定の"金額"」を購入するという点です。
毎月1万円を投資信託の購入に充てるとしましょう。投資信託の基準価額(1口あたりの価格)は日々変動するため、毎月の購入口数は変わります。
・基準価額が高い月 → 購入できる口数は少なくなる
・基準価額が低い月 → 購入できる口数は多くなる
このように、価格が高いときは自動的に少なく買い、安いときは多く買うことになります。その結果、長期的に続けると1口あたりの平均購入価格が平準化され、「高値つかみ」のリスクを抑える効果が期待できます。
具体例で理解するドルコスト平均法の計算方法
数字を使って、ドルコスト平均法の仕組みを確認してみましょう。
ある投資信託を毎月1万円ずつ、6か月間購入した場合を例にします。
| 月 | 基準価額(1口) | 購入口数 | 投資額 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 100円 | 100口 | 10,000円 |
| 2月 | 80円 | 125口 | 10,000円 |
| 3月 | 60円 | 166.7口 | 10,000円 |
| 4月 | 70円 | 142.9口 | 10,000円 |
| 5月 | 90円 | 111.1口 | 10,000円 |
| 6月 | 80円 | 125口 | 10,000円 |
| **合計** | — | **770.7口** | **60,000円** |
6か月間の合計投資額は60,000円で、770.7口を購入できました。
1口あたりの平均購入価格を計算すると、60,000円÷770.7口=約77.8円です。
6か月間の基準価額の単純平均は(100+80+60+70+90+80)÷6=80円ですが、ドルコスト平均法で購入した場合の平均購入価格は約77.8円となり、単純平均よりも低く抑えられています。
これは、基準価額が安い月(60円、70円)に多くの口数を購入できたためです。6月時点で基準価額が80円であれば、保有資産の評価額は770.7口×80円=61,656円となり、投資額60,000円に対して1,656円のプラスです。
一方、1月に60,000円を一括投資していた場合はどうでしょうか。1月の基準価額100円で600口を購入し、6月時点の評価額は600口×80円=48,000円。12,000円のマイナスです。
この例では、ドルコスト平均法のほうが一括投資よりも有利な結果になりました。
ドルコスト平均法のメリット
1. 購入タイミングに悩まなくていい
投資で多くの方が困るのは「いつ買えばいいのか」という判断です。ドルコスト平均法では、毎月決まった日に自動で購入するため、相場の上下を気にする必要がありません。「あのとき買っておけばよかった」「もう少し待てばよかった」という後悔が起きにくい方法です。
2. 平均購入価格を平準化できる
前述の計算例で見たとおり、一定金額で購入し続けることで、価格が高いときは少なく、安いときは多く買うことになります。この仕組みにより、長期的に平均購入価格が平準化され、一括で購入した場合と比べて高値つかみのリスクを軽減できます。
3. 少額から始められる
一括投資ではまとまった資金が必要ですが、ドルコスト平均法なら毎月の積立額を自分で設定できます。証券会社によっては投資信託を毎月100円から積み立てられるところもあり、大きな資金がなくても資産形成を始められます。
4. 精神的な負担が少ない
相場が下落すると、一括投資の場合は保有資産全体が大きく値下がりするため、不安を感じやすくなります。ドルコスト平均法では、下落した月は「安く多く買える時期」と捉えることができるため、精神的な負担が軽くなります。自動積立を設定しておけば、日々の価格変動に一喜一憂せずに投資を続けやすくなります。
5. 投資の知識が少なくても始めやすい
購入する商品と毎月の金額を最初に決めるだけで、あとは自動で購入が進みます。チャート分析や相場の予測は必要ありません。初心者でも取り組みやすい投資手法として広く利用されています。
ドルコスト平均法の注意点
メリットの多いドルコスト平均法ですが、万能ではありません。始める前に知っておきたい注意点があります。
短期間では成果が出にくい
ドルコスト平均法は、長期にわたって購入を続けることで効果を発揮する手法です。数か月〜1年程度の短期間では、購入価格を平準化する効果が十分に働かず、期待した成果が出ないことがあります。最低でも5年、できれば10年以上の長期運用を前提に考えましょう。
相場が一方的に上昇し続ける場合、一括投資のほうが有利になる
もし投資を始めた直後から相場が右肩上がりに上昇し続けた場合、最初に一括で購入していたほうがリターンは大きくなります。ドルコスト平均法では購入を分散するため、上昇局面では後から購入する分が高値での購入になるからです。
ただし、相場が今後上がるか下がるかを正確に予測することは誰にもできません。「上がり続けるか分からないからこそ、時間を分散して購入する」のがドルコスト平均法の考え方です。
下落が長期間続くと損失が発生する
ドルコスト平均法を使えば必ず利益が出るわけではありません。購入した金融商品の価格が長期的に下落し続けた場合、保有資産の評価額が投資額を下回る(元本割れする)可能性があります。あくまでリスクを「軽減」する手法であり、リスクを「なくす」手法ではない点は理解しておきましょう。
取引手数料に注意が必要
一括投資に比べて購入回数が多くなるため、取引ごとに手数料がかかる金融商品の場合、手数料の合計が大きくなることがあります。投資信託では購入時手数料のかからない「ノーロード型」の商品も多いので、長期の積立投資ではこうした商品を選ぶのがポイントです。
ドルコスト平均法と一括投資の違い
ドルコスト平均法と一括投資の特徴を整理してみましょう。
| ドルコスト平均法 | 一括投資 | |
|---|---|---|
| 購入方法 | 毎月一定額を定期的に購入 | まとまった資金を一度に投資 |
| 必要な資金 | 少額から可能(毎月100円〜) | まとまった資金が必要 |
| 購入タイミング | 自動的に分散される | 自分で判断する必要がある |
| 価格変動リスク | 購入価格が平準化される | 購入時の価格に大きく依存 |
| 上昇相場での成績 | 一括投資に劣る場合がある | 有利になりやすい |
| 下落・横ばい相場 | 平均購入価格を下げる効果がある | 損失が大きくなりやすい |
| 精神的負担 | 比較的少ない | 価格変動の影響を受けやすい |
| 向いている人 | 初心者、忙しい方、長期運用 | 投資経験者、まとまった資金がある方 |
どちらが「正解」ということはありません。投資の経験が少ない方やタイミングの判断に自信がない方はドルコスト平均法から始め、経験を積んでから一括投資も検討するという進め方が現実的です。
ドルコスト平均法の具体的なやり方
ドルコスト平均法を実践するためのステップを紹介します。
ステップ1:金融機関で口座を開設する
投資信託の積立を始めるには、証券会社や銀行で口座を開設する必要があります。
ステップ2:購入する金融商品を選ぶ
ドルコスト平均法で積み立てる商品としては、投資信託が代表的です。投資信託は1本で複数の株式や債券に分散投資できるため、個別銘柄を選ぶ手間がかかりません。
長期の積立投資に適した商品を選ぶポイントは以下の3つです。
・運用コスト(信託報酬)が低い:年0.1〜0.3%程度のインデックス型がおすすめ
・分散が効いている:全世界株式型やバランス型など、1本で幅広く分散できる商品
・購入時手数料がかからない:ノーロード型の投資信託を選ぶ
ステップ3:毎月の積立金額を設定する
無理のない範囲で毎月の積立額を決めましょう。生活費や緊急時の備え(生活防衛資金)を確保したうえで、余裕資金から投資に回すのが基本です。最初は月5,000円〜1万円程度から始めて、慣れてきたら金額を増やしていくのも一つの方法です。
ステップ4:自動積立を設定する
証券会社の積立設定で、毎月の購入日と金額を登録します。設定が完了すれば、毎月自動で投資信託が購入されるため、手間がかかりません。「給料日の翌日」や「毎月1日」など、管理しやすい日を選ぶとよいでしょう。
ステップ5:長期間続ける
ドルコスト平均法は、長期にわたって続けることで効果を発揮します。相場が下落しても途中でやめず、淡々と積立を継続することが大切です。短期的な値動きに左右されず、5年、10年、20年という時間軸で取り組みましょう。
ドルコスト平均法を活かせる制度
ドルコスト平均法と相性のいい制度を2つ紹介します。
新NISA(つみたて投資枠)
新NISAのつみたて投資枠は、年間120万円(月10万円)までの積立投資で得た運用益が非課税になる制度です。金融庁が選定した長期投資に適した投資信託が対象で、まさにドルコスト平均法を実践するための仕組みが整っています。
非課税保有限度額は1,800万円(うちつみたて投資枠は全額対象)で、売却すれば翌年に非課税枠が復活します。長期の積立投資を始めるなら、まず活用を検討したい制度です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoも毎月一定額を積み立てる仕組みのため、ドルコスト平均法の効果を自然に活かせます。掛金が全額所得控除の対象になるため、投資をしながら税金も軽減できるのが特徴です。
60歳まで引き出せないという制約がありますが、老後の資産形成に特化して取り組むなら有力な選択肢です。
ドルコスト平均法で資産形成するときのポイント
投資する商品の中身を理解する
ドルコスト平均法は「購入タイミングを分散する」手法であり、「どんな商品でも利益が出る」手法ではありません。購入する投資信託がどの資産に投資しているのか、運用コストはいくらかなど、商品の中身は事前に確認しましょう。
生活防衛資金を確保してから始める
投資は余裕資金で行うのが基本です。生活費の3〜6か月分を普通預金に確保したうえで、残りの余裕資金から積立額を設定しましょう。
生活防衛資金の預け先は、金利の高い口座を選ぶと効率的です。Habittoの貯蓄口座は条件なしで年利0.6%(税引後0.478%、100万円まで)がつくため、すぐに引き出せる貯蓄の預け先として活用できます。
相場が下がっても積立をやめない
ドルコスト平均法を途中でやめてしまう最大の原因は、相場の下落です。価格が下がると不安になりますが、下落局面こそ「安い価格で多くの口数を買える時期」です。むしろ、将来価格が回復したときに大きなリターンにつながる可能性があります。短期的な値動きに動揺せず、最初に決めたルールを守って続けることが成果につながります。
定期的に積立額を見直す
収入が増えたときは積立額を増やし、生活が厳しい時期は減額するなど、柔軟に調整しましょう。無理な金額を設定して途中で積立をやめるよりも、少額でも長く続けるほうが結果的に大きな資産になります。
よくある質問
Q. ドルコスト平均法はどんな金融商品に使えますか?
株式、投資信託、外貨預金、ETFなど、価格が変動する金融商品全般に適用できます。なかでも、投資信託の積立購入がもっとも一般的です。投資信託は1本で分散投資ができ、自動積立の設定も簡単なため、ドルコスト平均法との相性が良い商品です。
Q. 毎月の積立日は何日がいいですか?
積立日によって長期的な運用成績に大きな差は出ないと考えられています。管理しやすい日(給料日の翌日、毎月1日など)を選べば問題ありません。証券会社によっては「毎日積立」を選べるところもあり、さらに購入タイミングを分散できます。
Q. 将来の資産計画全体について相談したい場合はどうすればいいですか?
ドルコスト平均法は投資の方法論の一つですが、「毎月いくら投資に回せるか」「どの制度を使うべきか」は家計全体のバランスで決まります。自分に合った配分がわからない場合は、ファイナンシャルプランナーに相談してみるのも一つの方法です。Habittoでは国家資格を持つFPに無料で何度でも相談できます。無理な勧誘は一切ありません。
ドルコスト平均法は、投資のタイミングに悩まず、コツコツと資産を積み上げていける方法です。相場の予測は誰にもできませんが、時間を味方にして購入価格を平準化することで、長期的な資産形成の可能性を広げてくれます。
投資と並行して、手元にすぐ使える貯蓄も確保しておきたい方は、条件なしで年利0.6%がつくHabittoの貯蓄口座も選択肢の一つです。口座開設は最短8分、スマホだけで完結できます。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。具体的なご判断はご自身の責任で行ってください。
※投資にはリスクが伴います。詳細は各商品の説明書をご確認ください。
※0.6%(税引後0.478%)の金利は預金額100万円まで適用、100万円を超える預金については0.3%(税引後0.239%)の金利が適用されます。表示されている金利は年利です。他の商品・サービスの購入や給振口座指定などの条件を伴わない普通預金として。金利は変動する場合があります。