ドルコスト平均法とは?仕組み・メリット・デメリットをわかりやすく解説
ドルコスト平均法とは?仕組み・メリット・デメリットを初心者向けにわかりやすく解説
「投資を始めたいけど、いつ買えばいいのかわからない」「値下がりが怖くて、なかなか一歩を踏み出せない」――そんな悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。
日本証券業協会の「証券投資に関する全国調査(2024年度)」によると、有価証券の保有率は前回調査の19.6%から24.1%へ大幅に増加しました。一方で、投資の必要性を「必要だと思う」と答えた方は30.9%から42.6%へと伸びており、「始めたいけれど踏み出せない」という層が確実に増えていることがわかります。
こうした「始めたいけれど不安」という方に適した投資手法として、多くの金融機関や専門家がすすめているのが「ドルコスト平均法」です。この記事では、ドルコスト平均法の仕組みからメリット・デメリット、具体的な始め方まで、初心者にもわかりやすく解説します。
この記事のアドバイザー
記事監修アドバイザー認定済み髙山 千愛美(たかやま ちあみ)2,000件以上のライフプラン相談を通じて、お客様の描く未来の実現をサポートしてきました。『お金の貯め方・増やし方・守り方・使い方』を一緒にひとつずつ、考えてみませんか💡1級ファイナンシャル・プランニング技能士証券外務員第一種宅地建物取引士得意分野: 資産運用・住宅ローン
投資スタイル: 長期積立分散を意識したインデックス投資/株主優待
ドルコスト平均法とは?基本の仕組み
ドルコスト平均法とは、価格が変動する金融商品を、一定の金額で、定期的に購入し続ける投資手法です。英語では「Dollar-Cost Averaging(DCA)」と呼ばれます。
たとえば「毎月1万円ずつ投資信託を買う」というのが、ドルコスト平均法の典型的なやり方です。
ポイントは「一定の金額」で買い続けること。口数(量)を固定するのではなく、金額を固定します。これにより、次のような仕組みが自動的に働きます。
- 価格が高いとき → 同じ金額で買える口数は少なくなる
- 価格が低いとき → 同じ金額で買える口数は多くなる
結果として、1口あたりの平均購入単価が平準化され、「高値づかみ」のリスクを抑える効果が期待できます。
金融庁も、つみたてNISAの解説の中で「時間(タイミング)の分散」としてこの手法を紹介しています。
具体例で見るドルコスト平均法の効果
言葉だけではわかりにくいので、具体的な数字で比較してみましょう。
ある投資信託の基準価額が5ヶ月間で以下のように変動したとします。毎月10,000円ずつ購入した場合と、最初に一括で50,000円を購入した場合を比べます。
ドルコスト平均法(毎月10,000円ずつ購入)
| 月 | 基準価額(1口あたり) | 購入金額 | 購入口数 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 10,000円 | 10,000円 | 1.00口 |
| 2月 | 8,000円 | 10,000円 | 1.25口 |
| 3月 | 5,000円 | 10,000円 | 2.00口 |
| 4月 | 7,000円 | 10,000円 | 1.43口 |
| 5月 | 10,000円 | 10,000円 | 1.00口 |
| **合計** | — | **50,000円** | **6.68口** |
平均購入単価: 50,000円 ÷ 6.68口 = 約7,485円/口
5月時点の評価額: 6.68口 × 10,000円 = 66,800円(+16,800円の含み益)
一括投資(1月に50,000円をまとめて購入)
購入口数: 50,000円 ÷ 10,000円 = 5.00口
5月時点の評価額: 5.00口 × 10,000円 = 50,000円(±0円)
この例では、ドルコスト平均法のほうが16,800円多い結果になりました。価格が下がった3月に2口も購入できたことが、この差を生んでいます。
ただし、これはあくまで一つのパターンです。価格が右肩上がりだけの場合は、一括投資のほうが有利になります(デメリットの章で詳しく解説します)。
ドルコスト平均法の3つのメリット
1. 購入タイミングに悩まなくていい
「いつ買えばいいか」は、プロの投資家でも正確に予測することはできません。ドルコスト平均法なら、あらかじめ決めた金額を機械的に購入するだけ。相場のタイミングを読む必要がありません。
これは投資の世界で「タイムイン・ザ・マーケット(市場にいる時間)はタイミング・ザ・マーケット(市場のタイミングを計ること)に勝る」と言われる考え方にも通じます。
2. 少額から始められる
ドルコスト平均法は、毎月100円や1,000円からでも始められます。まとまった資金がなくても、コツコツと資産形成ができるのは大きな魅力です。
たとえば新NISAのつみたて投資枠を活用すれば、年間120万円まで非課税で積立投資が可能です。金融庁のつみたてシミュレーターによると、毎月33,000円を年率5%で20年間積み立てた場合、元本792万円に対して約1,356万円になる計算です(運用益約564万円)。
もちろん実際の利回りは保証されたものではありませんが、少額でも長期間続けることで複利の効果が積み重なっていくイメージがつかめるのではないでしょうか。
3. 感情に左右されにくい
投資で失敗する原因の一つが、「値下がりしたときにパニックで売ってしまう」こと。ドルコスト平均法は自動的に積立を続ける仕組みなので、相場の変動に一喜一憂せず、冷静に投資を継続できます。
むしろ価格が下がったときは「安く多く買えるタイミング」です。この心理的な安定感が、長期投資を続けるうえで非常に大きな力になります。
日本証券業協会の調査でも、新NISA開始前後で「資産形成について興味を持ち始めた」と答えた方が60.3%にのぼっています。関心はあるけれど不安もある――そんな方にとって、自動で淡々と続けられるドルコスト平均法は、投資の第一歩を踏み出しやすい方法と言えます。
ドルコスト平均法のデメリットと注意点
メリットばかりではありません。ドルコスト平均法にも理解しておくべき注意点があります。
右肩上がりの相場では一括投資に劣ることがある
対象の金融商品の価格が安定的に上昇し続ける場合、最初にまとめて購入していたほうが、結果的に多くのリターンを得られるケースがあります。
ドルコスト平均法は「価格変動がある前提」でリスクを分散する手法です。右肩上がりが確実な場面では、その分散がかえってリターンを押し下げる可能性があります。
ニッセイ基礎研究所のレポート「ドルコスト平均法を考える─過去データに基づく分析」でも、長期の右肩上がり局面では一括投資のリターンがドルコスト平均法を上回るケースが多いと分析されています。
長期間の下落相場では損失が出る
ドルコスト平均法は「いつか価格が回復する」ことを前提にした手法です。購入した金融商品の価格が長期にわたって下落し続けた場合、平均購入単価も下がりますが、損失は膨らみます。
ドルコスト平均法は「必ず利益が出る」手法ではないという点は、しっかり理解しておきましょう。
短期的な利益は期待しにくい
この手法の効果は、5年、10年、20年といった長い期間をかけて発揮されるものです。「すぐにお金を増やしたい」という方には向いていません。
手数料に注意
購入のたびに手数料がかかる金融商品の場合、購入回数が多いドルコスト平均法は手数料負担が大きくなる可能性があります。ただし、新NISAのつみたて投資枠で購入できる投資信託は、金融庁の基準により購入時手数料が無料(ノーロード)のものに限定されているため、NISAを活用するならこの点は基本的に気にする必要はありません。
ドルコスト平均法に向いている人・向いていない人
向いている人
- 投資が初めてで、何から始めればいいかわからない方
- まとまった資金はないが、毎月コツコツ積み立てたい方
- 相場の値動きを毎日チェックする時間がない方
- 新NISAやiDeCoを使って長期の資産形成を考えている方
- 感情に振り回されず、淡々と投資を続けたい方
向いていない人
- すでにまとまった資金があり、相場分析の経験がある方 → 一括投資や分割投資との組み合わせも検討
- 短期間で大きなリターンを狙いたい方 → ドルコスト平均法は長期向け
- 値動きのない安定した商品で運用したい方 → 価格変動がないとドルコスト平均法のメリットが活きない
ドルコスト平均法を始める3つのステップ
ステップ1:積立に使う制度を選ぶ
まず、どの制度を使って積立投資をするか決めましょう。代表的な選択肢は以下の2つです。
| 制度 | 年間投資上限 | 税制メリット | 引き出し |
|---|---|---|---|
| **新NISA(つみたて投資枠)** | 120万円 | 売却益・配当金が非課税 | いつでも可能 |
| **iDeCo** | 14.4〜81.6万円(職業による) | 掛金が全額所得控除 | 原則60歳まで不可 |
どちらを優先すべきかは、年齢やライフプランによって異なります。一般的には、いつでも引き出せる新NISAから始める方が多いです。
Habittoのブログでも新NISAの始め方を詳しく解説しています。
ステップ2:投資する商品を選ぶ
ドルコスト平均法と相性が良いのは、長期的に価格上昇が期待できる金融商品です。代表的なものとしては:
- 全世界株式型の投資信託(インデックスファンド) — 世界中の株式に幅広く分散投資
- 国内外の株式・債券に分散投資するバランスファンド — リスクを抑えたい方向け
金融庁がつみたてNISAの対象商品として指定している投資信託は、長期の積立投資に適した要件を満たしたものに限定されています(販売手数料無料、信託報酬が一定以下など)。商品選びの出発点として参考にするとよいでしょう。
ステップ3:金額と頻度を決めて、自動設定する
毎月いくら積み立てるかを決めたら、証券会社の自動積立設定を利用しましょう。一度設定すれば、あとは自動で購入が続きます。
大切なのは、ムリのない金額を設定すること。生活費を圧迫するほどの積立額は、途中で続けられなくなるリスクがあります。まずは月1,000〜5,000円程度から始めて、慣れてきたら増額していくのも一つの方法です。
投資を始める前に:貯蓄の土台を固めよう
ドルコスト平均法で積立投資を始める前に大切なのが、まず手元の貯蓄を確保することです。
一般的に、生活費の3〜6ヶ月分の「生活防衛資金」を普通預金に確保したうえで、余裕資金を投資に回すのが安心です。投資は長期間引き出さないことが前提ですが、急な出費に対応できる貯蓄がないと、せっかくの積立を途中で解約することになりかねません。
投資に回すお金と、すぐに引き出せる貯蓄は、口座を分けて管理するのがおすすめです。貯蓄用の口座に条件なしで高い金利がつく銀行を選べば、お金を置いておくだけでもムリなく資産を育てることができます。
たとえばHabittoの貯蓄口座は、条件なしで年利0.6%(税引後0.478%)の金利がつきます。メガバンクの普通預金と比べると大きな差です。投資のための土台となる生活防衛資金を効率よく育てながら、余裕資金でドルコスト平均法による積立投資を始めるという使い分けが可能です。
Habittoのブログでは20代から始める資産運用についても解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
よくある質問
Q. ドルコスト平均法は本当に「意味がない」のですか?
「意味がない」と言われることがありますが、それは主に「右肩上がりの相場では一括投資のほうが有利」という文脈です。ドルコスト平均法は、将来の相場を正確に予測できないという前提に立った手法であり、リスクを時間分散するという意味では確かな効果があります。特に投資初心者にとっては、心理的なハードルを下げ、投資を継続しやすくする効果が大きいと言えます。
Q. 毎月いくらから始められますか?
多くのネット証券では、毎月100円からの積立投資が可能です。まずは少額から始めて、慣れてきたら金額を増やしていくのがおすすめです。
Q. ドルコスト平均法はいつやめるべきですか?
明確な「やめ時」はありませんが、目標金額に達したタイミングや、ライフイベント(住宅購入、退職など)で資金が必要になったタイミングが一つの目安です。売却のタイミングについても、一度に全額売却するのではなく、分割して少しずつ売却する方法があります。
まとめ:ドルコスト平均法は「時間を味方にする」投資手法
ドルコスト平均法は、投資のタイミングを分散することで、リスクを抑えながら長期的な資産形成を目指す手法です。「いつ始めるか」ではなく「続けること」が大切。少額からでも始められる手軽さが、投資初心者にとっての大きな魅力です。
ただし、ドルコスト平均法だけで安心というわけではありません。投資を始める前に、まず生活防衛資金を確保すること。そして自分のリスク許容度やライフプランに合った商品・制度を選ぶことが、資産形成の土台になります。
投資の始め方や自分に合った資産形成のプランについて迷ったら、Habittoのファイナンシャルアドバイザーに相談してみるのも選択肢の一つです。国家資格を持つファイナンシャルプランナーに無料で何度でも相談できます。無理な勧誘は一切ありませんので、気軽に活用してみてください。
また、投資の前にまず貯蓄を固めたいという方は、条件なしで年利0.6%(税引後0.478%)の金利がつくHabittoの貯蓄口座も選択肢の一つです。口座開設は最短8分、スマホだけで完結できます。
※0.6%(税引後0.478%)の金利は預金額100万円まで適用、100万円を超える預金については0.3%(税引後0.239%)の金利が適用されます。表示されている金利は年利です。他の商品・サービスの購入や給振口座指定などの条件を伴わない普通預金として。金利は変動する場合があります。
※投資にはリスクが伴います。投資に関する最終的な判断はご自身の責任で行ってください。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。具体的なご判断はご自身の責任で行ってください。
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