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フリーランスの貯金はいくら必要?独立前後・老後に分けて解説

フリーランスの貯金はいくら必要?独立前・独立後・老後に分けて解説

「フリーランスになりたいけど、貯金がいくらあれば安心?」 「独立したものの、毎月いくら貯金すればいいかわからない」

フリーランスや個人事業主にとって、貯金は会社員以上に重要です。収入が不安定になる可能性がある、傷病手当金がない、退職金がないなど、会社員にはない金銭的なリスクを自分でカバーする必要があるためです。

この記事では、フリーランスに必要な貯金額を「独立前」「独立後の運転資金」「老後資金」の3段階に分けて解説します。あわせて、フリーランスが効率的に貯金を増やすための方法や、活用すべき制度も紹介します。


この記事のアドバイザー

記事監修アドバイザー認定済み

髙山 千愛美たかやま ちあみ2,000件以上のライフプラン相談を通じて、お客様の描く未来の実現をサポートしてきました。『お金の貯め方・増やし方・守り方・使い方』を一緒にひとつずつ、考えてみませんか💡1級ファイナンシャル・プランニング技能士証券外務員第一種宅地建物取引士得意分野: 資産運用・住宅ローン
投資スタイル: 長期積立分散を意識したインデックス投資/株主優待


フリーランスの平均貯金額はいくら?

ライフネット生命が実施した「フリーランスの働き方とお金に関する調査」によると、フリーランスの平均貯金額は431万円でした。会社員の平均359万円を上回っています。

ただし、この数字は一部の高額貯蓄者に引き上げられた平均値です。実態を見ると、フリーランスの約62%が貯金200万円以下、約22%が貯金ゼロという結果が出ています。貯金1,000万円以上の人が12.2%いる一方で、5人に1人は貯金がないという、二極化した構造です。

つまり、「平均431万円」という数字だけを見て安心するのは危険です。自分の生活費やリスクに合わせた貯金額の目安を持っておくことが大切です。


独立前にいくら貯金しておくべき?

最低ラインは生活費の半年分、理想は1年分

フリーランスとして独立する前に確保しておきたい貯金の目安は、生活費の6カ月〜12カ月分です。

たとえば毎月の生活費が20万円の場合は以下のようになります。

貯金の目安金額
最低ライン(6カ月分)120万円
理想(12カ月分)240万円

この金額は生活費のみの計算です。独立時に事業用のパソコンやソフトウェア、事務所の初期費用などが必要な場合は、それらの費用も別途上乗せして準備しましょう。

なぜ半年〜1年分が必要なのか

独立直後は案件の獲得が安定しないことが多く、最初の数カ月は収入がゼロ、あるいは想定より大幅に少なくなることがあります。エンジニアやデザイナーなど専門性の高い職種でも、クライアントとの信頼関係の構築や営業活動には時間がかかります。

貯金があれば、収入が安定するまでの期間を焦らずに乗り越えることができます。「お金のために質の低い案件を受けざるを得ない」という状況を避けるためにも、余裕のある資金は精神的な安定につながります。

実態:独立前の貯金が100万円未満の人は約半数

東京海上日動あんしん生命の調査によると、フリーランスになる前の貯金額は100万円未満の人が約50%を占めています。実家暮らしなど生活コストが低い環境であれば少額の貯金でも独立できますが、一人暮らしや家族がいる場合は十分な準備が必要です。


独立後に確保しておきたい貯金額

フリーランスとして活動を始めた後も、以下の3つの資金を常に確保しておく意識が大切です。

1. 生活防衛資金:生活費の3〜6カ月分

案件が途切れたとき、病気やケガで働けなくなったときのための備えです。フリーランスは会社員のような傷病手当金がないため、収入が途絶えたときのリスクは自分で引き受ける必要があります。

生活費が月20万円なら、60〜120万円を「絶対に手をつけない資金」として分けておきましょう。

2. 税金・社会保険料の支払い資金

フリーランスにとって見落としがちなのが、翌年に支払う税金と社会保険料です。所得税は前年の所得にもとづいて翌年に納付するため、「稼いだ年の翌年にお金がない」という事態が起こりえます。

確保しておくべき金額の目安:

  • 所得税・住民税:事業所得の15〜30%程度(所得額による)

  • 国民健康保険料:年間30〜80万円程度(所得と自治体による)

  • 国民年金保険料:年間約20万円(2026年度は月額16,980円)

  • 個人事業税:事業所得が290万円を超える場合、超過分の3〜5%

  • 消費税:課税事業者の場合(インボイス登録者含む)

売上から経費を差し引いた利益が出たら、すぐに全額を生活費に使うのではなく、税金分をあらかじめ別口座に取り分けておくのが鉄則です。

3. 事業投資・スキルアップ資金

新しいソフトウェアの購入、資格の取得、セミナーへの参加、ポートフォリオサイトの制作費用など、フリーランスとして案件を獲得し続けるための自己投資も計画的に行いたいところです。毎月の売上から一定額を「事業投資用」として分けておくと、いざというときにスムーズです。


フリーランスの老後資金はいくら必要?

フリーランスの老後は、会社員以上に計画的な準備が求められます。退職金がなく、もらえる年金も少ないためです。

国民年金だけでは生活費をまかなえない

会社員が加入する厚生年金の平均受給額が月約14万円であるのに対し、フリーランスが加入する国民年金の平均受給額は月約5.6万円です(厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」)。

毎月の生活費を15万円とすると、国民年金だけでは月に約9〜10万円が不足します。65歳から90歳までの25年間で計算すると、不足額は約2,700〜3,000万円になります。

退職金がないことを前提に準備する

会社員であれば、大企業で約2,500万円、中小企業で約1,200万円の退職金が支給されるのが一般的です。フリーランスにはこれがないため、その分を自分で積み立てていく必要があります。

フリーランスが活用すべき老後資金の制度

制度特徴掛金の上限節税効果
**小規模企業共済**フリーランスの「退職金」制度。廃業時にまとまった金額を受け取れる月7万円(年間84万円)掛金が全額所得控除
**iDeCo(個人型確定拠出年金)**自分で運用する私的年金。60歳以降に受け取る月6.8万円(国民年金のみの場合)掛金が全額所得控除、運用益も非課税
**付加年金**国民年金に月400円を上乗せするだけで、将来の年金が増える月400円2年で元が取れる計算
**国民年金基金**国民年金に上乗せする公的年金。終身受給が可能iDeCoとの合算で月6.8万円まで掛金が全額所得控除

特に小規模企業共済とiDeCoは、掛金が全額所得控除になるため、所得税と住民税の節税効果も大きいです。老後資金の積み立てと節税を同時に実現できるので、フリーランスにとっては最優先で検討すべき制度です。


フリーランスが貯金を増やすための5つの方法

1. 口座を「生活用」「事業用」「貯蓄用」に分ける

フリーランスの家計管理で最も大切なのは、お金の流れを見える化することです。1つの口座にすべてのお金を入れていると、生活費と事業資金と貯金の区別がつかなくなります。

おすすめは、最低でも3つの口座を使い分けることです。

  • 事業用口座:売上の入金と事業経費の支払い

  • 生活用口座:毎月決まった額を事業用口座から移し、生活費に充てる

  • 貯蓄用口座:先取り貯金と税金の支払い用資金を確保

貯蓄用口座は、普段使いの口座と分けることが重要です。Habittoの貯蓄口座のように条件なしで年利0.6%(100万円まで)の金利がつく口座を使えば、税金の支払いまでの待機期間にも利息がつきます。スマートフォンで最短8分で開設でき、印鑑も来店も不要なので、忙しいフリーランスにも手軽です。

2. 毎月の「先取り貯金額」を決める

フリーランスは収入が変動するため、「余ったら貯金する」ではなかなか貯まりません。売上が入金されたら、まず決めた金額を貯蓄用口座に移す「先取り貯金」の仕組みを作りましょう。

収入が安定しない時期は少額からでOKです。月1万円でも年間12万円の貯蓄になります。収入が増えたら貯金額も段階的に引き上げていきましょう。

3. 固定費を定期的に見直す

通信費、保険料、サブスクリプション、事務所の家賃など、毎月自動的に発生する支出を年に1〜2回は見直しましょう。格安SIMへの切り替えだけでも月3,000〜5,000円の節約になります。

フリーランスの場合、経費として計上できる支出とプライベートの支出を明確に分けておくことも、確定申告の負担軽減につながります。

4. 節税制度をフル活用する

前述の小規模企業共済やiDeCo、青色申告特別控除(最大65万円)、ふるさと納税など、フリーランスが使える節税制度は複数あります。節税した分は手元に残るため、そのまま貯蓄に回すことができます。

「節税=将来の自分への投資」と考えて、制度を最大限に活用しましょう。

5. 収入の柱を増やす

貯金を増やす最も根本的な方法は、収入を増やすことです。単価の高い案件を獲得するためのスキルアップや、複数のクライアントとの取引で収入源を分散させることが、フリーランスの経済的な安定につながります。

エンジニアやデザイナーであれば、技術ブログの運営やオンライン講座の提供、テンプレート販売など、案件以外の収入源を持つことも検討してみてください。


よくある質問

Q. 独立前の貯金がほとんどない場合、フリーランスにはなれない?

貯金が少ない状態でも独立は可能ですが、リスクは高くなります。特に一人暮らしや家族がいる場合は、最低でも生活費3カ月分の貯金を確保してからの独立をおすすめします。実家暮らしで生活費の負担が少ない場合は、比較的少額の貯金でもスタートしやすいでしょう。

副業としてフリーランスの仕事を始め、収入が安定してから独立するという方法もあります。

Q. フリーランスは毎月いくら貯金すればいい?

目安として、手取り収入の20〜30%を貯金に回すことを目標にしてみてください。手取り30万円であれば月6〜9万円です。この中には、税金の支払い用資金や老後資金(小規模企業共済・iDeCo)も含まれます。

収入が変動する月は、多い月に多めに、少ない月は少なめに調整して、年間トータルで目標額に近づけるようにしましょう。

Q. フリーランスのエンジニアはどのくらい貯金している?

フリーランスエンジニアは比較的高収入な傾向にありますが、貯金額は個人差が大きいです。案件単価が高くても、税金や社会保険料の負担も大きくなるため、手取り額と支出のバランスを意識することが重要です。

エンジニアとして安定した案件を獲得できている場合は、小規模企業共済やiDeCoへの積立に加えて、投資信託などを活用した資産形成も検討する段階に入ります。


フリーランスのお金の管理は、会社員時代には経験しなかったことが多く、最初は戸惑うものです。「いくら貯金すればいいかわからない」「税金の計算が不安」という方は、お金の専門家に相談してみるのも一つの方法です。

Habittoのファイナンシャルプランナーに無料で相談すれば、国家資格を持つプロに、貯蓄計画や資産形成についてチャットやオンラインセッションで何度でも相談できます。無理な勧誘は一切ありませんので、「まずは自分の状況を整理したい」という段階でも気軽に利用してみてください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。税金や社会保険料の具体的な金額は個人の所得や自治体により異なります。詳細は税理士や各窓口にご確認ください。