フリーランス・個人事業主の確定申告:基礎知識からやり方・節税まで解説
フリーランス・個人事業主の確定申告:基礎知識からやり方・節税まで解説【2026年版】
フリーランスや個人事業主として働き始めると、会社員時代にはなかった「確定申告」という手続きが毎年必要になります。「何をいつまでに、どうやればいいのか」「節税できる方法はあるのか」と疑問を持つ方も多いはずです。
この記事では、フリーランス・個人事業主が知っておくべき確定申告の基礎から、青色申告・白色申告の違い、節税のポイント、クラウドソフトを使ったやり方まで、まとめて解説します。
この記事のアドバイザー
記事監修アドバイザー認定済み田口 秀一(タグチ シュウイチ)外資系金融機関で10年以上の経験を通し、主に「投資初心者」向けに、「賢い家計の見直し術」から「ゼロからの投資の始め方」などのオーダーメードでサポートをしてきました。何事も興味を持ったタイミングが始め時です。不安もあるかもしれませんが、この機会に一緒に最初の一歩を踏み出しましょう!得意分野: 資産運用・生命保険
1. フリーランス・個人事業主に確定申告が必要な理由
会社員は勤務先が毎年末に「年末調整」を行うことで、所得税の計算・申告が完了します。しかしフリーランス・個人事業主には年末調整をしてくれる会社がないため、自分で1年間の収入と経費を計算し、所得税を申告・納付する義務があります。
確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間の所得を計算し、翌年の申告期間(原則2月16日〜3月15日)に税務署へ申告・納付する一連の手続きです。
2025年分(令和7年分)の申告期間:2026年2月16日(月)〜3月16日(月) ※2026年3月15日が日曜日にあたるため、翌営業日の3月16日が期限です。
2. いくらから確定申告が必要か
フリーランスとして活動している場合、所得(収入−必要経費)が年間48万円を超えると確定申告が必要です。これは基礎控除(48万円)を超えると所得税が発生するためです。
会社員として働きながら副業でフリーランス収入がある場合は、副業の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。
| 状況 | 確定申告が必要な基準 |
|---|---|
| 専業フリーランス・個人事業主 | 所得(収入−経費)が年間48万円超 |
| 会社員+副業フリーランス | 副業の所得が年間20万円超 |
ここでの「所得」は収入そのものではなく、収入から必要経費を差し引いた後の金額です。売上が50万円あっても、経費が10万円あれば所得は40万円となり、専業であれば申告は不要になります。
3. 青色申告と白色申告の違い
確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。
| 項目 | 青色申告(65万円控除) | 白色申告 |
|---|---|---|
| 特別控除 | 最大65万円 | なし |
| 赤字の繰越 | 3年間繰り越せる | 不可 |
| 帳簿 | 複式簿記 | 単式簿記でよい |
| 事前申請 | 開業から2ヶ月以内に申請書提出が必要 | 不要 |
| 手間 | やや多い | 少ない |
青色申告のメリット
最大のメリットは「青色申告特別控除」です。e-Taxで提出する場合は65万円、書面提出の場合は55万円の特別控除が所得から差し引けます。
たとえば年間所得が200万円の場合、青色申告(65万円控除)と白色申告では課税所得が65万円異なり、所得税・住民税の合計で10〜20万円程度の差が生まれます。フリーランスとして事業を継続するのであれば、青色申告を選択することをおすすめします。
白色申告が向いているケース
フリーランスを始めたばかりで収入・経費が少なく、帳簿管理の手間をできるだけ減らしたい方には白色申告が適しています。ただし所得が増えてきたら青色申告への切り替えを検討しましょう。
4. 確定申告に必要な書類
全員が準備するもの
確定申告書(国税庁のサイトまたはクラウドソフトで作成)
収入の記録(売上台帳、請求書控えなど)
経費の領収書・レシート(年間分)
マイナンバーカード(または番号確認書類+身分証明書)
青色申告の場合
青色申告決算書(損益計算書・貸借対照表)
複式簿記の帳簿(クラウドソフトで自動作成可能)
控除を申請する場合
| 控除の種類 | 必要な書類の例 |
|---|---|
| 社会保険料控除 | 国民健康保険・国民年金の支払証明書 |
| 生命保険料控除 | 生命保険料控除証明書 |
| 医療費控除 | 医療費の領収書(または医療費通知) |
| 小規模企業共済等掛金控除 | 掛金払込証明書 |
| ふるさと納税(寄附金控除) | 寄附金受領証明書 |
5. 確定申告のやり方:e-Taxがおすすめ
確定申告の提出方法は3つあります。
①e-Tax(電子申告) 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から申告書を作成し、オンラインで送信します。マイナンバーカードがあればスマホだけで完結できます。青色申告65万円控除を受けるにはe-Taxが必要です(書面提出では55万円控除に下がります)。還付がある場合、e-Taxなら申告から約2〜3週間で振り込まれます。
②郵送 作成した申告書を税務署に郵送します。
③税務署窓口への持参 申告期間中に税務署に直接持参します。混雑するため、できるだけe-Taxか郵送を利用するほうが効率的です。
クラウド会計ソフトを使うと大幅に効率化できる
freee・マネーフォワード クラウド確定申告・弥生などのクラウド会計ソフトを使うと、以下が自動化されます。
銀行口座・クレジットカードの入出金の自動取り込み
仕訳の自動分類
青色申告決算書・確定申告書の自動作成
e-Taxへの直接送信
簿記の知識がなくても対応できるよう設計されており、初めて確定申告をする方にも広く使われています。白色申告は多くのソフトで無料プランがあります。
6. フリーランスが活用できる主な節税の知識
確定申告では、使える控除・経費をしっかり計上することが節税の基本です。
必要経費として計上できるもの
業務に直接関連する支出は経費として計上できます。
| 経費の種類 | 例 |
|---|---|
| 通信費 | 仕事用スマホ代・インターネット代(按分) |
| 交通費 | 取引先への移動費 |
| 機材・消耗品費 | PC・周辺機器・文具など |
| 書籍・セミナー費 | 業務に必要な学習費用 |
| 外注費 | 業務委託した際の支払い |
| ソフト利用料 | クラウド会計ソフト・業務ツール等 |
| 自宅作業の一部 | 家賃・光熱費の仕事使用分(按分) |
自宅兼事務所の家賃・光熱費など、プライベートと事業を兼用するものは「按分」して一部を経費にできます。たとえば自宅の40%を仕事スペースとして使っているなら、家賃の40%を経費として計上できます。
所得控除を活用する
フリーランス・個人事業主が特に活用できる所得控除には以下があります。
小規模企業共済:個人事業主向けの「じぶん退職金」制度。掛金(月1,000円〜7万円)が全額所得控除になるため、節税効果が高い。開業届の提出が加入条件です。
iDeCo(個人型確定拠出年金):掛金が全額所得控除になります。自営業者の場合は月6万8,000円まで拠出可能です。ただし原則60歳まで引き出せない点に注意が必要です。
国民健康保険料・国民年金保険料:支払った全額が社会保険料控除として所得から差し引けます。支払証明書を保管しておきましょう。
医療費控除:年間の医療費が10万円を超えた場合(または所得の5%を超えた場合)、超えた分を控除できます。
7. 確定申告でよくある注意点
源泉徴収されていても申告が必要なケースがある
取引先が源泉徴収(報酬の10.21%を差し引いて支払い)している場合、すでに仮払い的に税金が引かれています。確定申告をすることで、引かれすぎた源泉徴収税額が還付されるケースがあります。源泉徴収がある取引先からは「支払調書」を受け取って申告書に反映させましょう。
消費税の申告が別途必要になる場合
売上(課税売上高)が年間1,000万円を超えると、翌々年から消費税の課税事業者となり、消費税の申告・納付義務が別途発生します。また、インボイス発行事業者として登録している場合も、消費税の申告が必要です。
青色申告の申請期限
青色申告を初めて行う場合、申告したい年の3月15日まで(または開業日から2ヶ月以内)に「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。申請を忘れると、その年は青色申告ができなくなります。
8. 初めての確定申告:準備の流れ
帳簿をつけ始める:クラウド会計ソフトを使い、収入・経費を日々記録する
必要書類を集める:領収書・請求書・支払調書・控除証明書を整理
申告書を作成する:クラウドソフトまたは確定申告書等作成コーナーで作成
e-Taxで提出:マイナンバーカードを使ってスマホから送信
納税または還付の確認:3月15日(2025年分は3月16日)までに納税
確定申告は、仕組みを一度理解してしまえば毎年スムーズに進められます。税金の計算の仕方や使える控除が自分のケースでどうなるか、もう少し詳しく整理したい方は、国家資格を持つFPに無料で相談できるHabittoのアドバイザーに話してみてください。税理士ではありませんが、フリーランスの収支管理や将来のお金の計画について、一緒に考えてもらえます。無理な勧誘は一切ありません。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務アドバイスではありません。具体的な申告内容や税務判断については、税務署または税理士にご確認ください。