インフレでお金の価値が目減りする?物価上昇リスクと資産を守る方法【2026年版】
インフレでお金の価値が目減りする?物価上昇リスクと資産を守る方法【2026年版】
「最近、スーパーで同じものを買っているのに、なんだかお会計が増えている気がする……」
そう感じている方は少なくないはずです。総務省統計局の発表によると、2025年(令和7年)の全国消費者物価指数(総合)の年平均は前年比+3.2%の上昇となりました。モノやサービスの価格が上がり続けるインフレの局面では、銀行口座に預けたままの現金は実質的に価値が目減りするリスクがあります。
この記事では、インフレがお金や資産に与える影響と、日本の現在の物価動向をわかりやすく解説するとともに、家計を守るための資産運用の考え方をご紹介します。
この記事のアドバイザー
インフレとは?まずは基本をおさらい
インフレ(インフレーション)とは、モノやサービスの価格が全体的に上昇し続ける経済現象のことです。物価が上昇すると、同じ金額で買えるものの量が減ります。つまり、お金の価値が相対的に下がるということです。
反対に、物価が継続的に下落する現象をデフレ(デフレーション)といいます。日本はかつて長年にわたりデフレが続いていましたが、近年は明確なインフレ局面に転換しています。
インフレには「需要牽引型」と「コスト押し上げ型」の2種類があります。需要牽引型は景気が過熱して需要が供給を上回るときに起こります。コスト押し上げ型は原材料費や輸入コストの上昇が価格に転嫁されるパターンで、近年の日本の物価上昇はこちらの要因も大きく影響しています。
日本の物価上昇は今どのくらい?
総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)平均」によると、2025年の全国消費者物価指数(総合)の年平均は前年比+3.2%の上昇でした。生鮮食品を除く総合(コアCPI)も+3.1%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合も+3.0%と、いずれも3%以上の上昇が続きました。
直近では、総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)3月分」によると、2026年3月のコアCPIは前年同月比+1.8%となり、前月(+1.6%)から0.2ポイント拡大しています。ニッセイ基礎研究所の分析では、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰を背景にガソリン・灯油価格が大幅に上昇し、全体を押し上げたと指摘されています。
先行きについては、日本銀行「経済・物価情勢の展望(2025年4月)」によると、コアCPIの前年比は2025年度に2%台前半、2026年度は1%台後半、2027年度は2%程度で推移すると予想されています。当面の間、インフレが続く前提で家計を考えることが重要です。
物価が上昇すると、お金の価値はどう変わる?
インフレが家計に与える影響を、具体的な計算で確認してみましょう。
計算例①:年率2%のインフレが続いた場合
現在100万円の現金を持っているとします。年率2%のインフレが10年間続いた場合、10年後にその100万円で買えるモノの量は、現在の約82万円分に相当します(100万円 ÷ 1.02の10乗 ≈ 82万円)。つまり、何もしなければ約18万円分の購買力が失われる計算になります。
計算例②:賃金の上昇との比較
厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年3月分結果速報」によると、2026年3月の名目賃金は前年同月比+2.7%の一方、実質賃金は+1.0%のプラスでした。名目の給与が増えても、物価上昇率を差し引いた実質の手取りは思ったほど増えていないことがわかります。
このように、インフレ局面では「預金しているだけ」では資産の実質的な価値が目減りするリスクがあります。
インフレに強い資産・弱い資産
インフレへの耐性は、資産の種類によって大きく異なります。以下の表で整理してみましょう。
| 資産の種類 | インフレへの耐性 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 現金・預金 | 弱い | 物価が上昇すると実質価値が下がる |
| 株式 | 比較的強い | 企業収益の拡大が株価に反映されやすい |
| 不動産 | 比較的強い | 物価上昇とともに資産価格が上がりやすい |
| 投資信託(株式型) | 比較的強い | 分散投資でリスクを抑えながら運用できる |
| 債券(固定金利) | 弱い | 金利上昇局面では価格が下落しやすい |
| 金(ゴールド) | 比較的強い | 世界的なインフレ時に金の価値が高まりやすい |
現金・預金のリスク
銀行の普通預金金利はメガバンクで年0.3%が一般的です。一方、インフレ率が1.8%の局面では、預金金利だけでは物価上昇に追いつかず、実質的な資産価値は下がり続けます。
株式・投資信託の特徴
株式は、物価が上昇する局面で企業が価格転嫁を行い、売上・利益が増えることで株価が上昇しやすい傾向があります。投資信託を活用すれば、多くの企業の株式に分散投資でき、個別株に比べてリスクを抑えた運用が可能です。ただし、元本保証はなく、価格が下落するリスクも伴います。
金(ゴールド)の特徴
金は世界共通の価値を持つ実物資産として、インフレや為替の変動に対するリスクヘッジとして保有されることがあります。金の価値は株式や債券と異なる動きをすることが多く、ポートフォリオの分散に活用されます。ただし、金利を生まない資産であるため、長期的な運用では株式等と組み合わせる考え方が一般的です。
インフレ対策として資産運用を始めるには
インフレ対策として資産運用を考えるとき、まず大切なのは「全財産を一度に投資しない」ことです。生活費の数カ月分は流動性の高い口座に残しておき、余裕資金を少しずつ投資に回す方法が、家計への負担を抑えながら長期的な資産形成を続けるうえで有効です。
貯金の方法|ムリなく続けられるコツでは、無理なく貯蓄を続けるための具体的な方法を紹介しています。まず貯金の土台を作ってから、資産運用にステップアップするのがおすすめです。
NISAを活用した投資信託
日本では、NISA(少額投資非課税制度)を活用することで、投資信託や株式の運用益・配当金が非課税になります。通常、投資で得た利益には約20.315%の税金がかかりますが、NISA口座では非課税で運用できるため、長期的な資産形成に適した金融商品として注目されています。
証券会社や銀行でNISA口座を開設し、毎月一定額を積み立てる「積立投資」は、価格の高いときも安いときも一定額を購入し続けることでリスクを分散できる方法です。
普通預金でも金利を意識することが大切
資産運用を始める前段階として、日常的に使う口座の金利を意識することも重要です。メガバンクの普通預金金利は年0.3%ですが、ネット銀行の中には条件なしでより高い金利を提供しているところもあります。
たとえば、Habittoの貯蓄口座は条件なしで年利0.7%(税引後0.557%)の金利がつきます(預金額100万円まで)。メガバンクの普通預金(年0.3%)と比べると、約2.3倍の金利水準です。
100万円を1年間預けた場合の利息の違いを見てみましょう。
| 金利(年利) | 1年後の利息(税引後概算) |
|---|---|
| メガバンク 普通預金(年0.3%) | 約2,396円 |
| Habittoの貯蓄口座(年0.7%、税引後0.557%) | 約4,780円 |
インフレ局面で資産の実質価値を守るには、投資だけでなく、日々の預金口座の金利を少しでも高めることも、積み重ねとして意味があります。預金利息の税金・計算では、利息にかかる税金の仕組みや手取り額の計算方法をわかりやすく解説しています。
賃金と物価の動向を家計に活かす
労働政策研究・研修機構(JILPT)の集計によると、2026年春闘での賃上げ率(加重平均)は5.26%と、3年連続で5%を超えました。また、厚生労働省の毎月勤労統計調査では、2026年3月の実質賃金は3カ月連続でプラスとなっています。
賃金の上昇は家計にとってポジティブな動きですが、内閣府「令和7年度経済財政白書」では、物価上昇の影響は世帯属性によって異なり、低所得層ほど直面する物価上昇率が高い傾向があると指摘されています。自分の家計が物価上昇にどれだけ影響を受けているかを把握し、それに合わせた資産運用の方針を考えることが大切です。
第一生命経済研究所の試算では、2026年の家計の一人あたり物価上昇による負担増加額は前年からさらに+2.2万円(4人家族で+8.9万円)になると見込まれています。家計への影響を数字で意識することが、インフレ対策の第一歩です。
年代別の平均貯蓄額も参考にしながら、自分の年代での資産形成の目安を確認してみてください。
よくある質問
Q. インフレが進むと預金はどうなりますか?
預金の名目上の金額は変わりませんが、物価が上昇することで同じお金で買えるモノやサービスの量が減ります。これが「実質的な価値が目減りする」という意味です。預金金利が物価上昇率を下回る場合、実質的には損をしている状態に近くなります。
Q. 投資が怖くてなかなか始められません。
投資にはリスクが伴いますが、「全額を一度に投資しない」「長期・分散・積立を意識する」ことでリスクを抑えることができます。まずは少額から始め、生活費に影響しない範囲で運用するのが基本です。お金のことで迷ったら、Habittoのアドバイザーに気軽に相談してみてください。国家資格を持つファイナンシャルプランナーが、チャットまたはオンラインセッションで無料でサポートします。
Q. NISAとiDeCoはどちらから始めるべきですか?
どちらも税制優遇のある資産運用の仕組みですが、iDeCoは原則として60歳まで引き出せない点が異なります。まずは流動性のあるNISAから始め、余裕ができたらiDeCoも検討するという順番が、多くの方にとって取り組みやすい方法です。具体的な判断はご自身の状況によって異なるため、ファイナンシャルプランナーへの相談も活用してみてください。
まとめ:インフレ時代の家計を守るために
インフレは、じわじわと資産の実質的な価値を下げていく現象です。「銀行に預けておけば安心」という感覚は、物価上昇が続く局面では必ずしも正しくありません。
大切なのは、インフレの仕組みを理解したうえで、自分の家計に合った対策を少しずつ実行することです。まずは貯金の習慣を作り、次に預金口座の金利を見直し、余裕ができたら投資信託などで資産を育てていく——そのステップが、長期的な家計の安定につながります。
ミニマリストの貯金術のように、シンプルにお金を管理する考え方も、インフレ時代の家計見直しのヒントになります。
貯蓄を始めたいけれど、どの口座を選べばいいか迷っている方は、条件なしで年利0.7%の金利がつくHabittoの貯蓄口座も選択肢の一つです。口座開設は最短8分、スマホだけで完結できます。
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※0.7%(税引後0.557%)の金利は預金額100万円まで適用、100万円を超える預金については0.3%(税引後0.239%)の金利が適用されます。表示されている金利は年利です。他の商品・サービスの購入や給振口座指定などの条件を伴わない普通預金として。金利は変動する場合があります。
※投資にはリスクが伴います。投資に関する最終的な判断はご自身の責任で行ってください。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。具体的なご判断はご自身の責任で行ってください。
参考・出典
- 総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)3月分」(2026年4月24日公表)
- 総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)平均」(2026年1月23日公表)
- 日本銀行「経済・物価情勢の展望(2025年1月)」(2025年1月27日公表)
- 日本銀行「経済・物価情勢の展望(2025年4月)」(2025年5月1日公表)
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年3月分結果速報」(2026年5月8日公表)
- 労働政策研究・研修機構(JILPT)「賃上げ率は3年続けて5%超に/連合の2026春季生活闘争の第1回回答集計」(2026年3月27日)
- 第一生命経済研究所「どうなる?2026年の物価と家計負担!」(永濱利廣、2026年1月5日)
- 大和総研「2026年3月全国消費者物価」(横田凱・中村華奈子、2026年4月24日)
- ニッセイ基礎研究所「消費者物価(全国26年3月)」(2026年4月24日)
- 内閣府「令和7年度経済財政白書 第1節 物価上昇が家計に与える影響と属性ごとの違い」(2025年)
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