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実質マイナス金利とは?日本の家計への影響と資産防衛の考え方【2026年版】

実質マイナス金利とは?日本の家計への影響と資産防衛の考え方【2026年版】

「利上げしているのに、なぜかお金が増えている気がしない……」

そう感じている方は、決して気のせいではありません。日本銀行の政策金利は引き上げられていますが、物価上昇率を差し引いた「実質金利」は依然としてマイナス圏にあります。日本銀行の審議委員講演(2026年5月)によると、実質金利は▲0.86%程度で推移しており、預金だけで資産を持つ人にとっては実質的に資産が目減りしている状態が続いています。

この記事では、実質マイナス金利とは何か、家計にどう影響するか、そして今できる資産防衛の考え方をわかりやすく解説します。


この記事のアドバイザー


実質金利とは?名目金利との違いを理解しよう

「金利が上がった」というニュースで耳にする数字は、多くの場合「名目金利」です。名目金利とは、額面上の利率のこと。一方、実質金利は名目金利からインフレ率(物価上昇率)を差し引いた、実際の購買力ベースの金利です。

たとえば名目金利が1%でも、物価が2%上昇していれば、実質金利は▲1%になります。お金の額面は増えていても、同じ金額で買えるものが減っているため、実質的な価値は目減りしているわけです。

この「名目金利 − 物価上昇率 = 実質金利」という関係が、家計の資産運用を考えるうえで非常に重要な視点になります。


2026年現在の日本の実質金利はどのくらいマイナス?

日本銀行は2025年12月に政策金利を引き上げ、現在は0.75%となっています。一方、消費者物価指数(前年比)は1.5%程度で推移しており、翌日物ベースの実質金利は▲0.75%です。

さらに、1年物国債利回りからインフレ予想を差し引いた実質金利は凡そ▲0.86%となっており、依然として大幅なマイナス圏にあります(日本銀行 増審議委員講演「わが国の経済・物価情勢と金融政策」2026年5月)。

日本銀行の植田総裁も2026年6月の講演で、「短中期ゾーンを中心に実質金利が引き続きマイナスで推移しており、現在のわが国は米欧とは異なり金融緩和的な状況にある」と説明しています(日本銀行 植田総裁講演「最近の経済・物価情勢と金融政策運営」2026年6月)。


実質マイナス金利が家計に与える影響

実質マイナス金利の状況では、銀行に預けているだけでは資産の実質的な価値が下がり続けます。日本銀行の増審議委員は「預金しか持たない人にとっては実質的に資産が目減りする」と明言しています。

具体的な計算例①:100万円を普通預金に1年預けた場合

項目数値
預入元本1,000,000円
メガバンク普通預金金利(年)0.3%
1年後の税引後利息約2,393円(税引後0.239%相当)
物価上昇率(年)1.5%
実質的な購買力の変化約▲12,607円相当

税引後で約2,393円の利息を受け取っても、物価が1.5%上昇すれば100万円分の購買力は約15,000円分目減りします。差し引きすると、実質的には約12,607円分の価値が失われる計算です。

具体的な計算例②:日銀の見通しと今後の見通し

日本銀行の2026年4月展望レポートによると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は2026年度に2%台後半になると予想されています。仮に物価上昇率が2.5%になった場合、メガバンク普通預金(年0.3%)に100万円を預けていると、実質的な購買力の目減りはさらに拡大します。

物価上昇の圧力は、賃金上昇の価格転嫁やエネルギー・財価格の上昇が主な要因とされており、この構図はしばらく続く可能性があります。


実質マイナス金利はいつまで続く?日銀の政策スタンス

日本銀行の2026年4月の金融政策決定会合では、「わが国の実質政策金利は群を抜いて世界最低水準にあり、物価上昇の二次的波及に備えてマイナスの実質金利の調整を続ける必要がある」との意見が示されました。

また、日銀が2026年3月に公表した自然利子率の推計値は▲0.9〜0.5%のレンジ。現在の実質金利▲0.86%はこのレンジの下限付近にあり、金融環境は依然として緩和的と評価されています。

段階的な利上げが続くとしても、物価上昇率が高い水準を維持する限り、実質金利がプラスに転じるまでには時間がかかる見通しです。個人の資産防衛という観点では、この状況を前提に行動することが現実的です。

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実質マイナス金利下で資産を守るための考え方

実質マイナス金利という状況は、「現金を持っているだけでは資産価値が下がる」という現実を意味します。では、家計としてどう対応すればよいでしょうか。大切なのは、リスクとリターンのバランスを意識しながら、できることから始めることです。

1. 少しでも高い金利の預金口座に移す

まず取り組みやすいのが、預け先の見直しです。同じ普通預金でも、金融機関によって金利は大きく異なります。メガバンクの普通預金が年0.3%である一方、ネット銀行系では条件なしでより高い金利を提供しているところもあります。

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2. NISAや投資信託で資産の一部を運用する

預金だけでは物価上昇に追いつかない場合、NISAや投資信託を活用して資産の一部を市場で運用することも選択肢の一つです。投資にはリスクが伴いますが、長期・分散という考え方を取り入れることで、変動リスクを抑えながら資産を育てることができます。

「何から始めればいいかわからない」という方は、専門家への相談が近道です。

3. 生活防衛資金は安全・高金利の預金に置く

投資に回す前に、生活費の数カ月分は流動性の高い預金口座に確保しておくことが重要です。この「生活防衛資金」の置き場所として、条件なしで高い金利がつく普通預金を活用するのが賢明です。


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メガバンクの普通預金(年0.3%)と比べると、Habittoの年0.7%はおよそ2.3倍の金利水準です。

計算例:100万円を1年間預けた場合の利息比較

口座年利(税引前)1年後の税引後利息(概算)
メガバンク普通預金0.3%約2,393円
Habittoの貯蓄口座0.6%約4,787円

同じ100万円を預けるだけで、受け取れる利息は約2.3倍になります。「完全に物価上昇をカバーできる」とは言えませんが、何もしないよりも確実に資産の目減りを抑えられます。

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まとめ:実質マイナス金利の時代に「置き場所」を見直す

利上げが続いていても、物価上昇率が名目金利を上回る限り、実質金利はマイナスのままです。日本銀行の各種資料が示すように、この状況はすぐには解消されない見通しです。

大切なのは「何もしない」ことのデメリットを理解し、できるところから行動すること。預金の置き場所を見直す、生活防衛資金を確保する、NISAや投資信託で長期運用を検討する——この3つのステップが、実質マイナス金利時代の資産防衛の基本です。

まず今日できることとして、普通預金の金利を確認してみることをおすすめします。


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※0.7%(税引後0.557%)の金利は預金額100万円まで適用、100万円を超える預金については0.3%(税引後0.239%)の金利が適用されます。表示されている金利は年利です。他の商品・サービスの購入や給振口座指定などの条件を伴わない普通預金として。金利は変動する場合があります。

※投資にはリスクが伴います。投資に関する最終的な判断はご自身の責任で行ってください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。具体的なご判断はご自身の責任で行ってください。


参考・出典

- 日本銀行 増審議委員講演「わが国の経済・物価情勢と金融政策」(鹿児島経済同友会)(2026年5月)

- 日本銀行 植田総裁講演「最近の経済・物価情勢と金融政策運営」(きさらぎ会)(2026年6月)

- 日本銀行 日銀レビュー「自然利子率の動向と金融緩和度合いの評価」(2026年3月)

- 日本銀行「経済・物価情勢の展望(2026年4月)」(2026年4月)

- 日本銀行「金融政策決定会合における主な意見(2026年4月27、28日開催分)」(2026年4月)

- 内閣府「月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料(最近の金融市場の動き)」(日本銀行提出資料)(2026年5月)

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