介護費用は平均いくらかかる?在宅・施設別の目安と軽減方法【2026年版】
介護費用は平均いくらかかる?在宅介護・施設別の目安と自己負担額の軽減方法【2026年版】
「親の介護が必要になったら、いくらかかるんだろう?」
漠然とした不安を感じている方は多いと思います。介護費用は要介護度や介護期間、在宅介護か施設かによって大きく変わるため、具体的な金額をイメージしにくいのが正直なところです。
この記事では、公的な調査データをもとに介護費用の平均額を在宅介護・施設別にくわしく紹介します。介護保険の自己負担額の仕組みや、費用を軽減できる公的制度もあわせて解説しますので、今のうちから備えておきたい方はぜひ参考にしてください。
この記事のアドバイザー
記事監修アドバイザー認定済み 芳恵(よしえ)外資系保険会社で8年以上の経験を通し、1000名以上のお客様のライフプランや資産運用をサポートしてまいりました。あなたの大切な「今」と「未来」の生活を豊かにするための「お金の新習慣」。その一歩を、一緒に踏み出してみませんか。2級ファイナンシャル・プランニング技能士得意分野: 資産運用・生命保険
介護費用の平均総額は約542万円
公益財団法人 生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」(2024年度)によると、介護にかかる費用の平均は次のとおりです。
一時的な費用(初期費用):平均47万円
毎月の介護費用:平均9.0万円
介護期間:平均55.0カ月(約4年7カ月)
これらを合計すると、47万円 +(9.0万円 × 55カ月)= 約542万円が介護費用の平均総額になります。
一時的な費用には、介護用ベッドの購入や自宅のバリアフリー改修などが含まれます。毎月の費用は、介護保険サービスの自己負担分や日用品代、おむつ代などです。
ただし、これはあくまで平均値です。介護期間で最も多い回答は「4〜10年未満」で約4割を占めており、10年以上介護が続くケースもあります。平均より長くなることも十分ありえるため、余裕をもった資金計画が大切です。
在宅介護と施設介護で費用はどう変わる?
同じ調査で、介護を行った場所別の月額費用も公表されています。
| 介護の場所 | 月額費用(平均) |
|---|---|
| **在宅介護** | 約5.3万円 |
| **施設介護** | 約13.8万円 |
在宅介護は施設に比べて月々の費用を抑えやすい傾向があります。一方で、家族の身体的・精神的な負担が大きくなりやすい点も考慮が必要です。
在宅介護でかかる主な費用
在宅介護の場合、介護保険の在宅サービスを利用しながら自宅で生活します。主な費用項目は次のとおりです。
介護保険サービスの自己負担分として、訪問介護(ホームヘルパー)やデイサービス(通所介護)、ショートステイ(短期入所)などの利用料がかかります。自己負担は原則1割で、所得に応じて2割または3割になります。
介護保険の支給限度額は要介護度によって決まっています。たとえば要介護3の場合、1カ月の限度額は約27万円。1割負担であれば自己負担は約2.7万円です。限度額を超えた分は全額自己負担となります。
そのほか、介護用品(おむつ、介護食など)の購入費、福祉用具のレンタル代、自宅改修費(手すり設置、段差解消など)、通院の交通費なども毎月の支出に加わります。
施設介護でかかる主な費用
施設に入居する場合は、施設の種類によって費用が大きく異なります。代表的な施設の費用目安をまとめました。
| 施設の種類 | 入居一時金 | 月額費用の目安 | 入居条件 |
|---|---|---|---|
| **特別養護老人ホーム(特養)** | なし | 約7〜15万円 | 原則 要介護3以上 |
| **介護老人保健施設(老健)** | なし | 約8〜15万円 | 要介護1以上 |
| **介護付き有料老人ホーム** | 0〜数百万円 | 約12〜40万円 | 施設による |
| **サービス付き高齢者向け住宅** | 敷金程度 | 約10〜25万円 | 施設による |
| **グループホーム** | 0〜数十万円 | 約15〜20万円 | 要支援2以上・認知症の診断 |
特別養護老人ホーム(特養)は公的施設のため費用が抑えられますが、人気が高く入居待ちが長期化しやすい傾向があります。民間の介護付き有料老人ホームは選択肢が多い反面、施設によって費用の幅が大きいため、事前の比較検討が重要です。
施設の月額費用には居住費(家賃相当)、食費、介護サービスの自己負担分、日常生活費(日用品、理美容代など)が含まれます。医療費は別途かかることが一般的です。
介護保険の自己負担額はどう決まる?
介護保険サービスを利用するとき、費用の全額を自分で支払う必要はありません。介護保険制度によって、自己負担は原則1割に抑えられています。
自己負担割合(1割・2割・3割)の決まり方
65歳以上の方(第1号被保険者)の自己負担割合は、所得に応じて次の3段階に分かれます。
| 自己負担割合 | 対象となる所得の目安(単身世帯の場合) |
|---|---|
| **1割** | 年金収入+その他の合計所得が280万円未満 |
| **2割** | 同 280万円以上340万円未満 |
| **3割** | 同 340万円以上 |
40〜64歳の方(第2号被保険者)は、所得にかかわらず1割負担です。実際の負担割合は、毎年届く「介護保険負担割合証」で確認できます。
なお、2026年度以降の制度改正に向けて、2割負担の対象者を拡大する案が厚生労働省の審議会で検討されています。現在の年収280万円以上という基準を引き下げる可能性があり、今後の動向に注目が必要です。
要介護度別の支給限度額と自己負担の目安
介護保険には要介護度ごとに1カ月の支給限度額が決まっています。限度額の範囲内であれば、自己負担は1〜3割で済みます。
| 要介護度 | 支給限度額(月額) | 自己負担の目安(1割の場合) |
|---|---|---|
| 要支援1 | 約5.0万円 | 約5,000円 |
| 要支援2 | 約10.5万円 | 約1.1万円 |
| 要介護1 | 約16.8万円 | 約1.7万円 |
| 要介護2 | 約19.7万円 | 約2.0万円 |
| 要介護3 | 約27.0万円 | 約2.7万円 |
| 要介護4 | 約30.9万円 | 約3.1万円 |
| 要介護5 | 約36.2万円 | 約3.6万円 |
上記はあくまで介護保険サービス分の自己負担です。食費、居住費、日用品代などは別途かかります。
介護費用の自己負担額を軽減する6つの方法
介護費用が高額になった場合でも、いくつかの公的制度を活用することで負担を軽減できます。
1. 高額介護サービス費
1カ月の介護保険サービスの自己負担額が一定の上限を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。上限額は所得によって異なり、一般的な課税世帯の場合は月額44,400円が上限です。住民税非課税世帯はさらに低い上限額が設定されています。
申請が必要なので、該当する場合はお住まいの市区町村に問い合わせてみてください。
2. 特定入所者介護サービス費(補足給付)
低所得の方が特別養護老人ホームなどの介護保険施設に入所する場合、食費と居住費が減額される制度です。所得や預貯金の状況に応じて4段階の負担限度額が設定されており、施設での費用をかなり抑えることができます。
3. 高額医療・高額介護合算療養費制度
同じ世帯で医療費と介護費の両方がかかった場合、1年間(8月〜翌年7月)の自己負担額を合算し、上限を超えた分が払い戻されます。介護だけでなく医療費もかさんでいるケースでは、この制度で年間の負担を軽減できる可能性があります。
4. 医療費控除
確定申告で介護関連の費用を医療費控除として申告できる場合があります。特別養護老人ホームの介護サービス費・食費・居住費の一部や、訪問看護・デイケアなどの自己負担分が対象です。年間の医療費が10万円(または総所得の5%)を超えた場合に控除を受けられます。
5. 介護休業給付金
家族の介護のために仕事を休業する場合、雇用保険から給与額の67%が支給されます。対象となるのは、雇用保険の被保険者で、家族の介護のために2週間以上休業する方です。最長93日間を限度に計3回まで分割して利用できます。
6. 自治体の独自支援制度
多くの自治体が、介護用品(おむつなど)の支給や購入費補助、介護リフォーム費の助成など独自の支援制度を設けています。内容は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談してみることをおすすめします。
介護費用の備え方|今からできる3つのこと
介護がいつ必要になるかは予測が難しいため、早めの準備が安心につながります。
まず、介護費用の目安を把握しておくことが第一歩です。 この記事で紹介したとおり、平均的な介護費用の総額は約542万円。在宅か施設かによっても大きく変わります。自分や家族の状況に合わせて、ざっくりとした金額をイメージしておくだけでも、漠然とした不安は減ります。
次に、生活費とは別に介護資金を少しずつ積み立てておくと安心です。 たとえば100万円を年利0.6%の口座に預けると、1年間で約6,000円(税引後約4,780円)の利息がつきます。大きな金額ではありませんが、使わないお金を少しでも有利な金利で育てておくことで、将来の介護資金に回せる余裕が生まれます。
※Habittoの貯蓄口座では、100万円まで年利0.6%(税引後0.478%)が条件なしで適用されます。100万円を超える部分は0.3%(税引後0.239%)です。金利は変動する場合があります。
そして、介護保険制度や軽減制度について事前に知っておくことも大切です。 制度を知らないまま介護が始まると、使えるはずの補助を見逃してしまうことがあります。この記事で紹介した高額介護サービス費や補足給付など、いざというときに使える制度を頭に入れておきましょう。
よくある質問
Q. 介護費用は誰が負担するの?
介護費用は原則として本人の年金や貯蓄から支払います。本人の資金で足りない場合は家族が負担することが多いですが、法律上の扶養義務は生活に余裕がある範囲に限られます。まずは公的制度を最大限活用し、それでも不足する場合は家族間で話し合うことが大切です。
Q. 介護期間はどれくらい続く?
生命保険文化センターの2024年度調査によると、介護期間の平均は55.0カ月(約4年7カ月)です。ただし「4〜10年未満」が最も多い回答で、10年以上になるケースもあります。認知症の場合は介護期間が長くなる傾向があるため、長期化を見据えた備えが重要です。
Q. 介護費用が足りなくなったらどうすればいい?
まずは高額介護サービス費や補足給付などの公的制度を確認しましょう。費用が安い特別養護老人ホームへの入所を検討するのも一つの方法です。市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談すると、利用できる制度や施設の情報を案内してもらえます。
お金にまつわる将来の不安は、具体的な数字を知ることで和らぐことが多いです。介護費用の備え方や家計全体の見直しについて専門家の意見を聞きたい方は、Habittoのファイナンシャルプランナーに無料で相談できます。国家資格を持つFPにチャットやビデオ通話で何度でも相談できて、無理な勧誘は一切ありません。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。具体的なご判断はご自身の責任で行ってください。 ※0.6%(税引後0.478%)の金利は預金額100万円まで適用、100万円を超える預金については0.3%(税引後0.239%)の金利が適用されます。表示されている金利は年利です。金利は変動する場合があります。 ※介護保険制度の内容は2026年2月時点の情報です。制度改正により変更される場合があります。