固定資産税とは?土地・建物の計算方法と納付時期をわかりやすく解説
固定資産税とは?土地・建物にかかる税金の計算方法と納付のすべて
マイホームを購入すると、毎年かかる税金があります。それが「固定資産税」です。土地や建物を所有している人が市に納める地方税で、住宅を持っている限り毎年支払いが必要になります。
「固定資産税って結局いくらくらいかかるの?」「計算方法がよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。この記事では、固定資産税の基本的な仕組みから計算方法、納付の方法、知っておきたい特例措置まで、初心者にもわかりやすく解説します。
この記事のアドバイザー
記事監修アドバイザー認定済み髙山 千愛美(たかやま ちあみ)2,000件以上のライフプラン相談を通じて、お客様の描く未来の実現をサポートしてきました。『お金の貯め方・増やし方・守り方・使い方』を一緒にひとつずつ、考えてみませんか💡1級ファイナンシャル・プランニング技能士証券外務員第一種宅地建物取引士得意分野: 資産運用・住宅ローン
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固定資産税の基本|土地・建物を所有する人が毎年納める税金
固定資産税は、土地や建物(家屋)などの固定資産を所有している人が、その資産の所在する市町村(東京23区の場合は東京都)に納める地方税です。
毎年1月1日時点で固定資産を所有している人が、その年度の納税義務者となります。たとえば2026年1月1日に住宅を所有していれば、2026年度の固定資産税を納める必要があります。
固定資産税の対象となる主な資産は以下のとおりです。
・土地:宅地、田畑、山林、池沼、雑種地など
・建物(家屋):住宅、店舗、工場、倉庫など
・償却資産:事業用の機械・設備、備品など(事業者のみ)
一戸建てやマンションを購入した場合、土地と建物の両方に固定資産税がかかります。固定資産税として徴収された税金は使い道が定められていない「普通税」として、道路や公園の整備、学校の建設、介護・福祉サービスなど幅広い行政サービスに活用されます。
固定資産税の計算方法|税額を算出する基本の計算式
固定資産税の税額は、以下の計算式で算出されます。
固定資産税額 = 課税標準額 × 1.4%(標準税率)
この計算式を見ると「課税標準額ってなに?」と思いますよね。課税標準額とは、固定資産税評価額をもとに、各種特例措置を適用した後の金額のことです。
固定資産税評価額とは
固定資産税評価額は、総務省の「固定資産評価基準」をもとに市町村が定めた価額です。土地の場合は地価公示価格の約70%、建物の場合は再建築価格(同じ建物を新築する場合の費用)に経年減点補正率を乗じて算出されます。
この評価額は3年に1度見直され、これを「評価替え」といいます。令和6年度が直近の基準年度でした。
実際の固定資産税評価額は、毎年届く納税通知書に添付されている課税明細書か、市役所の固定資産課税台帳で確認できます。
税率は市によって異なる場合も
標準税率は1.4%ですが、市町村によっては独自の税率を定めている場合があります。お住まいの市のホームページで税率を確認しておくと安心です。
課税標準額の免税点
課税標準額の合計が一定金額未満の場合、固定資産税は課税されません。
・土地:30万円未満
・建物(家屋):20万円未満
土地の固定資産税|住宅用地には軽減の特例措置あり
土地の固定資産税を計算する際、住宅の敷地として使われている土地(住宅用地)には、課税標準額を軽減する特例措置が設けられています。
住宅用地に対する課税標準額の特例
・小規模住宅用地(1戸あたり200㎡以下の部分):課税標準額が評価額の6分の1
・一般住宅用地(200㎡を超える部分):課税標準額が評価額の3分の1
たとえば、評価額が1,800万円の宅地200㎡の場合、この特例が適用されると課税標準額は300万円(1,800万円×1/6)になります。その結果、固定資産税は300万円×1.4%=約4.2万円となります。
特例が適用されない更地の場合は1,800万円×1.4%=約25.2万円となるため、住宅が建っているかどうかで税額が大きく変わります。
建物の固定資産税|新築住宅には減額制度が適用される
建物(家屋)にかかる固定資産税は、固定資産税評価額に税率を乗じて計算します。新築住宅の場合、一定期間、税額が減額される制度があります。
新築住宅に係る税額の減額措置(2026年3月31日まで)
2026年3月31日までに新築された住宅は、床面積120㎡までの部分について、固定資産税額が2分の1に減額されます。
減額対象となる要件 ・居住部分の床面積が50㎡以上280㎡以下(一般住宅の場合) ・共同住宅の場合は1戸あたり40㎡以上280㎡以下
減額期間 ・一戸建て住宅:新築後3年間 ・マンション(3階建て以上の耐火構造):新築後5年間 ・認定長期優良住宅の場合:一戸建ては5年間、マンションは7年間
たとえば、建物の固定資産税評価額が1,000万円の新築一戸建ての場合、通常なら1,000万円×1.4%=14万円ですが、減額措置により最初の3年間は7万円で済みます。
固定資産税はいつ払う?納付方法と納期限
固定資産税の納税通知書は、毎年4月〜5月頃に市町村から届きます。届いた納税通知書に基づいて、年4回に分けて納付するのが一般的です。
納付の時期(東京23区の例)
・第1期:6月末日 ・第2期:9月末日 ・第3期:12月末日 ・第4期:翌年2月末日
納期限は市によって異なります。横浜市は4月・7月・12月・翌年2月、名古屋市は4月・7月・12月・翌年2月と、自治体ごとに違いがあるため、届いた納税通知書で必ず確認しましょう。
1年分を一括で納付することも可能ですが、一括払いによる割引はありません。
固定資産税の納付方法
現在、固定資産税の納付方法は多様化しています。
・現金払い:金融機関の窓口やコンビニで納付書を使って支払い
・口座振替:指定口座からの自動引き落とし
・クレジットカード払い:各自治体のウェブサイトから手続き(手数料がかかる場合あり)
・スマホ決済:PayPayやLINE Payなどで納付書のバーコードを読み取って支払い
・ペイジー(Pay-easy):インターネットバンキングやATMから支払い
スマホ決済は手数料がかからない場合が多く、自宅から手軽に納付できる方法として利用者が増えています。ただし、領収書が発行されないため、納税証明書が必要な場合は別途申請が必要です。
土地・建物を売却したときの固定資産税
不動産を売却した場合、固定資産税の納税義務者は「1月1日時点の所有者」のままです。年の途中で売却しても、その年度の納税通知書は売主に届きます。
ただし、実際の売買では、引き渡し日を基準に日割り計算して精算するのが一般的です。たとえば7月1日に引き渡しの場合、1月1日〜6月30日分は売主、7月1日以降は買主が負担するように精算金額を調整します。
この精算方法は法律で定められているわけではなく、売買契約の内容によって異なります。不動産売却を検討している方は、契約前に固定資産税の精算方法について確認しておくことが大切です。
固定資産税に関するよくある注意点
評価替えのタイミングを把握しておく
固定資産税評価額は3年に1度見直されます。令和6年度(2024年度)が基準年度だったため、次の評価替えは令和9年度(2027年度)です。地価の変動によって評価額が上下する可能性があるため、固定資産税の金額が変わることがあります。
申告が必要な場合もある
住宅を新築した場合や、一定の改修工事を行った場合、減額措置を受けるために申告が必要なケースがあります。新築住宅の減額措置は登記情報から自動適用されることが多いですが、リフォーム減税などは申告が必要です。
リフォームによる減額措置の主な種類: ・耐震改修工事 ・バリアフリー改修工事 ・省エネ改修工事 ・長期優良住宅化リフォーム
いずれも2026年3月31日までに工事が完了し、工事後3か月以内に申告することが条件です。減額内容や適用要件は市町村によって異なるため、詳細は市の担当窓口に問い合わせましょう。
固定資産課税台帳の閲覧制度
固定資産税評価額に疑問がある場合、市役所で固定資産課税台帳を閲覧できます。4月1日から一定期間は「縦覧制度」として、他の土地や家屋の評価額と比較することも可能です。
固定資産税を見込んだ資金計画を立てよう
住宅を購入すると、毎年固定資産税がかかります。年間15万円の固定資産税なら、月額にすると約1.25万円です。住宅ローンの返済額と合わせて考えると、実質的な月々の住居費が見えてきます。
たとえば住宅ローンの返済が月8万円、固定資産税が年15万円(月約1.25万円)の場合、月々の住居費は約9.25万円になります。
また、固定資産税は建物の経年劣化により評価額が下がるため、築年数が経つと税額も減少する傾向があります。ただし、土地の評価額は地価の変動によって上下するため、税額が必ず下がるとは限りません。
住宅購入を検討している方は、固定資産税も含めた長期的な資金計画を立てておくことをおすすめします。
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※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務アドバイスではありません。具体的な税額や制度の適用については、お住まいの市町村窓口にご確認ください。