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マル優・特別マル優とは?対象者や手続き、非課税になる貯蓄を解説

マル優・特別マル優とは?対象者や手続き、非課税になる貯蓄をわかりやすく解説

銀行にお金を預けると利息がつきますが、実はその利息には約20%の税金がかかっています。普段は自動的に引かれているため意識されにくいですが、利息から税金を引かれずに受け取れる方法があります。

それが「マル優」と「特別マル優」という非課税制度です。障害者手帳をお持ちの方や、遺族年金・障害年金を受給されている方などが利用できるこの制度について、対象者や申請方法、対象となる貯蓄の種類をわかりやすく解説します。


この記事のアドバイザー

記事監修アドバイザー認定済み

髙山 千愛美たかやま ちあみ2,000件以上のライフプラン相談を通じて、お客様の描く未来の実現をサポートしてきました。『お金の貯め方・増やし方・守り方・使い方』を一緒にひとつずつ、考えてみませんか💡1級ファイナンシャル・プランニング技能士証券外務員第一種宅地建物取引士得意分野: 資産運用・住宅ローン
投資スタイル: 長期積立分散を意識したインデックス投資/株主優待


マル優・特別マル優ってどんな制度?

マル優(少額貯蓄非課税制度)とは

マル優の正式名称は「障害者等の少額預金の利子所得等の非課税制度」です。一定の条件を満たす方が金融機関で手続きを行うことで、預貯金などの利息にかかる税金が非課税になります。

通常、預貯金の利息には20.315%の税金(所得税15.315%+地方税5%)が源泉徴収されます。たとえば1万円の利息がついても、実際に受け取れるのは約7,969円です。マル優を利用すれば、この税金がかからず1万円をそのまま受け取れます。

マル優の非課税枠は元本350万円までです。

特別マル優(少額公債非課税制度)とは

特別マル優の正式名称は「障害者等の少額公債の利子の非課税制度」です。こちらは国債や地方債の利子が非課税になる制度で、マル優とは別枠で元本350万円まで利用できます。

つまり、マル優と特別マル優を両方使えば、合計700万円までの元本から得られる利息が非課税になります。


マル優・特別マル優を利用できる人

マル優・特別マル優を利用できるのは、以下のいずれかに該当する方です。

障害者に該当する方

  • 身体障害者手帳の交付を受けている方

  • 精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方

  • 療育手帳の交付を受けている方

  • 障害基礎年金を受給している方

  • 障害厚生年金を受給している方

  • 労災保険の傷病(補償)年金を受給している方

その他の対象者(年金受給者など)

  • 遺族基礎年金を受給している妻

  • 遺族厚生年金を受給している妻

  • 寡婦年金を受給している方

  • 母子年金を受給している方

このほか、原爆被爆者の医療特別手当や健康管理手当を受給している方、特定の公害病の認定を受けている方なども対象になる場合があります。

以前は65歳以上の方も対象でしたが、2006年1月からは障害者等に限定されています。


非課税の対象になる貯蓄・商品

マル優の対象商品(元本350万円まで)

  • 預貯金(普通預金、定期預金など)

  • 合同運用信託(貸付信託など)

  • 特定公募公社債等運用投資信託(MRFなど)

  • 一定の有価証券

銀行の普通預金や定期預金はもちろん、ゆうちょ銀行の貯金(定額貯金、定期貯金など)も対象です。

特別マル優の対象商品(元本350万円まで)

  • 国債(個人向け国債、利付国債など)

  • 地方債

特別マル優は国債と地方債に限定されており、預貯金は対象外です。

非課税の対象になるのは「利息」のみ

マル優・特別マル優で非課税になるのは、利息(利子)に対する税金だけです。国債や株式などを売却したときの譲渡益や、割引債の償還益は対象外となります。また、外国債券の利子も対象外です。


どれくらいの節税効果がある?

具体的な金額で見てみましょう。

たとえば350万円を年利0.6%で1年間預けた場合、利息は21,000円です。

通常であれば、この利息に20.315%の税金がかかるため、実際に受け取れるのは約16,734円。税金として約4,266円が引かれます。

マル優を利用すれば、21,000円をそのまま受け取れます。

さらに特別マル優で国債350万円を保有し、年利1.0%の利息がつくとすると、利息は35,000円。通常なら約7,110円の税金がかかりますが、特別マル優を使えば35,000円を丸ごと受け取れます。

マル優と特別マル優を合わせて700万円をフル活用した場合、年間で1万円以上の節税になることもあります。


マル優・特別マル優の申請方法

必要な書類

マル優・特別マル優を利用するには、金融機関の窓口で手続きが必要です。一般的に必要な書類は以下のとおりです。

1. 資格を証明する公的書類

  • 身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳

  • 年金証書(遺族年金、障害年金、寡婦年金など)

  • その他、対象者であることを証明する書類

2. マイナンバーがわかる書類

  • マイナンバーカード

  • 通知カード+本人確認書類

3. 本人確認書類

  • 運転免許証、健康保険証など

4. 届出印

  • 口座開設時に届け出た印鑑

手続きの流れ

  1. 金融機関の窓口で「非課税貯蓄申告書」を受け取る

  2. 必要事項を記入し、公的書類とともに提出する

  3. 金融機関が税務署に申告書を提出

  4. 非課税枠の範囲内で預け入れや国債購入を行う

ネット銀行の場合、マル優の取り扱いがないところもあります。利用を検討している方は、事前に金融機関に確認しておきましょう。


複数の金融機関で利用する場合の注意点

マル優・特別マル優は、複数の金融機関で利用することができます。ただし、合計額が上限を超えないよう注意が必要です。

たとえば、A銀行で200万円、B銀行で150万円のマル優を申請した場合、合計350万円となり上限に達します。さらにC銀行で申請しようとした場合は、枠が残っていないため利用できません。

万が一、上限を超えて非課税扱いで預け入れた場合、その金融機関で預け入れたすべての貯金が課税扱いになる可能性があります。申請時には他の金融機関での利用状況も確認しておきましょう。


マル優を利用するメリット・デメリット

メリット

利息を全額受け取れる 最大のメリットは、約20%の税金がかからず利息を丸ごと受け取れることです。金利が上昇している現在、この恩恵は以前より大きくなっています。

複数の金融機関で使える 一つの金融機関に限らず、銀行、信用金庫、ゆうちょ銀行など複数の金融機関で分けて利用できます。

継続的に非課税 一度手続きをすれば、資格を失わない限り継続的に非課税の適用を受けられます。

デメリット

窓口での手続きが必要 申請は原則として金融機関の窓口で行う必要があり、ネットで完結しません。公的書類の準備も手間がかかります。

利用できる人が限られている 障害者手帳の交付を受けている方や特定の年金受給者に限定されており、誰でも利用できるわけではありません。

対象商品が限定されている 株式や外国債券、投資信託(一部を除く)などは対象外です。比較的リスクの低い預貯金や国債が中心となります。


資格を失った場合の扱い

障害者手帳を返還した場合や、遺族年金の受給資格を失った場合など、マル優の対象者でなくなることがあります。

この場合、資格を失った日以降に発生する利息は課税対象となります。資格を失ったら、速やかに金融機関に届け出て、非課税貯蓄の解約手続きを行いましょう。届け出を怠ると、すべての利息に課税されてしまう場合があります。


まとめ:対象の方は活用を検討してみては

マル優・特別マル優は、障害者手帳をお持ちの方や遺族年金・障害年金を受給されている方にとって、貯蓄の利息を少しでも増やせる有利な制度です。

日本銀行の金融政策正常化に伴い、預金金利や国債の金利が上昇している今、非課税制度の恩恵は以前より大きくなっています。対象となる方は、ぜひ活用を検討してみてください。

手続き方法や対象商品は金融機関によって異なる場合があります。詳しくは、利用を検討している金融機関の窓口に確認しましょう。

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※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務アドバイスではありません。具体的な手続きや適用条件については、税務署や金融機関にご確認ください。