年末調整の書き方|令和7年分の書類・記入例・注意点を解説
年末調整の書き方|令和7年分の書類・記入例・よくある注意点を解説
毎年秋から冬にかけて、会社員の方なら必ず行う手続きが「年末調整」です。書類を会社に提出するだけで所得税の過不足が精算されますが、「どの書類に何を書けばいいのかわからない」という方も少なくありません。
この記事では、年末調整の仕組みと対象者、提出する書類の種類と記入のポイント、よくある注意点をわかりやすく解説します。
この記事のアドバイザー
記事監修アドバイザー認定済み田口 秀一(タグチ シュウイチ)外資系金融機関で10年以上の経験を通し、主に「投資初心者」向けに、「賢い家計の見直し術」から「ゼロからの投資の始め方」などのオーダーメードでサポートをしてきました。何事も興味を持ったタイミングが始め時です。不安もあるかもしれませんが、この機会に一緒に最初の一歩を踏み出しましょう!得意分野: 資産運用・生命保険
年末調整とは
年末調整とは、1年間に給与から天引き(源泉徴収)された所得税の合計額と、実際に納めるべき所得税額を年末に精算する手続きです。
会社は毎月の給与から概算の所得税を天引きしています。しかし、この概算は扶養家族の変動や各種保険料の支払いなどを正確に反映していないため、年末に実額で計算し直す必要があります。その結果、払いすぎていた税金は還付、不足していた場合は追加徴収という形で精算されます。
年末調整は会社が手続きを行いますが、必要な情報(扶養家族の状況・保険料の支払い実績など)は従業員自身が申告書類に記入して提出する必要があります。
対象者
年末調整の対象者は、その年の12月31日時点で会社に在籍している給与所得者が基本です。ただし、給与収入が一定金額を超える方や、複数の勤務先がある場合など、確定申告が別途必要になるケースもあります。
年末調整で提出する主な書類
年末調整で提出する書類は、全員が提出するものと、該当者のみが提出するものに分かれます。
① 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
全員が提出必須の書類です。
この申告書は、その年の最初の給与を受け取る前に提出が必要ですが、年末調整の時期に内容の確認・修正を求められることが多い書類です。
記入する主な内容は以下のとおりです。
本人の氏名・住所・マイナンバー
控除対象の配偶者の有無
扶養親族の情報(氏名・生年月日・続柄・マイナンバー・所得見積額)
障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生に該当する場合はその旨
記入のポイント: 扶養親族とは、年間の合計所得金額が一定以下の親族を指します。配偶者・子ども・親などが対象になりますが、収入がある場合は所得金額の計算が必要です。転職・結婚・出産・扶養家族の収入変化があった年は特に内容の見直しが必要です。
② 基礎控除申告書(兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書)
全員が提出必須の書類です。 複数の申告を1枚にまとめた書類になっています。
基礎控除申告書の部分: 本人の合計所得金額の見積額を記入します。所得金額に応じて控除額が変わる仕組みになっています。給与のみの場合、年収から計算した「給与所得の金額」を記入します。具体的な控除額は国税庁のウェブサイト(タックスアンサー)または書類に添付の説明書で確認してください。
配偶者控除等申告書の部分: 配偶者がいる場合に記入します。本人と配偶者それぞれの合計所得金額の見積額を記入し、配偶者控除または配偶者特別控除の適用を申告します。配偶者の収入が一定を超える場合は対象外になりますが、段階的に控除額が変わる仕組みになっています。
③ 保険料控除申告書
該当者のみ提出します。 生命保険料・地震保険料・社会保険料(給与天引き以外で支払ったもの)などの控除を申告します。
記入のポイント: 保険会社から毎年秋〜11月頃に「生命保険料控除証明書」が届きます。この証明書の数字を転記するかたちで記入します。証明書が届いたら紛失しないよう保管しておきましょう。
記入する主な項目は以下のとおりです。
一般の生命保険料(新契約・旧契約に分かれる)
介護医療保険料
個人年金保険料(新契約・旧契約に分かれる)
地震保険料(旧長期損害保険料を含む)
社会保険料(給与天引き以外)
控除額は支払保険料の合計額をもとに計算します。新契約・旧契約では計算方法が異なるため、書類に記載の計算式に沿って記入します。
④ 住宅借入金等特別控除申告書(住宅ローン控除・2年目以降)
住宅ローン控除を受けている方のみ提出。 住宅ローン控除の初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で手続きできます。
税務署から「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」が送付されてきます。この証明書と金融機関から届く「住宅ローン残高証明書」を添付して提出します。
令和7年分(2025年分)の注意点
年末調整の書類は毎年一部内容が更新されます。令和7年分では以下の点に特に注意が必要です。
特定親族特別控除(令和7年分から新設)
令和7年分から「特定親族特別控除」が新たに設けられました。これは、一定年齢範囲の扶養親族(主に19歳以上23歳未満)の収入が一定の範囲にある場合に適用される控除で、これまでとは異なる扱いになるケースがあります。
対象になりうる扶養親族がいる方は、国税庁のウェブサイトまたは書類に添付の説明書で要件を確認してください。
基礎控除・給与所得控除の見直し
令和7年分から基礎控除額および給与所得控除額の計算方法が変更されています。書類への記入額が例年と異なる場合がありますが、書類の記入欄に沿って計算すれば自動的に反映されます。
年末調整の書き方|よくある注意点
マイナンバーの記入を忘れない
扶養控除等申告書には、本人および扶養親族のマイナンバーの記入が必要です。マイナンバーカードまたは通知カードで確認してから記入しましょう。
扶養家族の所得見積額は正確に
扶養親族として申告するには、その方の年間の合計所得金額が一定以下である必要があります。パートや副業収入がある家族を扶養申告する場合は、その年の収入・所得の見積額を正確に計算する必要があります。収入がある場合は「収入」と「所得」の違い(収入から給与所得控除などを引いた額が所得)に注意が必要です。
年の途中で状況が変わった場合
結婚・出産・家族の死亡・家族の収入変化・引っ越しなど、年の途中で状況が変わった場合は、書類の内容に反映させる必要があります。特に「扶養親族が増えた・減った」場合は、扶養控除等申告書の修正が必要です。
保険料控除証明書が届いていない場合
証明書が届いていない保険は申告できません。再発行が必要な場合は、保険会社に問い合わせて早めに対応しましょう。証明書の代わりに電子証明書を活用できる保険会社も増えています。
提出期限を守る
年末調整の提出期限は会社ごとに設定されており、一般的に11月中旬〜12月初旬が多くなります。期限を過ぎると年末調整に反映してもらえず、自分で確定申告が必要になるケースもあります。
年末調整で申告できない控除は確定申告で
医療費控除・ふるさと納税(ワンストップ特例利用者以外)・副業収入の申告などは、年末調整では対応できず、翌年の確定申告が必要です。年末調整だけで税務手続きが完結しない場合があることを把握しておきましょう。
年末調整と確定申告の違い
| 項目 | 年末調整 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 手続き者 | 勤務先(会社) | 本人 |
| 対象 | 給与所得者 | 原則すべての所得者 |
| 時期 | 毎年11〜12月 | 翌年2月16日〜3月15日 |
| 対応できる控除 | 扶養控除・配偶者控除・保険料控除・住宅ローン控除(2年目以降)など | すべての控除(医療費控除・ふるさと納税など含む) |
| 住宅ローン控除1年目 | 対応不可 | 必須 |
会社員の多くは年末調整のみで所得税の精算が完了しますが、副業・投資・医療費控除・住宅ローン1年目などがある場合は確定申告も必要になります。
年末調整の書類は、書き方のポイントを押さえれば難しくありません。ただし、家族構成・保険の種類・住宅ローンの有無によって記入内容が変わるため、自分の状況に合わせて一つひとつ確認しながら進めることが大切です。
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※本記事の内容は令和7年分(2025年分)の年末調整に関する一般的な情報提供を目的としています。書類の最新様式・記入方法・各種控除の金額は毎年更新されます。国税庁ウェブサイト(
※この記事は個別の税務アドバイスではありません。具体的なご判断はご自身の責任で行ってください。