ペイオフとは?預金保険制度の仕組みと保護される範囲を解説【2026年版】
ペイオフとは?預金保険制度の仕組みと保護される預金の範囲を解説
「銀行が倒産したら、預けたお金はどうなるの?」と不安に思ったことはありませんか?
実は、日本には預金者を守るための「預金保険制度」という仕組みがあります。この制度によって、万が一金融機関が破綻しても、一定額までの預金は保護されるようになっています。
この記事では、ペイオフの仕組みや保護される預金の範囲、信用金庫や銀行など対象となる金融機関について、わかりやすく解説します。
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ペイオフとは
ペイオフとは、金融機関が破綻した場合に、預金保険機構が預金者に対して直接保険金を支払う方式のことです。
もう少し広い意味では、「預金の全額保護の特例措置が終了し、保護される預金等に上限が設けられたこと」を指して「ペイオフ解禁」と呼ぶこともあります。日本では平成17年(2005年)4月からペイオフが全面解禁されました。
預金保険制度は預金者の保護を目的とした仕組みで、預金者自身が手続きをする必要はありません。国内に本店のある銀行や信用金庫などの金融機関は、法律により預金保険制度への加入が義務付けられています。預金保険機構に保険料を支払うのは金融機関側であり、預金者が別途保険料を負担することはありません。
預金保険制度の仕組み
預金保険制度は、預金保険法(昭和46年制定)により定められた制度です。政府・日本銀行・民間金融機関の出資により設立された預金保険機構が運営主体となっています。
仕組みとしては、預金者が預金保険制度の対象金融機関に預金をすると、預金者・金融機関・預金保険機構の間で自動的に保険関係が成立します。金融機関が破綻した場合には、預金保険機構から保険金が支払われることで預金者が保護される流れです。
金融機関が破綻した場合の対応方法は主に2つあります。
資金援助方式
合併・営業譲渡等を行う譲受金融機関に対して、その合併等が容易になるよう預金保険機構が資金の援助を行う方式です。破綻金融機関を引き継ぐ救済金融機関が現れた場合に適用されます。
保険金支払方式(ペイオフ方式)
預金者に対して、預金保険機構が直接保険金を支払う方式です。救済金融機関が現れなかった場合に適用されます。
どちらの方式でも、預金者が保護される金額は同じです。
預金保険制度の対象となる金融機関
預金保険制度の対象となる金融機関は、日本国内に本店のある以下の金融機関です。
銀行
信用金庫
信用組合
労働金庫
信金中央金庫
全国信用協同組合連合会
労働金庫連合会
商工組合中央金庫
信託銀行も対象となっており、元本補てん契約のある金銭信託(ビッグなどの貸付信託を含む)は預金保険の対象です。
一方、以下は預金保険制度の対象外となります。
上記金融機関の海外支店
政府系金融機関
外国銀行の在日支店
なお、農林中央金庫、農業協同組合、漁業協同組合等は「農水産業協同組合貯金保険制度」により別途保護されています。証券会社は「投資者保護基金」、生命保険会社・損害保険会社はそれぞれ「保険契約者保護機構」に加入しています。
保護される預金等と保護の対象外となる商品
預金保険制度で保護される預金等と、保護の対象外となる商品をまとめました。
保護の対象となる預金等
| 預金等の種類 | 保護の範囲 |
|---|---|
| 決済用預金(当座預金、無利息の普通預金など) | 全額保護 |
| 普通預金(利息付き) | 元本1,000万円までとその利息 |
| 定期預金 | 元本1,000万円までとその利息 |
| 貯蓄預金 | 元本1,000万円までとその利息 |
| 通知預金 | 元本1,000万円までとその利息 |
| 納税準備預金 | 元本1,000万円までとその利息 |
| 別段預金 | 元本1,000万円までとその利息 |
| 定期積金 | 元本1,000万円までとその利息 |
| 元本補てん契約のある金銭信託 | 元本1,000万円までとその利息 |
| 金融債(保護預り専用商品に限る) | 元本1,000万円までとその利息 |
決済用預金とは「無利息、要求払い、決済サービスを提供できること」という3条件を満たす預金のことです。決済用預金は全額保護されます。
保護の対象外となる商品
外貨預金
譲渡性預金
オフショア預金
元本補てん契約のない金銭信託(ヒット等)
金融債(保護預り専用商品以外のもの)
無記名預金
他人・架空名義預金
導入預金
投資信託は預金保険制度の対象ではありませんが、信託銀行が信託財産として金融機関の資産とは分別管理しているため、金融機関の破綻から守られる仕組みになっています。
保護される額と範囲
預金保険によって保護される預金等の限度額は、以下のとおりです。
決済用預金:全額保護
一般預金等(定期預金、利息付き普通預金など):1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円までと破綻日までの利息等
たとえば、100万円を年利0.6%の普通預金に預けていた場合、元本の100万円と、破綻日までに発生した利息(年利0.6%であれば1年で約6,000円・税引き前)が保護されます。
1,000万円を超える部分については、破綻した金融機関の財産の状況に応じて支払われるため、一部カットされる可能性があります。
Habittoの貯蓄口座は、GMOあおぞらネット銀行との提携によるサービスです。GMOあおぞらネット銀行は預金保険制度の対象金融機関であり、円普通預金は元本1,000万円までとその利息が預金保険の対象となります。
※GMOあおぞらネット銀行はあおぞら銀行のグループ会社ですが、別の金融機関となるため、預金保険制度はそれぞれの金融機関ごとに対象となります。
金融機関が破綻した場合の名寄せとは
「名寄せ」とは、同一の預金者が同一金融機関内に複数の預金口座を持っている場合に、それらを合算して預金保険で保護される預金等の総額(付保預金額)を算定する作業のことです。
名寄せのポイントは以下のとおりです。
個人の場合
同じ金融機関の複数の支店に口座を持っている場合、すべて合算されます
夫婦や親子であっても、それぞれ別の預金者として名寄せされます
家族の名義を借りただけの預金は「他人名義預金」として保護対象外です
個人で事業を営んでいる場合、個人事業用の預金も同一人の預金として合算されます
法人の場合
本社・支店・営業所等はまとめて1預金者として名寄せされます
名寄せは預金保険機構が行いますが、正確な預金者データが迅速に提出されないと、円滑な預金の払戻しに支障が生じる可能性があります。
金融機関の合併時の特例
金融機関が合併を行ったり、営業(事業)のすべてを譲り受けた場合には、合併等の後1年間に限り、保護される預金等の範囲が拡大されます。
具体的には「預金者1人あたり1,000万円×合併等に関わった金融機関の数」が上限となります。たとえば2行合併の場合は、2,000万円までとその利息が保護対象になります。
この措置は合併後1年間の時限的なものである点に注意が必要です。
保護されない部分はどうなる?
元本1,000万円を超える部分や、預金保険の対象外となる預金等については、破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われることになります。
通常、破産手続きによる配当までには時間がかかるため、預金保険機構による「概算払い」という制度が設けられています。これは、破産手続きにより弁済可能と見込まれる額等を考慮して決定した率を掛けた金額を、預金保険機構が預金者に先に支払う仕組みです。
後日、破産手続等により預金保険機構が回収した額が概算払額を上回る場合には、その差額が預金者に追加して支払われます(精算払い)。
また、普通預金については、払戻しまでにかなりの日数がかかると見込まれる場合、預金保険機構が1口座当たり60万円までの仮払金を支払うことができる制度もあります。
ペイオフ対策として考えられること
預金を安全に守るために、以下のような対策を検討することができます。
複数の金融機関に分散する
1金融機関あたり元本1,000万円までが保護対象となるため、1,000万円を超える資金は複数の金融機関に分散して預けることで、すべてを保護対象にすることができます。
決済用預金を活用する
決済用預金は全額保護の対象です。無利息である代わりに、預入額の上限なく全額が保護されます。法人の資金繰り用口座などで活用されています。
預金保険の対象となる金融機関を選ぶ
預金を預ける際は、その金融機関が預金保険制度の対象かどうかを確認しましょう。預金保険機構のホームページで対象金融機関を確認できます。
お金の預け方に迷ったら、国家資格を持つファイナンシャルプランナーに無料で相談できるサービスを活用してみるのも一つの方法です。無理な勧誘は一切ありませんので、気軽に相談してみてください。
よくある質問
Q. ネット銀行の預金もペイオフの対象になりますか?
A. はい、日本国内に本店のあるネット銀行であれば、預金保険制度の対象となります。GMOあおぞらネット銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行なども対象です。
Q. 同じ銀行の複数の支店に預金がある場合はどうなりますか?
A. 同一金融機関であれば、すべての支店の預金を合算して名寄せが行われます。合計で元本1,000万円までとその利息が保護対象となります。
Q. 外貨預金はペイオフの対象ですか?
A. いいえ、外貨預金は預金保険制度の保護対象ではありません。金融機関が破綻した場合、外貨預金は破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われることになります。
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※金利は変動する場合があります。0.6%(税引後0.478%)の金利は預金額100万円まで適用、100万円を超える預金については0.3%(税引後0.239%)の金利が適用されます。