令和最新版・確定申告の基礎知識|初心者向けにやり方・流れをわかりやすく解説
令和最新版・確定申告の基礎知識|初心者向けにやり方・流れをわかりやすく解説
確定申告と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、仕組みを理解すれば初めての方でも安心して手続きができます。会社員の方も副業や医療費控除で申告が必要になるケースがあり、正しく申告することで払いすぎた税金が戻ってくることもあります。この記事では確定申告の基本的な仕組みから具体的な手続きの流れまで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
この記事のアドバイザー
記事監修アドバイザー認定済み一條 知亮(いちじょう ともすけ)保険業界で資産活用のサポートに携わり、15年目になります。お客様それぞれに未来予想図があり、お金の活かし方も人それぞれです。夢の実現のために、ご自身にとって最適な資産活用方法を一緒に楽しく考えてみませんか?相続診断士得意分野: 資産運用・保険・ライフプラン作成
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【初めての方向け】確定申告の手順と申告書の作成方法
STEP 1:必要書類を準備する
確定申告の申告書の作成を始める前に、必要な書類を揃えましょう。主な書類は以下のとおりです。
- 源泉徴収票(会社員・アルバイトの方は勤務先から受け取る)
- マイナンバーカード(本人確認書類として必要)
- 医療費の領収書または医療費通知書(医療費控除を申告する場合)
- ふるさと納税の寄附金受領証明書(寄附金控除を申告する場合)
- 住宅ローン残高証明書(住宅ローン控除を申告する場合)
- 生命保険料控除証明書
- 銀行口座情報(還付金の受け取り用)
個人事業主の場合は、これらに加えて1年間の収支を記録した帳簿・仕訳データが必要です。
STEP 2:申告方法を選ぶ
確定申告の提出方法は主に3つあります。
① 国税庁の確定申告書等作成コーナー(e-Tax)を利用する
国税庁のウェブサイトにある申告書等作成コーナーを使うと、画面の案内に沿って入力するだけで申告書が作成できます。マイナンバーカードとスマホがあれば、自宅からe-Taxで電子申告が可能です。
② 会計ソフト・クラウドサービスを利用する
個人事業主や副業収入がある方には、クラウド会計ソフトの利用が便利です。日々の収支を入力しておくと、確定申告書の作成時に自動で集計・転記してくれるため、手間が大幅に減ります。
③ 税務署の窓口または郵送で提出する
紙の申告書に記載して税務署に持参するか、郵送で提出する方法もあります。税務署では相談窓口が設けられていますが、確定申告の時期は混雑するため、早めの来訪をおすすめします。
STEP 3:確定申告書等作成コーナーで申告書を作成する
国税庁の申告書等作成コーナーは、ガイダンスに沿って必要事項を入力するだけで申告書が完成する便利なツールです。2026年現在、スマホからも利用可能で、マイナポータルと連携すると給与情報や医療費の情報が自動で取り込まれます。
主な入力の流れは以下のとおりです。
1. 申告する所得の種類を選択する
2. 収入金額・必要経費を入力する
3. 各種所得控除の金額を入力する
4. 税額が自動計算される
5. 還付または納付の金額を確認する
6. e-Taxで送信するか、印刷して提出する
STEP 4:申告書を提出する
作成した申告書は、e-Taxによる電子申告、税務署への持参、または郵送で提出します。e-Taxを利用する場合は、マイナンバーカードを使ったログインが必要です。
電子申告の場合、提出後すぐに受付番号が発行され、申告が完了したことを確認できます。還付がある場合は、申告から約1〜2か月以内に指定口座に振り込まれるのが一般的です。
確定申告が必要な人
| 対象者 | 主な理由 |
|---|---|
| 個人事業主・フリーランス | 事業所得がある |
| 副業収入が年間20万円超の会社員 | 給与以外の所得がある |
| 複数の勤務先から給与をもらう人 | 年末調整が1か所でしか行われない |
| 年間収入が2,000万円超の給与所得者 | 年末調整の対象外 |
| 公的年金等の収入が400万円超の人 | 年金収入が一定額を超える場合 |
| 不動産や株式の売却益がある人 | 譲渡所得が発生する場合 |
| アルバイト・パートで源泉徴収されている人 | 年収103万円以下なら還付の可能性あり |
確定申告をしなくてよい人
会社員で給与収入が1か所のみ、かつ年末調整が完了しており、給与以外の所得が年間20万円以下の場合は、原則として確定申告は不要です。ただし、住民税の申告が必要になるケースもあるため、お住まいの自治体に確認することをおすすめします。
申告することで還付が受けられる人
確定申告の義務がない場合でも、申告することで税金が戻ってくる(還付される)ケースがあります。医療費控除・住宅ローン控除(初年度)・ふるさと納税の寄附金控除・生命保険料控除の追加申告などが代表的な例です。還付申告は、確定申告期間(2月16日〜3月15日)前の1月1日から5年間、いつでも提出可能です。
確定申告の対象となる所得と税額の計算方法
所得の種類と計算の仕組み
所得税の計算は、「収入」から「必要経費」を差し引いて「所得」を求めるところから始まります。給与所得の場合は、収入金額から給与所得控除額を差し引いた金額が給与所得となります。事業所得や雑所得の場合は、収入から実際にかかった必要経費を差し引きます。
税額計算の具体的な例
【計算例①:副業収入がある会社員の場合】
- 給与収入:500万円 → 給与所得:346万円(給与所得控除154万円を差し引き)
- 副業(雑所得):収入80万円 − 必要経費30万円 = 50万円
- 総所得金額等:346万円 + 50万円 = 396万円
- 所得控除の合計(基礎控除48万円+社会保険料控除70万円+生命保険料控除4万円など):約140万円と仮定
- 課税所得:396万円 − 140万円 = 256万円
- 所得税額:256万円 × 10% − 97,500円(控除額)= 158,500円
- 復興特別所得税(2.1%):158,500円 × 2.1% ≒ 3,328円
- 合計納税額:約161,828円
副業収入が年間20万円を超えているため、確定申告が必要なケースです。
【計算例②:医療費控除を申告する会社員の場合】
- 年間医療費:45万円(本人・配偶者・扶養家族分の合計)
- 保険金等で補填された金額:5万円
- 実質的な医療費:45万円 − 5万円 = 40万円
- 医療費控除額:40万円 − 10万円(総所得金額等の5%または10万円のいずれか低い方)= 30万円
- 課税所得が300万円の場合、所得税率10%なら:30万円 × 10% = 3万円の税額控除効果
- さらに住民税(税率10%)でも:30万円 × 10% = 3万円の軽減効果
- 合計で約6万円の税負担が軽減される計算になります
このように、医療費控除は所得控除の中でも還付効果が大きい制度です。
主な所得控除・税額控除の一覧
確定申告で申告できる主な控除をまとめました。控除には「所得控除」と「税額控除」の2種類があり、それぞれ仕組みが異なります。
所得控除の主な種類
| 控除の種類 | 概要 | 上限の目安 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | すべての納税者に適用(合計所得金額2,400万円以下) | 48万円 |
| 医療費控除 | 年間医療費が10万円超の場合に適用 | 200万円 |
| 社会保険料控除 | 支払った社会保険料の全額 | 全額 |
| 生命保険料控除 | 支払った生命保険料に応じて控除 | 最大12万円 |
| 配偶者控除 | 配偶者の合計所得金額が48万円以下の場合 | 最大38万円 |
| 扶養控除 | 扶養親族がいる場合 | 最大63万円 |
| 雑損控除 | 災害・盗難などによる損失がある場合 | 損失額による |
| 寄附金控除 | ふるさと納税などの寄附金 | 総所得金額等の40% |
税額控除の主な種類
税額控除は、計算した所得税額から直接差し引くことができるため、所得控除よりも節税効果が大きいのが特徴です。
| 控除の種類 | 概要 |
|---|---|
| 住宅ローン控除 | 住宅ローン残高の0.7%を税額から控除(特別控除) |
| 配当控除 | 配当所得がある場合に適用 |
| 外国税額控除 | 外国で課税された税額を控除 |
住宅ローン控除は、特別控除の中でも金額が大きくなりやすい制度です。初年度は確定申告が必要で、2年目以降は年末調整で対応できます。
ケース別・確定申告の注意点
会社員・給与所得者の場合
会社員で年末調整が完了している場合でも、以下のケースでは確定申告が必要または有利になります。
- 副業・兼業の所得が年間20万円を超える場合
- 医療費控除・ふるさと納税(ワンストップ特例を使わなかった場合)・住宅ローン控除(初年度)を申告したい場合
- 年の途中で退職し、年末調整を受けていない場合
退職した年は特に注意が必要です。退職後に再就職しなかった場合、年末調整が行われないため、確定申告をしないと払いすぎた税金が戻ってこないことがあります。
個人事業主・フリーランスの場合
個人事業主は、事業所得が48万円を超える場合(基礎控除額以上の所得がある場合)に確定申告が原則必要です。青色申告を選択すると、最大65万円の青色申告特別控除が受けられるなど、節税メリットが大きくなります。
青色申告については、青色申告の基礎知識(個人事業主)でも詳しく解説しています。
公的年金受給者の場合
公的年金等の収入が年間400万円以下で、かつ他の所得が20万円以下の場合は、原則として確定申告は不要です。ただし、医療費控除や社会保険料控除などの所得控除を追加で申告することで還付が受けられる場合は、申告することをおすすめします。
株式・投資の収益がある場合
株式の売却益や配当所得がある場合、特定口座(源泉徴収あり)を利用していれば原則として確定申告は不要です。ただし、複数の証券口座で損益通算をしたい場合や、配当控除を受けたい場合は確定申告が必要になります。
なお、新NISA口座内での売却益・配当は非課税のため、確定申告は不要です。
ふるさと納税・医療費控除・住宅ローン控除の申告方法
ふるさと納税(寄附金控除)の申告
ふるさと納税は、自治体への寄附に対して寄附金控除が適用される制度です。確定申告で申告する場合は、各自治体から送られてくる「寄附金受領証明書」を手元に準備し、申告書の所得控除欄に記載します。
ワンストップ特例制度を利用した場合は確定申告不要ですが、寄附先が6か所以上になる場合や、他の理由で確定申告をする場合は、ワンストップ特例の効力が失われるため、確定申告で寄附金控除をまとめて申告する必要があります。
医療費控除の申告
医療費控除は、1年間に支払った医療費の合計が10万円(または総所得金額等の5%)を超える場合に申告できます。対象となる医療費には、病院の診察・治療費・処方薬代・通院交通費(公共交通機関)などが含まれます。
申告の際は、医療費の領収書を基に「医療費控除の明細書」を作成します。マイナポータルと連携している場合は、医療費の情報が自動で取り込まれるため、入力の手間が省けます。
住宅ローン控除の申告
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用してマイホームを購入・増改築した場合に適用される税額控除で、特別控除の中でも控除額が大きくなりやすい制度です。
初年度は必ず確定申告が必要で、年末の住宅ローン残高の0.7%が所得税額から控除されます。2年目以降は勤務先の年末調整で対応できます。申告の際には、住宅ローン残高証明書・登記事項証明書・売買契約書などの書類が必要です。
クラウド会計ソフト・マイナポータル連携を活用しよう
クラウド会計ソフトのメリット
クラウド会計ソフトは、日々の収支の仕訳・記帳から確定申告書の作成まで、一連の作業をサポートしてくれるツールです。個人事業主や副業収入がある会社員にとって、特に有用です。
主なメリットは以下のとおりです。
- 銀行口座やクレジットカードと連携して収支を自動で取り込める
- 仕訳の入力が自動化・省力化できる
- 確定申告書の作成に必要なデータが自動で集計される
- e-Taxとの連携で電子申告まで一貫して対応できる
代表的なクラウド会計ソフトとしては、freee・マネーフォワードクラウド・弥生会計オンラインなどがあります。初めて利用する方でも操作しやすいアプリが多く、スマホからでも記帳できます。
マイナポータル連携で申告を効率化
マイナポータルとe-Taxを連携させると、給与情報・医療費・生命保険料控除・ふるさと納税などの情報が自動で申告書に反映されます。2026年現在、対応する機関・保険会社・自治体の数は年々増加しており、入力の手間を大幅に削減できます。
マイナポータル連携を利用するには、マイナンバーカードとスマホ(またはICカードリーダー)が必要です。国税庁の申告書等作成コーナーのページから、マイナポータルへのログイン・連携設定が可能です。
確定申告の期限・ペナルティ・予定納税
申告・納付の期限
確定申告の提出期限は、原則として翌年の3月15日です(令和6年分は2026年3月17日が期限)。所得税の納付期限も同日です。還付申告の場合は、1月1日から5年間いつでも提出可能です。
期限を過ぎた場合のペナルティ
確定申告の期限を過ぎた場合、以下のようなペナルティが発生する可能性があります。
| ペナルティの種類 | 内容 |
|---|---|
| 無申告加算税 | 期限後申告の場合、納税額の15%(一定額超は20%)が加算される |
| 延滞税 | 納付期限を過ぎた日数に応じて、年率最大14.6%の延滞税が発生する |
| 重加算税 | 意図的な隠ぺい・仮装があった場合、35〜40%が加算される |
ペナルティを避けるためにも、期限内の申告・納付を心がけましょう。万が一期限を過ぎてしまった場合でも、速やかに申告することで延滞税の加算を最小限に抑えられます。
予定納税とは
前年の確定申告で納税額が15万円以上だった場合、その年の7月と11月に「予定納税」として税金の一部を前払いする制度があります。予定納税の金額は、前年の納税額の3分の1ずつが2回に分けて課税されます。
予定納税の金額は、事業所得の大幅な減少など一定の条件がある場合に、減額申請を行うことが可能です。
よくある質問
Q1. 確定申告はいくらから必要ですか?
会社員の場合、給与以外の所得(副業収入など)が年間20万円を超えると確定申告が必要です。個人事業主の場合は、事業所得が基礎控除額(48万円)を超えると申告が必要になります。アルバイトのみの場合、年収103万円以下であれば所得税は非課税ですが、源泉徴収されている場合は還付申告で税金が戻ってくる可能性があります。
Q2. 確定申告書等作成コーナーとe-Taxの違いは何ですか?
確定申告書等作成コーナーは、国税庁のウェブサイト上で申告書を作成するためのツールです。e-Taxは、作成した申告書をインターネット経由で電子申告するためのシステムです。確定申告書等作成コーナーで作成した申告書を、そのままe-Taxで送信することが可能です。
Q3. 税理士に頼むべきケースはどんな場合ですか?
不動産の売却・相続・法人化・消費税の申告など、複雑な税務処理が必要な場合は税理士への相談をおすすめします。個人事業主で売上が大きくなってきた場合や、青色申告の記帳が難しいと感じる場合も、税理士のサポートが有効です。初めての確定申告で不安な方は、税務署の無料相談窓口や、ファイナンシャルプランナーへの相談も選択肢の一つです。
まとめ:確定申告を「自分ごと」として考えてみよう
確定申告は、自分の収入・支出・控除をきちんと把握し、正しい税金を納める(または取り戻す)ための大切な手続きです。この記事では、確定申告の基礎知識から申告書の作成手順・主な控除の内容・ペナルティまでを解説しました。
2026年現在、国税庁の申告書等作成コーナーやマイナポータル連携、クラウド会計ソフトの普及により、確定申告のハードルは以前よりも大幅に下がっています。初めての方でも、ガイダンスに沿って進めれば、スマホだけで申告を完結できる環境が整っています。
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※投資にはリスクが伴います。投資に関する最終的な判断はご自身の責任で行ってください。
参考・出典
- 国税庁「令和5年分 申告所得税等の申告状況」
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」
- [国税庁「No.1100 所得控除のあらまし」]
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