借金返済と貯金は同時にできる?家計を立て直す方法を解説
借金返済と貯金は同時にできる?家計を立て直すための考え方と具体的な方法
「借金を返しながら貯金もしたいけど、そんなことできるの?」
この疑問を持っている方は少なくありません。住宅ローンや奨学金、カードローン、クレジットカードのリボ払いなど、何かしらの借金を抱えながら生活している人は多いです。毎月の返済に追われていると、「貯金なんて余裕がない」と感じるのは自然なことです。
結論から言うと、借金の種類と金額によって「返済を優先すべきケース」と「返済しながら貯金も進めるべきケース」に分かれます。この記事では、借金がある状態でどうお金と向き合えばいいのか、家計の見直し方から具体的な貯金方法まで解説します。
この記事のアドバイザー
記事監修アドバイザー認定済み 芳恵(よしえ)外資系保険会社で8年以上の経験を通し、1000名以上のお客様のライフプランや資産運用をサポートしてまいりました。あなたの大切な「今」と「未来」の生活を豊かにするための「お金の新習慣」。その一歩を、一緒に踏み出してみませんか。2級ファイナンシャル・プランニング技能士得意分野: 資産運用・生命保険
まず確認したいこと:自分の借金と家計の全体像
借金返済と貯金のバランスを考える前に、現在の状況を正確に把握することが第一歩です。「なんとなく毎月返している」という状態では、計画を立てることができません。
借金の総額と内訳を書き出す
以下の項目を、借入先ごとにすべて書き出してみましょう。
借入先(銀行、消費者金融、クレジットカード会社など)
現在の残高(借金の総額)
金利(年利)
毎月の返済額
完済までの残り回数
複数の借り入れがある場合は、金利が高い順に並べておくと、あとで返済の優先順位をつけやすくなります。
毎月の家計収支を把握する
手取り収入から、生活費と借金返済を差し引いて、毎月いくら残るかを計算します。
毎月の余剰金額 = 手取り収入 − 生活費(家賃、食費、光熱費、通信費、保険料など) − 借金返済額
この余剰金額がプラスなら、返済しながら貯金を始める余地があります。マイナスなら、まずは支出の見直しか、返済計画の見直しが必要です。
借金返済と貯金、どちらを優先すべき?
「返済と貯金、どっちが先?」という問いに対する答えは、借金の種類と金利によって変わります。
金利の高い借金があるなら、返済を最優先にする
カードローン(年利15〜18%)やクレジットカードのリボ払い(年利14〜15%)のような金利の高い借金がある場合は、貯金よりも返済を優先すべきです。
理由はシンプルで、借金の金利のほうが貯金の金利よりも圧倒的に高いからです。
たとえば、50万円をカードローン(年利15%)で借りていて、毎月2万円ずつ返済する場合、完済まで約32カ月かかり、利息の総額は約12万円になります。一方、同じ50万円を年利0.6%の口座に貯金しても、1年間の利息は約3,000円です。
つまり、貯金で得られる利息よりも、借金の利息として失うお金のほうがはるかに大きいのです。金利の高い借金が残っている間は、余裕資金をできるだけ返済に回して、早く完済することが最も効率的なお金の使い方になります。
住宅ローンや奨学金は、返済しながら貯金を並行してOK
住宅ローン(年利0.5〜2%程度)や奨学金(年利0〜0.9%程度)のように金利が低い借金は、返済期間も長く、先に全額返済するのは現実的ではありません。
このタイプの借金は、毎月の返済額を決めて計画的に返済しつつ、余裕資金を貯金に回していくのが合理的な方法です。
判断の目安
| 借金の種類 | 金利の目安 | 優先すべきこと |
|---|---|---|
| カードローン | 年利15〜18% | 返済を最優先。余裕資金はすべて返済に回す |
| リボ払い | 年利14〜15% | 返済を最優先。リボ払いの利用をやめる |
| 自動車ローン | 年利2〜5% | 返済しながら少額の貯蓄を並行する |
| 奨学金 | 年利0〜0.9% | 返済しながら貯蓄も進める |
| 住宅ローン | 年利0.5〜2% | 返済しながら貯蓄・資産形成も進める |
借金返済しながら貯金をするための5つのステップ
金利の高い借金を最優先で返済した上で、あるいは住宅ローンや奨学金のような長期返済型の借金と並行しながら貯金を始める場合、以下の5つのステップで進めましょう。
ステップ1:家計の固定費を見直す
毎月の支出で最も効果が大きいのが固定費の削減です。一度見直せば、その後は毎月自動的に節約効果が続きます。
見直しの対象になりやすい固定費:
スマートフォンの料金:大手キャリアから格安SIMに変更すると、月に3,000〜5,000円の節約になるケースは珍しくありません
保険料:必要以上の保障に入っていないか、見直してみる価値があります
サブスクリプション:使っていない動画配信やアプリの月額サービスを解約する
電気・ガス:料金プランや契約先を比較して切り替える
固定費を月1万円削減できれば、年間で12万円の余裕が生まれます。
ステップ2:変動費の使い方にルールを決める
食費や交際費、趣味の出費など、月によって金額が変わる支出には「上限」を決めておきましょう。家計簿アプリを使って毎月の支出を記録するだけでも、「何に使いすぎているか」が見えてきます。
ポイントは、すべてを極端に切り詰めるのではなく、「自分にとって大事な支出」と「なんとなく使っている支出」を分けることです。たとえば、外食を月5回から月2回に減らすだけでも、月に5,000〜10,000円の差になります。
ステップ3:金利の高い借金から集中して返済する
複数の借り入れがある場合は、金利が高いものから優先的に返済していく方法(ハイレートメソッド)が効率的です。
たとえば、以下のような借入がある場合を考えてみます。
| 借入先 | 残高 | 金利 | 毎月の返済額 |
|---|---|---|---|
| カードローンA | 30万円 | 18% | 1万円 |
| カードローンB | 50万円 | 15% | 1.5万円 |
| 奨学金 | 200万円 | 0.5% | 1.5万円 |
この場合、まずカードローンA(金利18%)に余裕資金を集中して繰り上げ返済し、Aを完済したらBに集中します。奨学金は金利が低いので、毎月の約定返済を続けながら、カードローンの完済を先に目指します。
ステップ4:「先取り貯金」の仕組みを作る
借金返済の目処がある程度ついてきたら、少額でも貯金を始めましょう。5,000円でも1万円でも、「給料が入ったらまず貯蓄用の口座に移す」という仕組みを作ることが大切です。
生活費の口座にお金を入れたまま「余ったら貯金しよう」と考えていると、結局使ってしまうことが多いです。給料日に自動で別の口座に振り替える設定をしておくと、意思の力に頼らずに貯金が続けられます。
貯蓄用の口座は、普段使いの口座と分けておくのがコツです。Habittoの貯蓄口座のように、条件なしで年利0.6%(100万円まで)の金利がつく口座に分けておけば、返済を続けながらも着実にお金を育てることができます。
ステップ5:新たな借り入れをしない
借金返済中に最も気をつけるべきことは、新たな借り入れをしないことです。
クレジットカードの利用は一括払いに限定し、リボ払いやキャッシングには手を出さない。カードローンの枠が残っていても追加で借りない。「今月だけ」「少しだけ」という気持ちで借りてしまうと、返済計画が崩れてしまいます。
借金返済がきついと感じたら
毎月の返済額が手取り収入の3分の1を超えている場合や、生活費を借金で賄っている場合は、自分だけで解決しようとせず、早めに専門家に相談することが大切です。
返済計画を見直す
借入先の金融機関に相談すれば、返済期間の延長や毎月の返済額の減額に応じてもらえるケースがあります。「返済が厳しい」と感じた段階で早めに相談するのがポイントです。滞納してから相談するよりも、選択肢が多く残っています。
公的な相談窓口を利用する
お金の悩みは一人で抱え込みがちですが、無料で相談できる窓口があります。
日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター(0570-051-051)
法テラス(日本司法支援センター)(0570-078374):弁護士・司法書士への無料法律相談
市区町村の多重債務相談窓口:自治体によって設置されている無料相談窓口
金融庁 多重債務相談窓口
家族に言えない、相談しづらいと感じる方も少なくありません。上記の窓口はプライバシーに配慮した対応をしていますので、まずは電話やメールで問い合わせてみてください。
よくある質問
Q. 貯金がゼロの状態で借金返済だけに集中しても大丈夫?
全額を返済に充てて貯金ゼロの状態を続けるのはリスクがあります。急な病気やケガ、冠婚葬祭、家電の故障など、想定外の出費が発生したときに対応できず、結局また借り入れをしてしまう可能性があるためです。
金利の高い借金がある場合でも、最低限の「生活防衛資金」として生活費1〜2カ月分(10〜30万円程度)は確保しておくことをおすすめします。
Q. 住宅ローンがあっても貯金を増やすべき?
住宅ローンは金利が低いため、繰り上げ返済に全力を注ぐよりも、手元の貯蓄を増やしていくほうが安心感があります。特に子どもの教育費や将来の老後資金は、住宅ローンの返済と並行して準備しておく必要があります。
住宅ローン控除を受けている期間は、繰り上げ返済をしない方が有利になるケースもあるため、自分の状況に合わせた判断が大切です。
Q. 家族の借金が発覚したらどうすればいい?
まずは冷静に状況を把握しましょう。借金の総額、金利、毎月の返済額、滞納の有無を確認します。感情的にならず、「これからどうするか」を一緒に考える姿勢が、問題解決への近道になります。
自分たちだけで解決が難しい場合は、ファイナンシャルプランナーや弁護士に相談するのも選択肢の一つです。第三者の視点が入ることで、客観的な返済計画が立てやすくなります。
お金の不安は、「見えない」ことが原因になっていることが多いです。借金の全体像と家計の収支を可視化するだけで、「何から手をつければいいか」が見えてきます。
お金のことで迷ったら、Habittoのファイナンシャルプランナーに無料で相談してみてください。国家資格を持つプロに、チャットやオンラインセッションで何度でも相談できます。無理な勧誘は一切ありませんので、「今の状況を整理したい」という段階でも気軽に利用できます。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。借金の返済や債務整理については、専門家にご相談ください。