出産育児一時金の申請方法と支給内容【2026年版】健康保険・協会けんぽ対応
出産育児一時金の申請方法と支給内容【2026年版】健康保険・協会けんぽ対応
「出産にかかる費用って、どのくらい戻ってくるんだろう?」
出産を控えた方や、パートナーの出産を控えている方なら、一度はそう考えたことがあるのではないでしょうか。厚生労働省の調査によると、令和6年度(2024年度)の正常分娩による出産費用の全国平均は約52万円にのぼり、出産育児一時金の原則50万円を約2万円上回っています。地域によってはさらに大きな差が生じることもあります。
この記事では、出産育児一時金の支給内容・申請方法・受け取り方の3種類の手続きを、わかりやすく解説します。出産手当金との違いや、被扶養者(家族)が対象になるケースについても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
この記事のアドバイザー
出産手当金との違いや家族への給付も
出産育児一時金とは? 基本の支給内容を確認しよう
出産育児一時金は、公的医療保険(健康保険・国民健康保険など)に加入している被保険者または被扶養者が出産したとき、子ども1人につき原則50万円が支給される制度です。
支給額50万円の内訳は、本人支給分48.8万円と産科医療補償制度の掛金分1.2万円です。産科医療補償制度に加入していない医療機関での出産の場合は、支給額が異なる場合がありますので、出産予定の医療機関に事前に確認しておくと安心です。
なお、出産育児一時金は令和5年(2023年)4月に、それまでの原則42万円から13年ぶりに引き上げられました。出産費用の上昇に合わせた改定です(厚生労働省「出産育児一時金等について」)。
誰が対象になる? 支給対象者のポイント
出産育児一時金の対象者は、健康保険・国民健康保険などの公的医療保険の被保険者と、その被扶養者(家族)です。妊娠4ヵ月(85日)以上の出産が対象で、正常分娩はもちろん、早産・死産・人工妊娠中絶も含まれます。
会社員の配偶者が専業主婦(夫)の場合、配偶者は健康保険の被扶養者として給付を受けることができます。また、退職後6ヵ月以内に出産した場合は、以前加入していた保険者(1年以上継続して加入していたことが条件)から出産育児一時金を受け取ることを選択することもできます(厚生労働省「出産育児一時金等について」)。
申請期限は出産日の翌日から2年以内です。忘れずに手続きを進めましょう。
受け取り方は3種類|直接支払制度・受取代理制度・償還払いの違い
出産育児一時金の支給・申請方法は、大きく3つあります。
① 直接支払制度
直接支払制度は、出産施設が被保険者に代わって保険者(健康保険組合・協会けんぽ・国民健康保険など)に申請し、保険者から医療機関等へ直接支払われる仕組みです。窓口での大きな立替払いが不要になるため、多くの方がこの制度を利用しています。
直接支払制度を利用する場合、出産費用が50万円を下回った場合は、差額を後から受け取ることができます。逆に50万円を超えた場合は、超過分を退院時に医療機関へ支払う形になります。
直接支払制度を利用するには、出産施設との間で合意書を取り交わす書類手続きが必要です。入院時に案内されることが多いので、事前に確認しておくと安心です。
② 受取代理制度
受取代理制度は、出産する医療機関が小規模で直接支払制度に対応していない場合などに利用できる方法です。受取代理制度を利用する場合は、被保険者が加入する保険者に事前申請を行い、医療機関が被保険者に代わって給付を受け取ります。
受取代理制度を利用できる医療機関等は限られているため、出産予定の施設が対応しているかどうか、事前に確認が必要です。
③ 償還払い制度(事後申請)
直接支払制度・受取代理制度のいずれも利用しない場合は、出産後に被保険者が自ら保険者へ請求する「償還払い」となります。一度全額を窓口で支払い、後日申請して払い戻しを受ける方法です。書類の提出先は、加入している健康保険組合・協会けんぽ・国民健康保険の窓口です。
計算例①:出産費用が52万円だった場合
令和6年度(2024年度)の全国平均の出産費用は約52万円(厚生労働省保険局「医療保険制度における出産に対する支援の強化について」)です。直接支払制度を利用した場合の実際の負担額を計算してみましょう。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 出産費用(全国平均) | 約520,000円 |
| 出産育児一時金(支給額) | 500,000円 |
| 自己負担額(差額) | 約20,000円 |
直接支払制度を利用することで、窓口での支払いは約2万円程度に抑えられます。
計算例②:東京都で出産した場合
地域によって出産費用には大きな差があります。令和6年度(2024年度)の都道府県別平均では、東京都が648,309円と最も高く、最も低い熊本県の404,411円とは約24万円の差があります(厚生労働省保険局「医療保険制度における出産に対する支援の強化について」)。
| 項目 | 東京都の場合 | 熊本県の場合 |
|---|---|---|
| 出産費用(平均) | 648,309円 | 404,411円 |
| 出産育児一時金 | 500,000円 | 500,000円 |
| 自己負担額(差額) | 約148,309円 | 0円(差額受取あり) |
東京都で出産する場合、出産育児一時金だけでは約14万8,000円の自己負担が生じる計算になります。一方、熊本県の場合は出産費用が50万円を下回るため、差額を受け取ることができます。このような地域差を踏まえて、出産費用の準備をしておくことが大切です。
出産費用の平均や制度の全体像についても、あわせて確認しておくと役立ちます。
出産手当金との違いも押さえておこう
出産育児一時金と混同されやすいのが「出産手当金」です。出産手当金は、健康保険の被保険者(主に会社員・公務員)が出産のために仕事を休んだ期間の収入を補填する給付です。国民健康保険の加入者や、被扶養者(家族)は原則として対象外となります。
出産育児一時金は出産した全ての被保険者・被扶養者が対象なのに対し、出産手当金は健康保険に加入している本人のみが対象という点が大きな違いです。育児一時金の申請と出産手当金の申請は別々に行う必要がありますので、どちらの給付も忘れずに手続きしましょう。
出産費用の自己負担を軽減するために備えておきたいこと
出産育児一時金で出産費用の多くをカバーできますが、地域や施設によっては自己負担が大きくなることもあります。また、帝王切開などの場合は健康保険が適用されるものの、別途費用が発生することもあります。
出産前から計画的に貯蓄しておくことが、自己負担の軽減につながります。共働き夫婦の貯金・家計管理の方法を参考にしながら、夫婦で一緒に準備を進めるのもよいでしょう。
Habittoの貯蓄口座は、条件なしで年利0.7%(税引後0.557%)の金利がつく普通預金です。たとえば50万円を預けた場合、1年間で税引後約2,390円の利息を受け取ることができます。出産費用の準備資金を着実に育てたい方にとって、選択肢の一つです。
2028年ごろをめどに出産費用の無償化が進む見通し
出産費用をめぐる制度は、今後大きく変わる可能性があります。2026年4月28日、出産費用を無償化するための健康保険法等の改正案が衆議院本会議で可決・通過しました(沖縄タイムス〈共同通信配信〉「出産、保険適用で無償化へ 医療改革法案が衆院通過」2026年4月28日)。
改正案では、正常分娩に全国一律の単価を設け、全額を公的医療保険で賄う新たな制度を創設する内容が盛り込まれています。準備ができた医療機関から順次移行し、2028年6月ごろまでに開始する予定です。
一方、帝王切開などの出産は従来通り保険適用のうえで原則3割の自己負担が生じます。また、お祝い膳などの付加サービスは無償化の対象外となります。一律単価の水準や詳細は今後の検討次第ですが、制度の動向を引き続き注視しておきましょう。
よくある質問
Q. 直接支払制度と受取代理制度、どちらを選べばいい?
ほとんどの医療機関では直接支払制度を利用できます。まずは出産予定の施設に確認しましょう。小規模な診療所などでは受取代理制度を利用するケースもあります。どちらも窓口での大きな立替払いを避けられる点では共通しています。
Q. 出産育児一時金は税金がかかる?
出産育児一時金は非課税です。所得税・住民税の対象にはなりません。
Q. 双子の場合は?
双子など多胎の場合は、子ども1人につき50万円が支給されます。双子であれば合計100万円が給付の対象となります。
Q. 申請書類は何が必要?
申請に必要な書類は加入する保険者によって異なりますが、一般的には出産育児一時金支給申請書・健康保険証・出産した医療機関が発行した明細書・直接支払制度を利用しない旨の記載がある合意書(償還払いの場合)などが必要です。加入している健保・協会けんぽ・国民健康保険の窓口に確認しましょう。
まとめ:制度を利用して出産費用の負担を賢く軽減しよう
出産育児一時金は、公的医療保険に加入していれば被保険者・被扶養者を問わず利用できる心強い制度です。支給額は原則50万円で、直接支払制度・受取代理制度・償還払いの3つの方法から選べます。
ただし、地域や施設によっては自己負担が生じることも少なくありません。出産前から計画的に備えておくことで、いざというときの負担を軽減できます。夫婦共同口座の作り方を参考に、出産・育児費用の管理を夫婦で一緒に始めてみるのもおすすめです。
制度の申請期限(出産日の翌日から2年以内)を過ぎると給付を受けられなくなりますので、早めの手続きを心がけましょう。
出産費用の準備を始めたい方や、育児一時金の支給を待つ間の家計管理が気になる方は、Habittoの貯蓄口座も選択肢の一つです。条件なしで年利0.7%の金利がつき、口座開設は最短8分、スマホだけで完結できます。
お金のことで迷ったら、Habittoのアドバイザー相談も気軽にご利用ください。国家資格を持つファイナンシャルプランナーに無料で何度でも、チャットまたはオンラインセッションで相談できます。無理な勧誘は一切ありませんので、気軽に活用してみてください。
※0.7%(税引後0.557%)の金利は預金額100万円まで適用、100万円を超える預金については0.3%(税引後0.239%)の金利が適用されます。表示されている金利は年利です。他の商品・サービスの購入や給振口座指定などの条件を伴わない普通預金として。金利は変動する場合があります。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。具体的なご判断はご自身の責任で行ってください。
参考・出典
- 厚生労働省「出産育児一時金等について」(2025年確認)
- 厚生労働省保険局「医療保険制度における出産に対する支援の強化について」(第201回社会保障審議会医療保険部会 資料1、令和7年10月23日)
- 沖縄タイムス(共同通信配信)「出産、保険適用で無償化へ 医療改革法案が衆院通過」(2026年4月28日)
- WEB労政時報「出産無償化に保険新枠組み 厚労省調整、法改正へ」(2025年11月20日)
- 日本経済新聞「出産費用を無償に、26年度までに具体策 厚労省検討会」(2025年5月14日)
HABITTOを選ぶ3つの理由
貯める・増やす・相談する。
すべて、条件なしで。
高金利の貯蓄口座、キャッシュバックのデビットカード、国家資格FPへの無料相談。 Habittoひとつで、お金に関することがシンプルになります。
0.7%
年利
預け入れだけ
0.8%
キャッシュバック
デビットカード
無料
FP相談
国家資格・押しつけなし
※0.7%(税引後0.557%)の金利は預金額100万円まで適用。 100万円超は0.3%(税引後0.239%)。金利は変動する場合があります。