定年後の収入はどうなる?再雇用・年金・給付金の仕組みを解説
定年後の収入はどうなる?60歳以降の再雇用・年金・給付金の仕組みを解説
「定年後の収入が、現役時代と比べてどれくらい変わるのか」という不安は、多くの方が持っています。給与が下がる、年金はいつから受け取れるのか、使える制度はあるのか——定年前に把握しておくべき情報は意外と多くあります。
この記事では、60歳以降の収入に関わる主な制度の仕組みと、老後の生活資金を整えるうえで知っておきたいポイントを解説します。
この記事のアドバイザー
記事監修アドバイザー認定済み田口 秀一(タグチ シュウイチ)外資系金融機関で10年以上の経験を通し、主に「投資初心者」向けに、「賢い家計の見直し術」から「ゼロからの投資の始め方」などのオーダーメードでサポートをしてきました。何事も興味を持ったタイミングが始め時です。不安もあるかもしれませんが、この機会に一緒に最初の一歩を踏み出しましょう!得意分野: 資産運用・生命保険
定年後の収入:主な3つの柱
60歳以降の収入は、大きく次の3つから成り立ちます。
再雇用・継続雇用による給与収入
公的年金(老齢厚生年金・老齢基礎年金)
各種給付金・制度の活用
これらの組み合わせ方や金額は、働き方・受け取り開始時期・加入年数によって人それぞれ異なります。
再雇用制度と継続雇用の仕組み
高年齢者雇用安定法による雇用確保義務
高年齢者雇用安定法(高齢法)により、企業には65歳までの雇用確保が義務づけられています。具体的には次のいずれかの対応が求められます。
65歳までの定年延長
65歳までの継続雇用制度(再雇用制度など)の導入
定年制の廃止
多くの企業が「再雇用制度」を採用しており、定年退職後に同じ会社との間で新たな雇用契約を結ぶかたちで働き続けるケースが一般的です。
さらに、2021年4月からは70歳までの就業機会確保が企業の努力義務として加わりました。義務ではなく努力義務ですが、再就職支援・業務委託・社会貢献活動への参加機会提供なども含む幅広い選択肢が想定されています。
再雇用後の給与はどうなるか
再雇用後の給与は、現役時代と比較して下がることが多いのが実態です。職種・役職・勤務時間・会社の方針によって異なりますが、フルタイム勤務であっても現役時代の5〜7割程度になるケースは珍しくありません。
給与が下がる主な理由は、再雇用後の雇用形態が嘱託社員や契約社員となることが多く、役職が変わることで職務範囲と処遇が見直されるためです。
再雇用後も厚生年金・健康保険・雇用保険への加入は続くことが多く、その場合は社会保険料も引き続き給与から天引きされます。
公的年金の仕組みと受け取り開始時期
受け取り開始年齢と繰り下げ
老齢厚生年金・老齢基礎年金は、原則として65歳から受け取ることができます。ただし、受け取り開始時期を変更する選択肢があります。
繰り上げ受給(60〜64歳から受け取る):早く受け取れますが、受取額が生涯にわたって減額されます。
繰り下げ受給(66〜75歳まで受け取りを遅らせる):受け取り開始を遅らせるほど、受取額が増額されます。
どちらが有利かは健康状態・生活費・他の収入状況によって変わります。「早く受け取るべきか、遅らせるべきか」は個人のライフプランに応じて判断する必要があります。
在職老齢年金制度(60歳以降も働きながら年金を受け取る場合)
60歳以降も働きながら年金を受け取る場合、給与(標準報酬月額)と年金の合計額が一定額を超えると、年金の一部または全部が支給停止になる制度が「在職老齢年金」です。
支給停止が始まる基準額は法改正によって変わることがあります。現在の基準額・計算方法は日本年金機構のウェブサイトで確認してください。
働きながら年金を受け取る場合は、給与と年金のバランスを意識した働き方の調整が重要になることがあります。
高年齢雇用継続給付金:給与が下がった場合の補助制度
再雇用などで60歳以降の給与が60歳時点と比べて大きく下がった場合、雇用保険から「高年齢雇用継続基本給付金」が支給される場合があります。
対象となる条件
60歳以上65歳未満の雇用保険被保険者であること
雇用保険の被保険者期間が通算して5年以上あること
60歳到達時の賃金と比較して、給与が一定割合以下に下がっていること
支給額・支給割合は60歳時の賃金との比較によって決まります。また、2025年4月からは支給率が見直されています。詳細な計算方法・支給率はハローワークまたは厚生労働省のウェブサイトで確認してください。
申請方法
手続きは勤務先(会社)が行うケースがほとんどです。対象になりうる方は、人事・総務担当者に確認しましょう。
定年後の生活費と必要な資金の考え方
生活費の実態
老後の生活費は、住居の状況(持ち家か賃貸か)・家族構成・健康状態・生活スタイルによって大きく異なります。収入の減少に合わせて、支出の見直しも合わせて行うことが重要です。
特に定年後は、現役時代には会社が負担していた社会保険料の一部が自己負担になるケースがあります(たとえば退職後に国民健康保険に加入する場合)。医療費の自己負担割合も年齢や収入によって変わるため、あらかじめ確認しておくことが大切です。
退職金の置き場を考える
退職金を受け取った際、その使い道と保管方法を考えることは重要です。すぐに使う予定がない資金は、普通預金よりも金利の高い口座に置いておくだけで、利息が着実に積み上がります。
たとえばHabittoの貯蓄口座は、条件なしで年利0.6%(税引後0.478%)の金利が100万円まで適用されます。退職金をそのままメガバンクの普通預金に置いておくよりも、利息の積み重ねが変わります。口座開設はスマホから最短8分で完結します。
定年前に準備しておくべきこと
年金の受け取り見込み額を確認する
自分が将来受け取れる年金の見込み額は、「ねんきんネット」または毎年届く「ねんきん定期便」で確認できます。繰り上げ・繰り下げを検討する場合も、まずは自分の加入状況を確認するところから始めましょう。
60歳時点の給与を記録しておく
高年齢雇用継続給付金の支給額は、60歳時点の賃金が基準になります。60歳到達前後に給与明細や源泉徴収票を手元に保管しておくと、後の手続きで役に立ちます。
住居・生活費・医療費の見通しを立てる
定年後の収入が確定する前に、月々の生活費・住居費・医療費などの支出の見通しを立てておくことが重要です。収入と支出のギャップがどれくらいあるかをざっくりでも把握しておくと、必要な資金の準備量が見えてきます。
定年後の収入パターンまとめ
| 収入の種類 | 開始時期 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 再雇用給与 | 定年退職翌日〜 | 現役時代より下がることが多い |
| 高年齢雇用継続給付金 | 60〜65歳(条件あり) | 給与が一定割合以上下がった場合に支給 |
| 老齢年金(原則) | 65歳〜 | 繰り上げ・繰り下げで受取額が変わる |
| 退職金 | 定年退職時(一括または年金) | 置き場・運用方法の検討が必要 |
定年後の収入は、制度の組み合わせと働き方の選択によって大きく変わります。「自分は再雇用を続けるか」「年金をいつから受け取るか」「退職金をどう活用するか」は、一人ひとりの状況によって最適解が異なります。
こうした判断を整理したい方には、Habittoのアドバイザーサービスをご活用ください。国家資格を持つファイナンシャルプランナーに、チャットまたはオンラインセッションで無料相談できます。老後の収入・生活費・資金計画について、一緒に考えます。無理な勧誘は一切ありません。
※0.6%(税引後0.478%)の金利は預金額100万円まで適用、100万円を超える預金については0.3%(税引後0.239%)の金利が適用されます。表示されている金利は年利です。他の商品・サービスの購入や給振口座指定などの条件を伴わない普通預金として。金利は変動する場合があります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融・税務・社会保険アドバイスではありません。各制度の詳細・最新情報は、日本年金機構・ハローワーク・厚生労働省の公式ウェブサイトにてご確認ください。