投資信託と株式投資の違いは?リスク・コスト・選び方を比較解説
投資信託と株式投資の違いは?仕組み・リスク・コストを比較してわかりやすく解説
「投資信託と株式投資って何が違うの?」「初心者はどちらから始めればいい?」
資産運用を始めようと思ったとき、まず候補に上がるのがこの2つです。どちらも代表的な金融商品ですが、仕組みやリスク、かかるコストが異なります。自分に合った方を選ぶには、それぞれの特徴をきちんと理解しておくことが大切です。
この記事では、投資信託と株式投資の違いを比較表つきで解説します。リターンやリスク、手数料等の違いから、初心者の方がどちらを選ぶべきかの判断材料まで紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事のアドバイザー
記事監修アドバイザー認定済み田口 秀一(タグチ シュウイチ)外資系金融機関で10年以上の経験を通し、主に「投資初心者」向けに、「賢い家計の見直し術」から「ゼロからの投資の始め方」などのオーダーメードでサポートをしてきました。何事も興味を持ったタイミングが始め時です。不安もあるかもしれませんが、この機会に一緒に最初の一歩を踏み出しましょう!得意分野: 資産運用・生命保険
投資信託とは?仕組みをやさしく解説
投資信託とは、多くの投資家から集めた資金を一つにまとめて、運用のプロ(ファンドマネージャー)が株式や債券などに分散投資する金融商品です。「プロにお任せできる詰め合わせパック」のようなイメージです。
投資信託の仕組みは、大きく3つの会社が関わっています。商品を設計・運用する「運用会社」、投資家にファンドを販売する「販売会社(銀行や証券会社)」、そして投資家の資産を管理する「信託銀行」です。この3社がそれぞれの役割を担うことで、投資家の資産が守られる仕組みになっています。
投資信託で得られる利益は主に2つあります。
売却益(キャピタルゲイン): ファンドの基準価額が購入時より値上がりしたタイミングで売却すると、その差額が利益になります。基準価額はファンドの1口あたりの価格を示しており、毎営業日に計算されます。
分配金(インカムゲイン): 運用で得た利益の一部を、保有口数に応じて投資家に還元するお金です。分配金がないタイプのファンドもあり、その場合は利益が再投資されて基準価額の上昇につながります。
投資信託の種類は豊富で、株式に投資するもの、債券に投資するもの、不動産(REIT)に投資するもの、複数の資産を組み合わせたバランス型など、さまざまなタイプがあります。保険商品と異なり、元本保証はありませんが、長期運用によるリターンが期待できる金融商品です。
株式投資とは?仕組みをやさしく解説
株式投資とは、企業が発行する株式を購入し、その企業のオーナー(株主)になることです。企業の成長や業績に応じてリターンを得られる可能性がある一方、業績が悪化すれば株価が下がり損失が出るリスクもあります。
株式は証券会社を通じて証券取引所で売買します。日本の場合、東京証券取引所(東証)が中心で、プライム市場・スタンダード市場・グロース市場の3つの市場に分かれています。
株式投資で得られる利益は主に3つです。
売却益(キャピタルゲイン): 購入した株を、株価が上がったタイミングで売却して得る利益です。株式投資の主な収益源になります。
配当金(インカムゲイン): 企業が得た利益の一部を、株主に還元するお金です。年に1〜2回、保有株数に応じて受け取れます。配当金の有無や金額は企業の方針や業績によって異なります。
株主優待: 一部の日本企業では、株主に対して自社製品や商品券、割引券などの優待を提供しています。
株式の購入は通常100株単位(1単元)が基本です。銘柄によって株価は異なり、1株500円の企業なら最低購入金額は5万円、1株3,000円なら30万円が必要です。最近はミニ株(単元未満株)を取り扱う証券会社も増えており、1株から購入可能なケースもあります。
投資信託と株式投資の違いを比較
投資信託と株式投資は、運用方法・リスク・コスト・必要な資金など、さまざまな点で異なります。以下の比較表で主な違いを整理しました。
| 比較項目 | 投資信託 | 株式投資 |
|---|---|---|
| **運用する人** | プロ(ファンドマネージャー) | 自分自身 |
| **投資対象** | 株式・債券・不動産など複数 | 個別企業の株式 |
| **最低投資金額** | 100円〜(金融機関による) | 数万円〜数十万円(銘柄による) |
| **分散投資** | 1商品で自動的に分散 | 自分で複数銘柄を選ぶ必要あり |
| **売買のタイミング** | 1日1回(基準価額で取引) | 取引時間中リアルタイムで可能 |
| **主なコスト** | 購入時手数料・信託報酬・信託財産留保額 | 売買手数料 |
| **得られる利益** | 売却益・分配金 | 売却益・配当金・株主優待 |
| **NISA対応** | つみたて投資枠・成長投資枠 | 成長投資枠 |
| **情報収集の手間** | 比較的少ない | 企業分析や市場動向の把握が必要 |
この比較表からわかるように、投資信託と株式投資にはそれぞれ異なる特徴があります。ここからは、特に重要な違いをもう少し詳しく見ていきましょう。
違い①:運用をプロに任せるか、自分で行うか
投資信託と株式投資の最も大きな違いは、誰が運用するかという点です。
投資信託では、ファンドマネージャーが投資先の選定や売買のタイミングを判断します。投資家は数あるファンドの中から自分の方針に合ったものを選び、購入するだけです。日々の相場をチェックする必要がなく、仕事や家事で忙しい方でも運用を続けやすい仕組みです。
株式投資では、どの企業の株を買うか、いつ購入していつ売却するか、すべて自分で判断します。企業の決算書を読んだり、業界の動向を調べたり、株価チャートを分析したりと、ある程度の知識と情報収集の時間が必要です。海外株式を扱う場合は為替の変動にも注意が求められます。
投資に使える時間が限られている方や、銘柄選びに自信がない方は投資信託が向いています。自分で企業を分析して投資先を決めたい方、相場の動きを見ながら売買したい方は株式投資が合うでしょう。
違い②:リスクの大きさと分散投資のしやすさ
リスクの大きさも、投資信託と株式投資で異なります。
投資信託は、1つの商品を購入するだけで複数の銘柄に分散投資できます。たとえば「全世界株式型」の投資信託なら、1本で世界中の数千銘柄に投資しているため、特定の企業や国の影響を受けにくい構造です。分散投資の効果により、値動きが比較的穏やかになる傾向があります。
株式投資で同じような分散効果を得ようとすると、自分で複数の銘柄を選んで購入する必要があり、それだけ多くの資金も必要です。1つの銘柄に集中投資した場合、その企業の業績悪化や不祥事で株価が大きく下がるリスクがあります。
ただし、リスクが大きいということは、リターンも大きくなる可能性があるということです。個別の株式が短期間で2倍、3倍になることもありますが、投資信託でそこまで急激に値上がりすることはほとんどありません。
| リスクの種類 | 投資信託 | 株式投資 |
|---|---|---|
| 価格変動リスク | 分散効果で比較的抑えられる | 銘柄によって大きく異なる |
| 為替リスク | 海外資産を含む場合あり | 海外株式の場合あり |
| 信用リスク | 分散されているため限定的 | 1社への集中度が高い |
| 流動性リスク | 1日1回の取引(解約制限のある商品も) | 取引時間中はリアルタイムで売買可能 |
違い③:コスト(手数料等)の違い
投資信託と株式投資では、かかるコストの種類が異なります。長期で運用する場合、コストの違いがリターンに大きく影響するため、しっかり確認しておきましょう。
投資信託のコスト
購入時手数料: ファンドを購入する際にかかる手数料です。最近は購入時手数料が無料の「ノーロードファンド」も多く、特にインデックス型の投資信託では無料が一般的になっています。
信託報酬: ファンドを保有している期間中、毎日差し引かれる運用管理費用です。年率で表示され、たとえば信託報酬0.1%のファンドを100万円分保有していると、年間約1,000円が差し引かれます。インデックス型は年0.05%〜0.2%程度、アクティブ型は年1.0%〜2.0%程度が目安です。
信託財産留保額: ファンドを売却(解約)する際にかかる費用です。設定されていないファンドも多くあります。
株式投資のコスト
売買手数料: 株式を購入・売却するたびにかかる手数料です。ネット証券では無料〜数百円程度のところが多くなっています。証券会社によってはNISA口座での国内株取引の手数料を無料にしているケースもあります。
株式投資には信託報酬のような保有期間中のコストがかかりません。頻繁に売買しなければ、長期保有時のコストは投資信託よりも低くなる場合があります。一方、投資信託は運用をプロに任せるかわりに信託報酬が継続的にかかります。
コストを抑えたい場合は、信託報酬の低いインデックス型投資信託を選ぶか、長期保有を前提とした株式投資を選ぶのがポイントです。
違い④:必要な資金と少額投資のしやすさ
投資を始める際に必要な資金も大きく異なります。
投資信託は金融機関によっては100円から購入可能です。毎月一定額を自動で購入する積立投資の設定もでき、月々1,000円や5,000円といった少額からコツコツ始められます。まとまった資金がなくても資産運用をスタートできるのは、投資信託の大きなメリットです。
株式投資は、基本的に100株単位での購入です。株価が1,000円の銘柄なら10万円、5,000円なら50万円の資金が必要です。ミニ株(単元未満株)なら1株から購入できますが、取り扱い銘柄や証券会社が限られます。また、分散投資をするために複数銘柄を購入しようとすると、さらに多くの資金が必要になります。
「まずは少額から投資を始めてみたい」という初心者の方には、投資信託の方がハードルが低いです。
違い⑤:NISAでの取り扱い
NISA(少額投資非課税制度)を利用する場合、投資信託と株式投資では使える投資枠が異なります。
NISAには「つみたて投資枠(年間120万円)」と「成長投資枠(年間240万円)」の2つがあり、併用が可能です。
投資信託 は、つみたて投資枠と成長投資枠の両方で購入できます。つみたて投資枠の対象商品は金融庁が認めた長期・積立投資向けの投資信託に限定されており、初心者にも選びやすい設計です。
株式 は、成長投資枠でのみ購入可能です。つみたて投資枠では個別株を買うことはできません。
NISAで毎月コツコツ積立投資をしたい場合は、投資信託を選ぶことになります。配当金や株主優待を非課税で受け取りたい場合は、成長投資枠で株式を購入するのも一つの方法です。
初心者はどちらを選ぶべき?タイプ別の選び方
投資信託と株式投資は、どちらが優れているということではありません。自分の投資スタイルや目的に合った方を選ぶのが大切です。
投資信託が向いている方
・投資にあまり時間をかけられない方
・少額からコツコツ始めたい方
・銘柄選びの知識や経験がまだ少ない初心者の方
・分散投資でリスクを抑えたい方
・NISAのつみたて投資枠を活用したい方
・毎月の積立設定で自動的に運用したい方
株式投資が向いている方
・自分で企業を分析して投資先を選びたい方
・相場の動きを見ながらリアルタイムで売買したい方
・配当金や株主優待に魅力を感じる方
・ある程度まとまった投資資金がある方
・短期間で大きなリターンを狙いたい方
両方を組み合わせるのもおすすめ
実は、投資信託と株式投資は併用できます。たとえば「毎月の積立は投資信託で安定的に資産形成しつつ、余裕資金で気になる企業の株式を購入する」という組み合わせも可能です。
NISAでも、つみたて投資枠で投資信託を積み立てながら、成長投資枠で個別株に投資するという使い方ができます。最初は投資信託から始めて、慣れてきたら株式投資にもチャレンジするという段階的なアプローチも初心者にはおすすめです。
よくある質問
Q. 投資信託と株式投資、どちらが儲かる?
一概にどちらが儲かるとはいえません。短期間で大きなリターンを狙える可能性があるのは株式投資です。個別の株価が1年で2倍になることもあります。一方で投資信託は、長期にわたって安定的にリターンを積み上げていく性質があります。たとえば全世界株式のインデックスファンドは、過去20年の年平均リターンが5〜7%程度で推移してきました(将来の運用成果を保証するものではありません)。
Q. 投資信託の信託報酬はどれくらいが目安?
インデックス型投資信託であれば、信託報酬は年0.1%前後が現在の水準です。人気のあるeMAXIS Slimシリーズなどは年0.05%台のものもあります。アクティブ型は年1.0%以上が一般的です。長期運用では信託報酬の差がリターンに大きく影響するため、同じ運用方針のファンドならコストの低い方を選ぶのがポイントです。
Q. 投資を始める前に何を準備すればいい?
投資信託でも株式投資でも、まず証券会社や銀行で口座を開設する必要があります。本人確認書類とマイナンバーカードがあれば、インターネットから申し込みが可能です。口座開設と同時にNISA口座も申し込んでおくと、投資で得た利益に税金がかからないのでおトクです。各証券会社の公式サイトでは口座開設の手順を動画で解説しているケースも多いので、参考にしてみてください。
投資信託と株式投資はそれぞれ異なる特徴を持つ金融商品です。投資信託はプロに運用を任せて少額から分散投資ができ、株式投資は自分で銘柄を選んで配当金や株主優待を得られます。大切なのは、自分の目的やライフスタイルに合った方法を選ぶことです。
「投資信託と株式投資、自分にはどちらが合うんだろう?」と迷ったときは、お金のプロに相談してみるのも一つの方法です。Habittoでは国家資格を持つファイナンシャルプランナーに無料で何度でも相談できます。チャットやオンラインセッションで気軽に聞けるので、あなたに合った資産運用の始め方を一緒に考えてもらえます。無理な勧誘は一切ありません。
※投資にはリスクが伴います。詳細は各商品の説明書をご確認ください。 ※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。具体的なご判断はご自身の責任で行ってください。