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実質賃金とは?名目賃金・物価との関係をわかりやすく解説【2026年版】

実質賃金とは?名目賃金との違いや物価との関係をわかりやすく解説【2026年版】

「給料は上がったはずなのに、なぜか生活が楽にならない…」そう感じている方は少なくないのではないでしょうか。

厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、2026年4月の名目賃金(現金給与総額)は1人当たり312,425円で前年同月比3.5%増と、34年ぶりの高水準の伸びを記録しています。一方で、物価の変動を加味した実質賃金は同1.9%増と、数字の見え方が異なります。

この記事では、実質賃金と名目賃金の違い、物価指数との関係、そして賃上げが続く今、自分のお金をどう守り育てるかを、わかりやすく解説します。


この記事のアドバイザー

記事監修アドバイザー認定済み

田口 秀一タグチ シュウイチ外資系金融機関で10年以上の経験を通し、主に「投資初心者」向けに、「賢い家計の見直し術」から「ゼロからの投資の始め方」などのオーダーメードでサポートをしてきました。何事も興味を持ったタイミングが始め時です。不安もあるかもしれませんが、この機会に一緒に最初の一歩を踏み出しましょう!得意分野: 資産運用・生命保険


実質賃金と名目賃金の違いをわかりやすく解説

名目賃金とは

名目賃金とは、給与明細に書かれている金額そのもの、つまり額面上の給与のことです。残業代やボーナスを含む現金給与総額がこれにあたります。厚生労働省の毎月勤労統計調査で毎月公表されるデータの一つで、景気や賃上げの動向を測る重要な指標です。

実質賃金とは

実質賃金とは、名目賃金を物価の変動で調整した数値です。簡単に言えば、「その給料で実際にどれだけのものが買えるか」という購買力を示します。物価が上がれば、名目賃金が同じでも実質賃金は低下し、生活は苦しくなります。逆に物価が下がれば、名目賃金が変わらなくても実質賃金は増加します。

算出方法

実質賃金は、名目賃金を消費者物価指数(CPI)で割ることで算出します。厚生労働省は2025年3月分から、算出に使う物価指数を「持家の帰属家賃を除く総合」から「総合指数」に切り替える新方式も導入しています。


2026年の実質賃金の動向:4カ月連続プラスの背景

最新データが示すトレンド

厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、2026年4月の実質賃金は前年同月比1.9%増となり、4カ月連続のプラスとなりました。3月も同1.0%増と3カ月連続プラスを記録しており、近年のニュースでは「賃上げが物価上昇を上回り始めた」という文脈で報じられています。

プラス継続を支えた要因

日本経済新聞の分析によると、今回のプラス継続を支えた主な要因はエネルギー価格の低下です。2026年4月の消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)の上昇率は1.5%にとどまりました。エネルギー価格が前年同月比3.9%下落し、なかでもガソリンは政府補助と旧暫定税率廃止の効果で9.7%低下したことが大きく影響しています。

名目賃金の力強い伸び

名目賃金の面では、2026年4月の現金給与総額が前年同月比3.5%増と、3カ月連続で3%以上の伸びを記録。これは1992年3月以来、34年1カ月ぶりのことです。所定内給与(基本給相当)も277,916円で前年同月比3.4%増と、春季労使交渉による賃上げや最低賃金の引き上げが着実に波及している結果といえます。


実質賃金がマイナスになるとどうなる?

購買力が下がるということ

実質賃金がマイナスになると、給与の額面は増えていても、物価上昇のスピードがそれを上回っているため、実際に買えるものの量が減ります。食料品や光熱費など日常的な支出が増える一方、可処分所得の実感は乏しくなります。これが「給料は上がったはずなのに生活が苦しい」という状況の正体です。

経済全体への影響

実質賃金の低下が続くと、家計の消費が抑制され、企業の売上や投資にも影響が波及します。日本経済全体の回復力を測るうえで、実質賃金の動向は極めて重要な指標です。労働者一人ひとりの購買力が、市場全体の活力にもつながっているのです。


雇用環境と実質賃金の関係

労働政策研究・研修機構(JILPT)の主要労働統計指標によると、2026年4月の完全失業率は2.5%、有効求人倍率は1.18倍で、雇用者数は前年同月差68万人増となっています。雇用が安定している傾向は、賃上げ交渉の後押しにもなります。企業が人材を確保するために給与水準を引き上げるサービス・製造業での賃上げが広がり、名目賃金の増加につながっています。


実質賃金プラスは続くのか?リスクと注意点

先行きの不確実性

第一生命経済研究所の分析によると、実質賃金がプラス圏を維持できるかは、円安・資源高を背景としたエネルギー以外の値上がりの広がりや、政府のガソリン・電気ガス代補助金の運営方針に大きく左右されるとしています。補助金が縮小・終了すれば物価上昇率が高まり、実質賃金がマイナスに転じるリスクもあります。

物価高の傾向は続く可能性

食料品や外食など、エネルギー以外の価格も上昇傾向が続いています。名目賃金の伸びが続いたとしても、物価高が加速すれば実質賃金の増加幅は縮小します。ニュースのデータを追うだけでなく、自分の家計への影響を具体的に考えることが大切です。


計算例で理解する実質賃金の変化

例①:物価上昇が賃上げを上回る場合

- 昨年の名目賃金:月30万円

- 今年の名目賃金:月31万円(3.3%増)

- 消費者物価指数の上昇率:5%

実質賃金の変化率 ≈ 3.3% − 5% = −1.7%

この場合、給与は増えていますが、物価上昇率の方が高いため、購買力は約1.7%低下します。手取りが増えても、実際に買えるものは減るという状況です。

例②:2026年4月の実際のケース

- 名目賃金の伸び:前年同月比3.5%増

- 消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)の上昇率:1.5%

実質賃金の変化率 ≈ 3.5% − 1.5% = 約2.0%増(実際の公表値は1.9%増)

エネルギー価格の低下が物価上昇を抑えたことで、名目賃金の伸びが実質的な購買力増加につながった年度の好例です。


賃上げ時代に家計をどう守るか

賃金が増えても「置き場所」で差が出る

実質賃金がプラスになり、手元のお金が少し増えても、そのお金をどこに置くかで資産の増え方は大きく変わります。たとえば、メガバンクの普通預金の金利は年0.3%です。100万円を1年預けると、税引後の利息は約2,392円です(100万円×0.3%×(1−20.315%)≒2,392円)。

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物価上昇に負けない資産の考え方

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よくある質問

Q. 実質賃金と名目賃金、どちらを見ればいい?

生活の豊かさを測るには実質賃金が重要です。名目賃金が増えていても、物価上昇率がそれを上回れば、実際の購買力は低下しています。家計への影響を考えるときは、実質賃金の動向を確認する習慣をつけましょう。

Q. 実質賃金がプラスでも生活が苦しいのはなぜ?

実質賃金は平均的な数値です。食費や家賃など、自分の支出構造が平均的な物価指数と異なる場合、個人の体感と統計の乖離が生じることがあります。また、税や社会保険料の負担増が手取りを圧迫するケースもあります。

Q. 賃上げの恩恵を受けていない気がするのですが

業種や企業規模によって賃上げの幅は異なります。統計上の平均値が上がっていても、自分の給与が変わらない場合は、まず家計の収支を把握することから始めましょう。家計簿のつけ方を初心者向けに解説【2026年版】節約につながるコツと始め方が参考になります。


まとめ:実質賃金のプラスを「自分のお金」に活かす

実質賃金がプラスになったというニュースは、日本経済にとって明るい傾向を示しています。しかし、その恩恵を実感するには、増えたお金をどこに置き、どう動かすかという個人レベルの行動が欠かせません。

物価変動の影響を受けにくい家計を作るために、まずできることは、手元の現金を少しでも金利の高い口座に移すことです。そして、貯蓄・投資・保険のバランスを自分のライフステージに合わせて整えることが、長期的な資産防衛につながります。

賃上げの波を「自分のお金の成長」に変えていくために、今日から一歩踏み出してみましょう。

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※Habittoでは、2026年7月1日より普通預金金利を年利0.7%(税引後0.557%、100万円まで)に引き上げます。

※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。具体的なご判断はご自身の責任で行ってください。

※投資にはリスクが伴います。投資に関する最終的な判断はご自身の責任で行ってください。


参考・出典

- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年4月分結果速報」

- 日本経済新聞「4月実質賃金1.9%増、4カ月連続プラス 政府補助でエネ価格抑制」(2026年6月5日)

- 労働政策研究・研修機構(JILPT)「主要労働統計指標(2026年5月29日発行)」

- 第一生命経済研究所「実質賃金はプラス圏に浮上(2026年2月毎月勤労統計)」

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