住宅ローン借り換えのメリット・注意点とシミュレーション【2026年版】
住宅ローン借り換えのメリット・注意点とシミュレーション【2026年版】
「金利が上がってきたけど、今の住宅ローンのままでいいのかな?」
そう感じている方は、2026年現在、決して少なくありません。住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査結果(2026年1月調査)」によると、今後1年間の住宅ローン金利が「現状よりも上昇する」と回答した割合は73.7%にのぼります。金利環境が変化するなか、住宅ローンの借り換えを検討する方が増えています。
この記事では、住宅ローン借り換えのメリットと注意点、具体的なシミュレーション、手続きの流れをわかりやすく解説します。
この記事のアドバイザー
住宅ローンの借り換えとは?基本をおさえよう
住宅ローンの借り換えとは、現在返済中の住宅ローンを別の金融機関の住宅ローン商品に切り替えることです。新しい借入先で新たにローンを契約し、その資金で既存のローンを一括返済する仕組みです。
借り換えの主な目的は、金利を下げることで毎月の返済額や総返済額を減らすことです。また、変動金利から固定金利へ切り替えるなど、金利タイプを変更することも借り換えの動機になります。
国土交通省「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」(2026年3月27日公表)によると、新規貸出における変動金利型の割合は83.5%と依然として高い水準にあります。金利上昇局面では、変動金利型の借入を見直す動きが活発になります。
住宅ローン借り換えのメリット
毎月の返済額を減らせる
借り換えの最大のメリットは、適用金利が下がることで毎月の返済額が軽くなる点です。金利差が大きいほど、返済額の削減効果も大きくなります。
総返済額(利息)を削減できる
毎月の返済額が下がるだけでなく、返済期間全体でみた利息の総額も減ります。特に残高が多く、返済期間がまだ長い段階での借り換えは効果的です。
金利タイプを変更できる
変動金利から固定金利へ、または固定金利から変動金利へと、金利タイプを切り替えることができます。金利上昇が続く局面では、固定金利への借り換えで将来の返済額を確定させたいと考える方も増えています。
団体信用生命保険の保障内容を見直せる
借り換え時には、新たな住宅ローンの団体信用生命保険(団信)に加入し直すことになります。現在より手厚い保障内容の団信を選べる場合があり、保険の見直し機会にもなります。
住宅ローン借り換えのシミュレーション|具体的な試算例
試算例①:変動金利から低金利商品への借り換え
- 残高:2,500万円
- 残りの返済期間:20年
- 現在の金利:年1.5%(変動金利)
- 借り換え後の金利:年0.8%(変動金利)
現在の毎月返済額(概算):約12万1,000円
借り換え後の毎月返済額(概算):約11万4,000円
毎月の差額は約7,000円、20年間の総返済額の差は約168万円になります(諸費用を除く)。
試算例②:変動金利から固定金利への借り換え
- 残高:3,000万円
- 残りの返済期間:25年
- 現在の金利:年0.9%(変動金利)
- 借り換え後の金利:年1.8%(全期間固定金利)
現在の毎月返済額(概算):約11万4,000円
借り換え後の毎月返済額(概算):約12万5,000円
この例では毎月の返済額は増えますが、金利上昇リスクをなくし、将来の返済額を確定できる安心感というメリットがあります。変動金利が今後どの程度上昇するかによって、どちらが有利かが変わります。
シミュレーションはあくまで試算ですので、実際の借入条件に合わせて金融機関に確認することをおすすめします。
借り換えにかかる費用と注意点
諸費用の合計は数十万円になることも
借り換えには、新しい住宅ローンの契約に伴うさまざまな費用がかかります。主な費用は以下のとおりです。
| 費用の種類 | 目安 |
|---|---|
| 融資手数料(事務手数料) | 借入金額の1〜2%程度 |
| 保証料 | 0円〜数十万円(商品による) |
| 登記費用(抵当権抹消・設定) | 数万円〜十数万円 |
| 司法書士報酬 | 数万円 |
| 印紙代 | 数千円〜数万円 |
借入金額が3,000万円の場合、融資手数料だけで30〜60万円程度かかることがあります。諸費用を含めた総コストで比較しないと、借り換えの効果が薄れてしまいます。
「3つの目安」で借り換えを検討する
一般的に、借り換えが効果的とされる目安として以下の3条件がよく挙げられます。
1. 現在の金利と借り換え後の金利の差が1%以上
2. 残りの返済期間が10年以上
3. 残高が1,000万円以上
ただし、これはあくまで目安です。諸費用や団信の条件、サービス内容なども含めて総合的に判断することが大切です。
借り換えの注意点:見落としがちなポイント
審査に通らない場合がある
借り換えは新規の住宅ローン審査と同様のプロセスを経ます。現在の収入や勤務状況、健康状態によっては審査が通らないこともあります。特に団体信用生命保険の審査は、健康状態の変化によって加入できない場合がある点に注意が必要です。
固定金利型は変動金利より先に上昇する傾向がある
住宅金融支援機構の情報によると、全期間固定金利型は変動金利型に先行して金利が上昇する可能性があります。「変動金利が上がったら固定に借り換えればいい」と考えていると、借り換えのタイミングを逃すことがあるため、慎重に検討する必要があります。
現在の住宅ローンの条件を確認する
一部の住宅ローンには繰り上げ返済や借り換えに際して違約金が発生する場合があります。現在の契約内容をあらかじめ確認しておきましょう。
登記手続きが必要になる
借り換えでは、旧ローンの抵当権抹消と新ローンの抵当権設定という2つの登記手続きが必要です。司法書士に依頼するのが一般的で、その費用も総コストに含めて計算しましょう。
金融機関・商品の選び方:SBIなどネット銀行も選択肢
ネット銀行の特徴
SBIネット銀行をはじめとするネット銀行は、店舗を持たない分、コストを抑えた低金利の住宅ローン商品を提供していることが多いです。手続きがオンラインで完結するサービスも増えており、利便性の面でも注目されています。
ただし、対面でのサポートが受けにくい点や、審査基準が銀行によって異なる点は確認が必要です。
都市銀行・地方銀行の特徴
大手銀行や地方銀行は、対面でのサポートが充実しており、複雑な条件の相談にも応じやすい環境があります。キャンペーン金利を設定している場合もあるため、複数の金融機関を比較することが重要です。
フラット35(住宅金融支援機構)の選択肢
住宅金融支援機構が提供するフラット35は、全期間固定金利の住宅ローンです。住宅金融支援機構によると、変動金利型の金利上昇を背景に、フラット35への借り換え申込件数が急増しています。2025年4月から12月までの間のフラット35借換融資の申込件数は前年同期比の約3倍となりました。
銀行金利比較ランキング2026では、各銀行の金利や条件を詳しく比較しています。借り換え先を選ぶ際の参考にしてみてください。
借り換えの手続きの流れ
借り換えの手続きは大きく以下のステップで進みます。
1. 現在の住宅ローンの残高・条件を確認する
2. 複数の金融機関でシミュレーションを行い比較する
3. 借り換え先の金融機関に仮審査を申し込む
4. 仮審査通過後、本審査を申し込む
5. 審査通過後、新しいローンの契約を締結する
6. 新ローンで旧ローンを一括返済する
7. 登記手続きを行う(司法書士が対応)
仮審査から融資実行まで、通常1〜2か月程度かかることが多いです。余裕を持ったスケジュールで進めることをおすすめします。
金利上昇局面での借り換えの考え方
日本銀行は2025年12月の金融政策決定会合で政策金利を0.75%程度に引き上げました。これは名目金利として約30年ぶりの高水準です(日本銀行 総裁記者会見、2026年1月26日)。さらに2026年4月の決定会合では0.75%に据え置きとなりましたが、植田総裁は「データ次第で次回以降の追加利上げを排除しない」姿勢を示しています(日本銀行 総裁記者会見、2026年4月30日)。
変動金利型の住宅ローンを利用している方にとって、金利上昇は毎月の返済額に直接影響します。住宅金融支援機構の調査では、変動金利型住宅ローン利用者の53.5%が金利変動リスクに不安を感じているとのことです。
こうした状況で借り換えを検討する際は、単に現時点の金利だけでなく、今後の金利見通しも踏まえた判断が求められます。公益財団法人日本経済研究センターの「ESPフォーキャスト調査」(2025年8月調査)では、政策金利は2026年12月末までに約1.0%まで上昇するという予測も出ています(住宅金融支援機構掲載)。
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住宅ローンの借り換えは、金額が大きく長期間にわたる意思決定です。シミュレーションや比較だけでは判断しにくい部分も多く、専門家のサポートがあると安心です。
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よくある質問
Q. 借り換えのタイミングはいつが良いですか?
残高が多く、返済期間がまだ長い段階が効果的とされています。金利差が大きいほど節約効果も高まります。ただし、固定金利型は変動金利型に先行して上昇する傾向があるため、「上がってから動く」のでは遅くなることもあります。
Q. 審査に落ちることはありますか?
あります。借り換えは新規の住宅ローン審査と同等のプロセスです。収入・勤務状況・健康状態によっては審査が通らない場合があります。複数の金融機関に仮審査を申し込んで比較するのも一つの方法です。
Q. 諸費用はどのくらいかかりますか?
融資手数料・保証料・登記費用・司法書士報酬などを合わせると、数十万円になることが多いです。借入金額や金融機関の商品によって異なるため、事前にシミュレーションで確認しましょう。
Q. 変動金利から固定金利に借り換えると返済額は増えますか?
現時点では固定金利の方が高い場合が多く、毎月の返済額は増えることが一般的です。ただし、将来の金利上昇リスクをなくせる安心感との兼ね合いで判断することになります。
まとめ:借り換えは「総コスト」で判断する
住宅ローンの借り換えは、金利を下げるだけでなく、金利タイプの変更や団体信用生命保険の見直しなど、複数のメリットがあります。一方で、諸費用・審査・登記手続きなど、見落としがちな注意点も多くあります。
大切なのは、毎月の返済額だけでなく、諸費用を含めた総コストで比較することです。また、現在の金利環境と今後の見通しを踏まえて、変動金利と固定金利のどちらが自分の家計に合っているかを判断することも重要です。
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※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。具体的なご判断はご自身の責任で行ってください。
参考・出典
- 住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査結果(2026年1月調査)」(2026年2月20日公表)
- 住宅金融支援機構「"金利のある世界"でどう変わる?これからの住宅ローン選びを考えよう」(2026年)
- 住宅金融支援機構(イー・ローン掲載の住宅金融支援機構プレスリリース情報)(2026年1月30日発表)
- 住宅金融支援機構(SUUMO掲載の住宅金融支援機構データ)(2026年1月13日)
- 国土交通省「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」報道発表資料(2026年3月27日公表)
- 日本銀行 総裁記者会見(2026年1月26日)
- 日本銀行 総裁記者会見(2026年4月30日)
- 公益財団法人日本経済研究センター「ESPフォーキャスト調査」(2025年8月調査、住宅金融支援機構掲載)
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