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厚生年金の仕組みをわかりやすく解説|国民年金との違い・計算方法【2026年版】

厚生年金の仕組みをわかりやすく解説|国民年金との違い・計算方法【2026年版】

「自分の給与から毎月引かれている厚生年金保険料、実際にどう計算されていて、将来いくら受け取れるんだろう?」

そんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。日本の公的年金制度は「2階建て」構造になっており、厚生年金は会社員や公務員が加入する上乗せ部分として、老後の生活を支える重要な役割を担っています。

この記事では、厚生年金の仕組みや国民年金との違い、保険料の計算方法、将来の年金額の目安まで、わかりやすく解説します。


この記事のアドバイザー


日本の公的年金制度の基本的な仕組み

日本の公的年金制度は、大きく2つの層から成り立っています。厚生労働省「年金制度のポイント(2026年度版)」によると、20歳以上60歳未満の全ての人が加入する国民年金(基礎年金・1階部分)と、会社員・公務員等が加入する厚生年金保険(報酬比例年金・2階部分)という「2階建て」の構造です。

1階部分:国民年金(基礎年金)

国民年金は、20歳以上60歳未満の日本に住む全ての人が加入対象となる制度です。自営業者・フリーランス・学生・無職の方も含め、広く加入が義務付けられています。老齢基礎年金として受け取れる金額は、加入期間と納付状況によって決まります。

2階部分:厚生年金保険

厚生年金は、会社員・公務員などが国民年金に上乗せして加入する制度です。給与水準や加入期間に応じた報酬比例の年金が支給されるため、現役時代の収入が将来の年金額に反映されます。厚生年金に加入している期間は、国民年金の保険料も同時に納めているとみなされます。


厚生年金と国民年金の違い

厚生年金と国民年金は、加入対象・保険料の計算方法・将来の給付額の面でいくつかの違いがあります。以下の表で整理してみましょう。

| 項目 | 国民年金(基礎年金) | 厚生年金保険 |

|------|------|------|

| 加入対象 | 20歳以上60歳未満の全員 | 会社員・公務員など(原則70歳未満) |

| 保険料 | 定額 | 給与・賞与に応じた定率(18.3%) |

| 負担方法 | 全額自己負担 | 事業主と折半 |

| 給付の種類 | 老齢・障害・遺族基礎年金 | 老齢・障害・遺族厚生年金 |

| 年金額の特徴 | 加入期間で決まる | 収入と加入期間で決まる |

会社員として厚生年金に加入している場合、国民年金基礎年金の部分も含めて2層分の年金を将来受け取れる点が大きなメリットです。


厚生年金の被保険者の種類と加入条件

厚生年金の被保険者は、加入する立場によっていくつかの種類に分類されます。一般的な会社員は「第1号厚生年金被保険者」として日本年金機構が管掌する厚生年金に加入します。公務員や私学教職員については、それぞれ対応する共済組合等が管掌します。

加入の対象となる事業所と労働者

法人の事業所は原則として厚生年金の適用事業所となり、そこで勤務する70歳未満の労働者が被保険者となります。パートタイムや短時間労働者については、一定の要件(労働時間・賃金等)を満たす場合に加入対象となります。

2025年6月に成立した年金制度改正法(令和7年成立)では、短時間労働者の社会保険加入について企業規模要件を段階的に撤廃する方針が定められました。厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」によると、これにより約90万人の労働者が新たに社会保険に加入し、将来の年金増額などのメリットを受けられるようになる見込みです。


厚生年金保険料の計算方法

保険料率と折半の仕組み

日本年金機構「厚生年金保険料額表」によると、厚生年金の保険料率は2017年9月以降18.3%で固定されています。この保険料は事業主と被保険者が原則折半で負担するため、それぞれの負担率は9.15%です。保険料は毎月の給与から天引きされ、会社が従業員負担分と合わせて日本年金機構へ納付します。

標準報酬月額を使った計算例

厚生年金保険料は「標準報酬月額」をもとに計算されます。標準報酬月額とは、実際の月給を一定の等級に区分したものです。

計算例①:月給30万円の場合

- 標準報酬月額:30万円(該当等級に応じた金額)

- 保険料総額:30万円 × 18.3% = 54,900円

- 本人負担分:54,900円 ÷ 2 = 27,450円(月額)

- 年間負担額:27,450円 × 12 = 329,400円

計算例②:月給45万円の場合

- 標準報酬月額:45万円

- 保険料総額:45万円 × 18.3% = 82,350円

- 本人負担分:82,350円 ÷ 2 = 41,175円(月額)

- 年間負担額:41,175円 × 12 = 494,100円

給与が高いほど保険料の負担は増えますが、その分だけ将来受け取れる厚生年金の金額も増える仕組みになっています。

なお、2025年の年金制度改正法により、標準報酬月額の上限が現行の月65万円から段階的に引き上げられます(2027年9月に68万円、2028年9月に71万円、2029年9月に75万円)。厚生労働省「厚生年金等の標準報酬月額の上限の段階的引上げについて」によると、会社員男性の約10%が現行の上限に該当しており、引き上げにより賃金に見合った年金を受け取れるようになります。


将来の年金額はいくら?受給額の目安

老齢厚生年金の受給条件

老齢厚生年金を受け取るには、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たし、かつ厚生年金の被保険者期間が1か月以上必要です(厚生労働省「年金制度の仕組みと考え方」)。原則として65歳から支給が始まりますが、一定の条件を満たせば繰り上げ・繰り下げ受給も選択できます。

令和8年度の年金額の目安

厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」によると、令和8年度(2026年度)の年金額は国民年金(基礎年金)が月額70,608円(満額・昭和31年4月2日以降生まれ)となりました。前年度比1.9%の引き上げです。

また、平均的な収入(賞与含む月額換算45.5万円)で40年間就業した場合の厚生年金+基礎年金(2人分)の合計は月額17万7,450円とされています。

実際の受給額の個人差

年金額は加入期間と現役時代の平均収入によって大きく異なります。厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢年金受給者の平均年金月額(老齢基礎年金を含む)は月額15万円となっています。

老後の生活費として年金だけで賄えるかどうかは個人の状況によって異なるため、年金以外の資産形成も重要な選択肢です。


年金額の改定の仕組み

年金額は毎年度、物価変動率や名目手取り賃金変動率に応じて改定されます。厚生労働省の発表によると、物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回る場合は、現役世代の負担能力を考慮して名目手取り賃金変動率を基準に改定する仕組みです。令和8年度は名目手取り賃金変動率(2.1%)を基準として改定が行われました。

また、日本の公的年金の財政方式は「積立金も活用した賦課方式」です。現役世代が納めた保険料をその時の受給者の給付に充てつつ、過去に積み立てた積立金も活用することで、少子高齢化の中でも現役世代の保険料負担を抑えながら給付を確保する構造になっています(厚生労働省「将来の基礎年金の給付水準の底上げについて」)。


在職老齢年金:働きながら年金を受け取る場合の注意点

65歳以降も働きながら厚生年金を受け取る場合、「在職老齢年金制度」の対象になることがあります。これは、賃金(賞与込み月収)と老齢厚生年金の合計額が支給停止調整額を上回る場合に、超過分の半額の年金が支給停止される仕組みです。

政府広報オンライン「もっと働きたい!に応えて、在職老齢年金制度の基準額が2026年4月から引上げに」によると、令和8年度(2026年度)の支給停止調整額は月65万円に引き上げられました(令和7年度は月51万円)。この引き上げにより、新たに約20万人が老齢厚生年金を全額受給できるようになると試算されています。

働き続けることで年金の支給停止を心配していた方にとって、この制度変更は大きな情報といえるでしょう。


老後の備えとして年金以外の資産形成も考えよう

年金制度は老後の生活を支える重要な柱ですが、それだけで全ての生活費を賄えるとは限りません。現役時代から計画的に資産を積み上げておくことが、ゆとりある老後につながります。

老後の資産形成を考えるうえで、まず手元の貯蓄を着実に増やすことが第一歩です。銀行金利比較ランキング2026では、現在の主要銀行の金利情報をまとめていますので、口座選びの参考にしてみてください。

また、ネット銀行のメリット・デメリットも合わせて読むと、自分に合った銀行選びの判断材料になります。

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退職・転職時の厚生年金の手続き

退職したときの手続き

会社を退職すると厚生年金の被保険者資格を喪失します。次の就職先でも厚生年金に加入する場合は、新しい勤務先が手続きを行います。転職先が決まっていない場合や自営業に転じる場合は、国民年金への切り替え手続きが必要です。

配偶者の年金への影響

厚生年金に加入している会社員の配偶者が、年収一定額未満で専業主婦(夫)として扶養に入っている場合、国民年金第3号被保険者として国民年金の保険料負担なしに基礎年金の加入期間を確保できます。退職や収入変動があった場合は、配偶者の年金加入状況も確認が必要です。

年金に関する手続きや個人の状況に応じた相談は、Habittoのアドバイザーにチャットまたはオンラインセッションで気軽にご相談ください。国家資格を持つファイナンシャルプランナーが、老後のお金の計画を一緒に考えます。


よくある質問

Q. 厚生年金に加入できる年齢の上限はありますか?

原則として70歳未満が厚生年金の被保険者となる対象です。70歳以降は厚生年金の被保険者にはなりませんが、在職老齢年金の仕組みにより、一定の条件下では年金額が調整される場合があります。

Q. 転職の多い人は年金が少なくなりますか?

厚生年金は全ての加入期間・標準報酬が通算されるため、転職の回数自体は年金額に不利に働きません。加入期間の合計と平均的な標準報酬月額が将来の年金額を決める計算の基礎となります。

Q. 企業年金と厚生年金はどう違うのですか?

厚生年金は国が運営する公的年金制度ですが、企業年金は企業が独自に設ける上乗せの年金制度です。確定給付企業年金や確定拠出年金(企業型DC)などが代表的で、厚生年金に加算する形で老後の保障を厚くする役割を果たします。

Q. 自分の年金見込み額はどこで確認できますか?

ねんきんネット(日本年金機構が運営するウェブサービス)やねんきん定期便で、これまでの加入記録と将来の年金見込み額を確認できます。定期的に自分の情報を把握しておくことが、老後の計画を立てるうえで役立ちます。


まとめ:年金の仕組みを知り、老後の備えを整えよう

厚生年金は、国民年金(基礎年金)に上乗せされる報酬比例の年金であり、現役時代の収入と加入期間が将来の年金額に直結します。保険料は事業主と折半で負担する仕組みのため、会社員にとっては自分で全額負担する国民年金第1号被保険者と比べて有利な側面もあります。

一方で、令和6年度末時点の老齢年金受給者の平均年金月額は月額15万円(老齢基礎年金含む)であり、年金だけで老後の全ての生活費を賄うのは難しいケースも少なくありません。年金制度の仕組みをしっかり理解したうえで、iDeCoやNISAなどの制度も活用しながら、自分自身の資産形成を並行して進めることが大切です。

老後の資産づくりを始めるにあたって、まずは日々の貯蓄習慣を見直してみるのも一つの方法です。銀行口座開設に必要なものを参考に、自分に合った口座を選ぶところから始めてみてはいかがでしょうか。

貯蓄を始めたいけれど、どの口座を選べばいいか迷っている方は、条件なしで年利0.7%の金利がつくHabittoの貯蓄口座も選択肢の一つです。口座開設は最短8分、スマホだけで完結できます。

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※0.7%(税引後0.557%)の金利は預金額100万円まで適用、100万円を超える預金については0.3%(税引後0.239%)の金利が適用されます。表示されている金利は年利です。他の商品・サービスの購入や給振口座指定などの条件を伴わない普通預金として。金利は変動する場合があります。

※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。具体的なご判断はご自身の責任で行ってください。


参考・出典

- 厚生労働省「年金制度のポイント(2026年度版)」(2026年4月)

- 日本年金機構「厚生年金保険料額表」(2017年9月以降・2026年度現在も同率)

- 厚生労働省「年金制度の仕組みと考え方 第3 公的年金制度の体系(年金給付)」(2022年6月更新)

- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」(2026年1月23日)

- 厚生労働省「将来の基礎年金の給付水準の底上げについて」(2025年)

- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2025年)

- 政府広報オンライン「もっと働きたい!に応えて、在職老齢年金制度の基準額が2026年4月から引上げに」(2026年2月17日)

- 厚生労働省「在職老齢年金制度の見直しについて」(2026年1月)

- 厚生労働省「厚生年金等の標準報酬月額の上限の段階的引上げについて」(2025年6月13日法律成立)

- 厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」(2025年6月13日法律成立)

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