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【2026年版】年収の壁130万円を超えるデメリット・メリットと手続きを解説

【2026年版】年収の壁130万円を超えるデメリット・メリットと手続きを解説

「もう少し働きたいけど、扶養を外れると損しそうで踏み切れない」

こんな気持ちを抱えているパートやアルバイトの方は多いのではないでしょうか。野村総合研究所が2025年11月に実施したアンケート調査によると、有配偶パート女性の56.7%が「年収の壁」を意識して就業時間や日数を調整していると回答しています。

この記事では、年収の壁の種類と仕組み、130万円の壁を超えた場合のデメリットとメリット、そして家族の手続きについてわかりやすく解説します。


この記事のアドバイザー


年収の壁とは?種類と仕組みを解説

「年収の壁」とは、一定の収入を超えると税金や社会保険料の負担が生じ、手取りが減ってしまう収入の境界線のことです。大きく分けると「税制上の壁」と「社会保険上の壁」の2種類があります。

それぞれ根拠となる制度が異なるため、どの壁を意識すべきかは、勤務先の従業員規模や本人の状況によって変わります。まずは全体像を確認しておきましょう。

税制上の壁

税制上の扶養とは、所得税・住民税における配偶者控除や扶養控除の対象になれるかどうかの話です。配偶者の収入が一定額以下であれば、世帯主が配偶者控除(最大38万円)を受けられます。収入がその範囲を超えると控除額が段階的に減る配偶者特別控除が適用され、さらに超えると控除がゼロになります。

財務省「令和8年度税制改正の大綱」(2025年12月26日閣議決定)によると、2026年・2027年分の所得税については、基礎控除と給与所得控除の最低保障額を引き上げる特例措置が設けられました。これにより給与所得者の所得税の課税最低限(非課税ライン)は178万円まで引き上げられています。

社会保険上の壁

社会保険上の被扶養者認定は、健康保険・厚生年金の加入義務が生じるかどうかに関わります。こちらは「106万円の壁」と「130万円の壁」の2段階があります。


106万円の壁とは

106万円の壁は、一定規模以上の会社に勤める短時間労働者が、社会保険(健康保険・厚生年金)に加入しなければならなくなる目安の収入ラインです。月額賃金8.8万円以上(年収換算で約106万円)が加入要件の一つとなっています。

ただし、厚生労働省「年収の壁への対応」(2025年6月)によると、令和7年の年金制度改正法により、この月額賃金8.8万円の賃金要件は2025年6月から3年以内に撤廃される方向で決まっています。また、従業員50人超の企業規模要件も段階的に縮小・撤廃されることになりました。

この改正により、今後は106万円の壁を意識する必要がある対象者の範囲が広がっていく見込みです。自分の勤務先の従業員数や労働時間を確認しておくことが大切です。


130万円の壁とは

130万円の壁は、健康保険の被扶養者として認定される年間収入の上限ラインです。年収が130万円を超えると、被扶養者から外れ、自身で国民健康保険や職場の健康保険に加入する必要が生じます。

厚生労働省によると、社会保険の被扶養者認定は、年収130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)であり、主として被保険者の収入によって生計を維持していると認められる場合に適用されます。

2026年4月からの新ルール

厚生労働省は2025年10月1日付通知(保保発1001第3号)を発出し、2026年4月1日から被扶養者の年収判定方法を変更しました。従来は「実績や将来見込み」で判定していましたが、新ルールでは「労働契約の内容(基本給・諸手当・賞与)に基づく年収見込み」で判定します。

これにより、契約上の年収が130万円未満であれば、繁忙期の残業などで一時的に実収入が130万円を超えても、原則として扶養にとどまれるようになりました。パートやアルバイトの方にとって、就業調整のストレスが軽減される改正といえます。

19歳以上23歳未満の特例

厚生労働省によると、19歳以上23歳未満の親族等を扶養する場合、社会保険上の被扶養者認定の年間収入要件が130万円未満から150万円未満に引き上げられました(2025年10月施行)。これは所得税上の特定扶養控除の要件見直しへの対応です。


扶養を外れるデメリット

扶養を外れると、家族の手取りにどんな影響が出るのか、具体的に確認しておきましょう。

社会保険料の負担が増える

130万円の壁を超えて被扶養者から外れると、自分で健康保険・厚生年金に加入するか、国民健康保険・国民年金に加入する必要があります。社会保険料の負担は年収の約15〜16%程度が目安で、収入が増えても手取りが一時的に減る「逆転現象」が起こりやすいのがデメリットです。

世帯主の税負担が増える可能性がある

配偶者の年収が一定額を超えると、世帯主が受けられる配偶者控除・配偶者特別控除の金額が減ります。所得税・住民税の控除が減る分、世帯全体の税負担が増える可能性があります。

計算例:130万円ちょうどで働いた場合と超えた場合

たとえば年収130万円で被扶養者のまま働く場合、社会保険料の自己負担はゼロです。一方、年収が131万円になって被扶養者から外れた場合、社会保険料として年間約20万円前後の負担が生じることがあります(勤務先の規模や保険料率による)。

つまり、収入が1万円増えただけで手取りが大きく減るケースがあり、これが就業調整の大きな原因になっています。


扶養を外れるメリット

デメリットばかりではありません。扶養を外れて働き方を変えることで得られるメリットも整理しておきましょう。

将来の年金が増える

厚生年金に加入すると、老後に受け取れる年金額が増えます。国民年金だけの場合と比べて、将来の保障が手厚くなるのは大きなメリットです。長期的な視点で見ると、社会保険料の負担は将来への積み立てとも考えられます。

収入の上限を気にせず働ける

扶養の範囲を気にして労働時間を調整する必要がなくなるため、スキルアップや昇給を目指しやすくなります。野村総合研究所(NRI)の試算によれば、2026年度の制度改正により就業調整を行っている有配偶パート女性とアルバイト学生が追加就労を行った場合、給与増分額は合計9,500億円に上ると推計されています(2026年1月21日公表)。

傷病手当金・出産手当金が受け取れる

職場の健康保険に加入することで、病気やケガで休業した際の傷病手当金や、出産時の出産手当金を受け取れるようになります。これらは国民健康保険には原則ない給付です。


税制改正で変わった扶養控除・配偶者控除の要件

財務省「令和8年度税制改正の大綱」(2025年12月26日閣議決定)によると、所得税の扶養控除・配偶者控除の対象となる合計所得金額要件が、従来の58万円以下から62万円以下に引き上げられました。

給与収入のみの場合、扶養に入れる年収の目安は2026年・2027年分について136万円以下となります(給与所得控除の最低保障額69万円+特例5万円を含む)。

ひとり親控除・勤労学生控除も改正

同大綱では、ひとり親控除の控除額が所得税で35万円から38万円に、住民税で30万円から33万円にそれぞれ引き上げられました。また、勤労学生控除の合計所得金額要件も85万円以下から89万円以下に引き上げられています。アルバイトをしながら学ぶ学生にとっても働きやすい方向への改正といえます。

2028年以降の見通し

なお、2026年・2027年の課税最低限178万円への引き上げは時限措置であり、2028年以降は消費者物価指数の上昇率を踏まえて令和10年度税制改正で見直される予定です。制度の変化を引き続き確認しておくことが大切です。


年収ラインごとの手取りシミュレーション

実際に収入がどのラインになると手取りがどう変わるか、具体的な数字で見てみましょう。

ケース①:年収130万円 → 131万円になった場合

| 項目 | 年収130万円(被扶養者) | 年収131万円(被扶養者外) |

|---|---|---|

| 社会保険料(年間) | 0円 | 約20万円前後 |

| 手取りの目安 | 約130万円 | 約110〜111万円前後 |

収入が1万円増えたにもかかわらず、手取りが約20万円近く減る可能性があります。これが「130万円の壁」が就業調整の主因となっている理由です。

ケース②:年収150万円まで増やした場合

年収を150万円まで増やすと、社会保険料を負担しても手取りが130万円のときより増え始めます。「壁を超えるなら、しっかり稼ぐ」という判断が手取りを守るうえでは合理的です。

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扶養を外れたときの手続き

扶養から外れることが決まったら、家族・勤務先・行政機関でいくつかの手続きが必要です。

被扶養者削除の手続き

配偶者や親の健康保険の被扶養者から外れる場合、被保険者(扶養している側)の勤務先を通じて「被扶養者削除」の届け出を行います。健康保険証の返却も必要です。

自身の保険加入手続き

勤務先で社会保険に加入する場合は会社が手続きを行います。国民健康保険に加入する場合は、扶養を外れた日から14日以内に住所地の市区町村窓口で手続きを行ってください。

確定申告・年末調整の確認

所得税・住民税の扶養控除や配偶者控除の適用が変わる場合、世帯主の年末調整や確定申告で正しく申告する必要があります。控除の変更を確認し、申告漏れがないよう注意しましょう。


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よくある質問

Q. 扶養を外れるといつから社会保険料がかかりますか?

被扶養者の認定が取り消された日(扶養を外れた日)から社会保険料の負担が始まります。月の途中で外れた場合でも、その月分から保険料が発生するのが一般的です。勤務先や保険組合に確認しましょう。

Q. 年収の壁は2026年からどう変わりましたか?

財務省「令和8年度税制改正の大綱」により、2026年・2027年分の所得税については給与所得者の課税最低限が178万円まで引き上げられました。また、扶養控除・配偶者控除の対象となる年収の目安が136万円以下に引き上げられています。社会保険面では、2026年4月から130万円の壁の判定方法が「契約ベース」に変更されました。

Q. 就業調整をやめて稼ぐか、扶養内にとどまるか、どう判断すればいい?

世帯全体の手取り、将来の年金額、ライフプランなどを総合的に考える必要があります。「壁を超えるなら年収150万円以上を目指す」のが手取り的には合理的ですが、個人の状況によって最適な答えは異なります。Habittoのアドバイザーに無料で相談することで、自分の状況に合った働き方を一緒に整理できます。


まとめ:制度の変化を味方につけた働き方を

年収の壁をめぐる制度は、2026年に入って大きく動いています。税制面では課税最低限が178万円に引き上げられ、扶養控除の対象年収も136万円以下に拡大されました。社会保険面では、130万円の壁の判定が「契約ベース」に変わり、一時的な残業で扶養を外れるリスクが軽減されました。

ただし、野村総合研究所の調査では、改正後も就業調整を行う割合は大きく変わっておらず、社会保険料の負担を避けたいという意識が根強いことも示されています。「壁を超えるかどうか」の判断は、制度の変化を正しく理解したうえで、世帯全体の収入・支出・将来設計を踏まえて行うことが大切です。

収入が増えたタイミングで、貯蓄の仕組みも一緒に見直してみましょう。袋分け家計簿のやり方を参考に、収入の使い道を整理するのもおすすめです。

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※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。具体的なご判断はご自身の責任で行ってください。


参考・出典

- 財務省「令和8年度税制改正の大綱」(2025年12月26日閣議決定)

- 厚生労働省「年収の壁への対応」(2026年4月1日施行)

- 野村総合研究所(NRI)「『年収の壁』に関するアンケート調査」(2025年12月9日公表)

- 野村総合研究所(NRI)コラム「2026年度制度改正で『年収の壁による就業調整』は大きく改善される方向に」(2026年1月21日)

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