【2026年版】失業手当の条件・金額・手続きをわかりやすく解説|いくらもらえる?
【2026年版】失業手当の条件・金額・手続きをわかりやすく解説|いくらもらえる?
失業手当とは、雇用保険に加入していた労働者が離職した際に、次の仕事が見つかるまでの生活を支援するために支給される給付金です。正式名称は「基本手当」といい、雇用保険制度の中心的な給付の一つです。
雇用保険は、会社員として働いていれば原則として自動的に加入する社会保険の一種です。保険料は毎月の給与から天引きされており、労働者と事業主が折半して負担しています。2026年現在、雇用保険料率は労働者負担分が賃金の0.7%(農林水産・清酒製造・建設業は0.7%)となっています(厚生労働省「令和6年度雇用保険料率」)。
失業手当は「失業した人なら誰でも受け取れる」わけではありません。一定の条件を満たす必要があり、ハローワークで手続きを行うことが前提です。次のセクションから、条件や金額について順を追って解説していきます。
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失業手当の受給条件とは?まず確認すべき3つのポイント
失業手当をもらうためには、大きく分けて3つの条件を満たす必要があります。
条件1:雇用保険に加入していること
離職前の職場で雇用保険に加入していたことが前提です。正社員はほぼ全員が対象ですが、パートやアルバイトの方も、週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがあれば雇用保険の被保険者となります。
条件2:被保険者期間が一定以上あること
離職前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あることが必要です(一般の離職者の場合)。ただし、会社都合退職や特定理由離職者の場合は、離職前の1年間に通算6か月以上あれば対象となります。
条件3:失業の状態にあること
「失業の状態」とは、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、職業に就けていない状態を指します。病気やケガで働けない場合、介護などで就職活動ができない場合は、原則として失業の状態とは認められません。
この3つの条件をすべて満たしていれば、ハローワークに申し込みを行うことで、失業手当の受給手続きを進めることができます。
自己都合退職と会社都合退職で何が変わる?
退職理由によって、失業手当の支給開始時期や受給できる期間が大きく異なります。この点は多くの方が見落としがちな重要なポイントです。
自己都合退職の場合
転職や個人的な理由で退職した場合は「一般の離職者」として扱われます。ハローワークへの申請後1か月の給付制限期間(2025年4月改正)の後に給付制限期間が設けられます(2020年10月以降の離職者。ただし、5年間で2回目以降の自己都合退職は3か月の給付制限)。
会社都合退職の場合
会社の倒産やリストラなど、会社側の理由による退職は「特定受給資格者」として扱われます。この場合、7日間の待期期間のみで給付制限なく支給が開始されます。また、所定給付日数(もらえる日数)も自己都合退職より多く設定されています。
特定理由離職者の場合
契約期間満了による離職や、介護・病気・配偶者の転勤などのやむを得ない理由による退職は「特定理由離職者」として、会社都合に近い扱いを受けることができます。
自分がどの区分に該当するかは、離職票に記載された離職理由コードで確認できます。
失業手当の金額はいくら?計算方法とシミュレーション
失業手当の金額は、在職中の給与をもとに計算されます。ここでは具体的な計算方法と、2つのシミュレーション例を紹介します。
基本手当日額の計算方法
失業手当は1日あたりの金額(基本手当日額)として計算されます。計算の流れは次のとおりです。
ステップ1:賃金日額を算出する
離職前6か月間の賃金合計(賞与を除く)÷ 180日=賃金日額
ステップ2:基本手当日額を算出する
賃金日額に給付率(45〜80%)を掛けた額が基本手当日額となります。給付率は賃金日額が低いほど高くなる仕組みです。
2026年現在の基本手当日額の上限は、年齢によって以下のとおり設定されています(厚生労働省「令和7年8月1日以降の基本手当日額の上限額」)。
- 30歳未満:6,945円
- 30歳以上45歳未満:7,715円
- 45歳以上60歳未満:8,490円
- 60歳以上65歳未満:7,294円
シミュレーション例①:月収28万円・35歳の場合
- 離職前6か月の賃金合計:28万円×6=168万円
- 賃金日額:168万円÷180日=9,333円
- 給付率:約60%(賃金日額が5,010円超〜12,580円以下の場合の目安)
- 基本手当日額:9,333円×60%≒5,600円
- 1か月(30日分)の受給額:5,600円×30日=168,000円
シミュレーション例②:月収20万円・28歳の場合
- 離職前6か月の賃金合計:20万円×6=120万円
- 賃金日額:120万円÷180日=6,667円
- 給付率:約65%(賃金日額が低い帯のため給付率が上がる)
- 基本手当日額:6,667円×65%≒4,333円
- 1か月(30日分)の受給額:4,333円×30日=129,990円
実際の基本手当日額は、厚生労働省が定める細かな計算式によって決まります。上記はあくまで目安として参考にしてください。
失業手当をもらえる期間はどのくらい?
失業手当が支給される日数(所定給付日数)は、離職理由・年齢・雇用保険の被保険者期間によって異なります。
一般の離職者(自己都合退職など)の場合
| 被保険者期間 | 全年齢共通 |
|---|---|
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
特定受給資格者・特定理由離職者の場合(年齢・被保険者期間別)
被保険者期間が1年以上の場合、30歳未満は最大180日、30歳以上45歳未満は最大240日、45歳以上60歳未満は最大270日、60歳以上65歳未満は最大240日の支給日数が設けられています。
所定給付日数が多いほど、長く生活の支援を受けながら仕事探しができます。退職理由によって大きな差が生じるため、離職前に必ず確認しておきましょう。
ハローワークでの手続きの流れ:5つのステップ
失業手当を受け取るためには、ハローワークで正式な手続きを行う必要があります。以下の5つのステップで進めていきましょう。
ステップ1:必要書類を準備する
ハローワークに提出する主な書類は以下のとおりです。
- 離職票(離職票-1・離職票-2):退職後、会社からハローワーク経由で送付されます
- 雇用保険被保険者証
- マイナンバーカード(または通知カードと身元確認書類)
- 写真2枚(3cm×2.5cm)
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
離職票は退職後10日〜2週間程度で届くことが多いですが、会社によって異なります。届かない場合はハローワークに相談することもできます。
ステップ2:ハローワークで求職申し込みを行う
住所地を管轄するハローワークに出向き、求職申し込みと受給資格の確認を行います。このとき、離職理由についての確認も行われます。
ステップ3:雇用保険説明会に参加する
求職申し込みの後、ハローワークが指定する日程で雇用保険説明会に参加します。受給中のルールや手続き方法について説明を受けます。
ステップ4:待期期間・給付制限期間を経る
申し込みから7日間は待期期間として、失業手当は支給されません。自己都合退職の場合は1か月の給付制限期間(2025年4月改正)があります。
ステップ5:認定日にハローワークに行く
4週間ごとに設定される「認定日」にハローワークに出向き、求職活動の実績を報告します。認定を受けた後、指定口座に基本手当日額×認定日数分の金額が振り込まれます。
失業手当の受給中に気をつけたいこと
失業手当の受給中には、いくつかの注意点があります。知らずにいると、支給が止まったり返還を求められたりする場合もあるため、しっかり確認しておきましょう。
アルバイトをする場合のルール
受給中のアルバイトは一定の条件のもとで認められています。ただし、1日4時間以上の就労は「就労」とみなされ、その日の基本手当日額は支給されません(後日まとめて支給される場合があります)。また、週20時間以上の継続的なアルバイトは就職とみなされ、受給資格を失う場合があります。アルバイトをした日は必ずハローワークに申告する必要があります。申告しないと不正受給となり、支給額の3倍返還を求められることもあります。
健康保険と年金の手続き
退職後は会社の健康保険から外れるため、以下のいずれかの方法で対応が必要です。
- 任意継続被保険者制度:退職前の健康保険を最長2年間継続できます
- 国民健康保険:市区町村の窓口で加入手続きを行います
- 家族の扶養に入る:配偶者などの被扶養者になる方法です
失業手当の受給中は収入として扱われないため、家族の扶養に入れる場合もあります(健康保険組合によって異なります)。
年金は、退職後は国民年金への加入が必要です。ただし、生活が困難な場合は保険料の免除・猶予制度を活用できます。
再就職手当とは?条件・金額・手続き方法を紹介
失業手当を受給中に早期に再就職が決まった場合、「再就職手当」という一時金を受け取れる場合があります。早く仕事に就くほど得をする仕組みで、積極的な求職活動を後押しする制度です。
再就職手当の受給条件
再就職手当をもらうためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 失業手当の受給資格があること
- 所定給付日数の3分の1以上の日数が残っていること
- 1年を超えて勤務することが確実な職業に就いていること(または事業を開始していること)
- 待期期間(7日間)満了後に採用内定・就職していること
- 前の会社と密接な関係にない事業主に雇用されていること
再就職手当の金額
再就職手当の金額は、残っている所定給付日数の割合によって異なります。
- 残日数が3分の2以上:基本手当日額×残日数×70%
- 残日数が3分の1以上3分の2未満:基本手当日額×残日数×60%
たとえば、基本手当日額が5,600円で残日数が60日(3分の2以上)の場合:
5,600円×60日×70%=235,200円
早期に再就職するほど受け取れる金額が大きくなる仕組みです。
再就職手当の手続き方法
再就職が決まったら、ハローワークに「採用証明書」を提出します。就職日の前日までに提出する必要があるため、早めに動くことが大切です。就職後は「再就職手当支給申請書」をハローワークに提出し、審査を経て指定口座に振り込まれます。
失業中の生活費をどう管理するか
失業手当の受給期間中は、収入が在職中より減るケースがほとんどです。月の生活費をしっかり把握し、支出をコントロールすることが重要になります。
たとえば、自己都合退職の場合、申請から実際に振り込まれるまで最短でも2〜3か月かかります。その間の生活費をどう確保するかを、退職前から考えておくことが大切です。
失業期間中にまとまったお金を安全に置いておく場所として、金利の高い貯蓄口座を活用するのも一つの方法です。Habittoの貯蓄口座は、条件なしで年利0.7%(税引後0.557%)の金利がつき、預金額100万円までが対象です。退職前に少し余裕資金を貯めておき、失業期間中の生活費として活用するといった使い方も考えられます。口座開設は最短8分、スマホだけで完結できます。
また、保険見直しのタイミング・ポイントの記事でも解説しているように、退職は保険を見直す絶好のタイミングでもあります。固定費を下げながら、限られた収入の中でうまくやりくりする方法を探してみてください。
よくある質問
Q. 失業手当はいつから振り込まれますか?
ハローワークで求職申し込みを行った日から7日間の待期期間があります。自己都合退職の場合は1か月の給付制限期間(2025年4月改正)があるため、最初の振り込みは申請から約3か月後になることが多いです。会社都合退職の場合は待期期間のみで、最初の認定日(約4週間後)の数日後に振り込まれます。
Q. 退職後すぐに就職が決まった場合はどうなりますか?
受給手続きを開始していなければ、失業手当の受給は発生しません。ただし、受給手続きを開始した後に就職が決まった場合は、再就職手当の対象となる場合があります。所定給付日数の3分の1以上が残っているかどうかを確認してください。
Q. 離職票が届かない場合はどうすればいいですか?
退職後2週間以上経っても離職票が届かない場合は、まず元の会社の人事担当者に問い合わせてください。それでも対応してもらえない場合は、ハローワークに相談することで、ハローワークから会社に連絡を取ってもらうことができます。
Q. 失業手当の受給中に病気になった場合はどうなりますか?
病気やケガで就職活動ができない状態が続く場合、失業手当の受給期間を延長できる「受給期間延長」の申請ができます。また、30日以上就職できない状態が続く場合は「傷病手当」(雇用保険の傷病手当)を受け取れる場合があります。ハローワークに相談してください。
Q. 60歳以降の退職でも失業手当はもらえますか?
60歳以上65歳未満の方も雇用保険の被保険者であれば、失業手当の受給対象です。60歳以上の場合、基本手当日額の上限が7,294円と、他の年齢層と異なります。また、65歳以上の方は「高年齢求職者給付金」という別の給付金の対象となります。
まとめ:失業手当は「備え」として知っておくべき制度
失業手当は、仕事を失った後の生活を支える重要な制度です。ただ、受給するためには雇用保険への加入・被保険者期間・失業の状態という3つの条件を満たし、ハローワークで正式な手続きを行う必要があります。
この記事で解説した内容を振り返ると、特に押さえておきたいポイントは次のとおりです。
- 退職理由(自己都合か会社都合か)によって、支給開始時期と受給日数が大きく異なる
- 基本手当日額は賃金日額と年齢をもとに計算され、上限額が設定されている
- 受給中のアルバイトには細かいルールがあり、必ずハローワークへの申告が必要
- 再就職手当は早期再就職のインセンティブとして活用できる制度
失業期間は、次のステップに向けて生活を立て直す大切な時間でもあります。お金の不安を少しでも減らすために、貯蓄の見直しや固定費の整理も合わせて進めてみてください。
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※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。具体的なご判断はご自身の責任で行ってください。
参考・出典
- 厚生労働省「雇用保険制度の概要」
- 厚生労働省「令和6年度雇用保険料率について」
- 厚生労働省「基本手当の所定給付日数」
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
- ハローワークインターネットサービス「再就職手当について」
- 厚生労働省「雇用保険事業年報」(令和6年度)
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